タケシの番組でロケを担当させたMカメラマンを、ねるとんに起用、ロケの経験が豊富で、他のカメラマンとの連携がスムーズに行ったのである。
勿論オールロケで、これ程充実した内容の番組が出来る、という事で、業界では予想以上の評価を得る事になったのである。
労使問題で青息吐息だった会社が、誰もが目を疑う活況ぶりだ。
当然、業界では注目され、後にフジテレビ100%子会社と成って行く。
アナウンサーの早稲田出身、露木氏はじめ、東大、慶応出身者が周りにゴロゴロいるが、ひかるは益々異彩を発揮していく。
威張る事なく、腰が低い、テレビの命は番組だ!、と茶の間を意識。
人間として生まれ、一番愚かな事、一番の不幸は、せっかく親から貰った知恵を、使う事なく、墓場へ持っていく事だ!
とひかるの口癖は響き渡っていた。
当時、テレビ局はカラー放送、ネット局充実へと殆んどの資金、人材が当てられ、番組の内容がスタジオ中心で、マンネリ化している事に気が付く人はいなかった。
ひかるにとって、テレビは単なるテレビでなく、何時までも魔法の箱であって欲しい。
テレビには、団欒があり、子供達はテレビで育ち、教育にまで影響しかねない。
新しい知識を得る場でもあり、遥か彼方の山や川、望遠鏡ですら見えない風景や景色がある。
行った事もない、国や場所で営まれる人々の生活も垣間見られる。
ふるさとがあり、夢があったり、人々は生涯、どれくらいテレビと対面するのだろうか・・
子供の頃見た、魔法の箱、テレビは未来永劫、魔法の箱だ。
テレビの、命は番組です。
知性、感性、人間性にあふれる番組を作り、感動、興奮を、お茶の間へ届けよう。
そして、テレビに恋した男が贈る言葉。
テレビは、いかに視聴者の目となり得るか、越えられるか、知覚足らんか・・・
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