ひかるが、南の島へ帰郷した際、ある85歳のおじいちゃんと、ゆっくり話をする機会が有りました。
おじいちゃんは、10人もの子だくさんで、孫やひ孫を数えると、40人は、いるとの事。
子供達は、高校がないので、一度島を離れますが、もう二度と島には帰って来ません。
おばあちゃんと二人っ切りは、淋しそうに見えるのですが、私は一番幸せ者だ、と自慢。
事実、温和な丸みのある、幸せが滲み出ているのが、感じられます。
何んでそれ程までに、幸せを周りに放射出来るのだろうか?
体力的には、庭の散歩がやっとで、寝ている時間が大半のおじいちゃん。
不思議な力を感じ、その場を離れるのが勿体無く、ついつい色々な話をし、時を過ごしてしまいました。
「今にも天国から、迎えが来るかも知れない」と平気でしゃべっている姿からは、死に対する不安が、微塵も感じられません。
どうしてなのだろうか?
話を聞くと、おじいちゃんの人生は、子だくさんの為、苦労は多かったが楽しみも多かったとの事。
大勢の子や孫の結婚や出産、名前を覚える事。
進学や就職などの便りや写真が、脳内いっぱい詰め込まれていたのです。
そして、脳内に詰め込まれた、写真やストーリーを寝ながらでも、瞬時に引き出し、何回でも再現し、毎日が映画を見ているように、楽しく過ごしていたのです。
そうです、脳内に焼き付けられた人生のアルバムは、お金もかからず体力も使いません。
何時でも、瞬時に引き出し、何回でも楽しむ事が出来るのでした。
若い時代、多くの素敵な出会いや恋をし、色々な所へ行き、苦労もいとわず冒険もし、多くのシーンを脳内に焼き付けておく事が、老後をより楽しく、幸せに過ごす秘訣ではないだろうか。
若い時代、人生のアルバムを、脳内いっぱい貯金し、周りの人々へ、幸せ貯金を放射出来る年寄りになりたいものです。
そのおじいちゃんも、人生を全うした、との便りを受け、ひかるは幸せエネルギーの放射を、体一杯受けられ、最高の出会いだったと感謝しています。
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