毎日が、ひもじい思いをし、泥棒走りをしていた二十歳。
この世にこれ以上いないかと思われる、美しい女性に、バイト先で出会いました。
声をかけるにも気が小さく、沖縄生まれだと言う、多少の劣等感もあり、ひたすら胸をときめかすのみ。
ある日、まさかと思われる、一大事発生。
その女性が、食欲がないので、自分のお弁当を食べて欲しい、と持って来たのです。
鮭と卵焼きだけのお弁当でしたが、まさかと思われる、好きな女性。
手作りの弁当かと思うと、美味しいの、どうのと言っている場合ではありません。
そして、彼女が目の前で見ているのです。
全身パニック!
世の中バラ色、生まれて最高に甘い食べ物に出会いました。
このままずーっといつまでも一緒にいたい・・・
弁当の味が忘れられず、恋が芽生え、一気に炎と燃え出し、この女性なしに人生はあり得ないと思うようになったのです。
男の恋、一度燃え出したら、止めようがありません。
体を張っての獲得作戦へと展開。
しかし相手は、生まれも育ちも東京両国で、垢ぬけた生粋の江戸っ子。
田舎っぺの取れない三度笠の似合う男には、とても無理かと思われましたが、「命に賭けても、幸せにしてみせる、この気持ちは世界中を探しても、私以上の男はいないはずだ!」
結婚してくれと、猛うアタック!
一途な気持ちが伝わり、結婚に同意してくれたのです。
やったー!!、
男の情熱、何事か成らざらん!!
天の神、山の神、地の神、海の神、地上の全ての神々を招待し、どんちゃん騒ぎをしたくなったのも当然。
あまりの嬉しさに、気が狂ってしまうのではないか、と自分自身がわからなくなりました。
しかし、暗転、これからが一大事件。
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