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2016年08月18日

ポケモンGOの利用規約を読まないとどうなる?

ポケモンGOの利用規約を読まないとどうなる?
ITmedia Mobile 8月18日(木)6時10分配信

ポケモンGOの利用規約を読まないとどうなる?
今は利用できない、非公式サービス「Pokevision」
 「本サービスの利用に当たって、利用規約を読んだ上で同意しました——」同意欄にチェック。多くのソフトウェアやサービスでは、このようなプロセスでユーザーが利用規約を読み、同意したものと見なしています。しかし実際のところ、この「利用規約」を読んでいる人はどれだけいるでしょうか。「長いし、めんどくさいし、正直読んでないよ」という方も多いのでは? 私もソフトウェアのインストール時に、毎回目を通しているかと言ったら怪しいです。しかし規約の内容を最低限知っておかないと、あなたも知らないうちに「事件」の関係者になってしまうかもしれません。


●Pokevision事件

 一例を挙げると、最近ではポケモンGOの非公式サービス「Pokevision」の停止がニュースになりました。Pokevisionは遠くのポケモンを地図上で探せるので多くのポケモンGOユーザーが利用していたようですが、米NianticはPokevisionのアクセスを「不正アクセス」と見なして遮断し、Pokevisionは停止に追い込まれました。それもそのはず、ポケモンGOのサービス利用規約では「本サービス又はコンテンツ(中略)の抽出、収集、インデックス作成、複製又はミラーリングを行うこと。」を「行動規範、一般禁止事項、及び当社の執行権」という項目の中で禁止しています。

 せっかくの便利なサービスを……、とサービス停止を残念に思ったユーザーもいるかもしれませんが、このように利用規約で明示的に禁止されているので、停止させられて当然だったといえます。実際にNianticの公式サイトでは、Pokevisionなどの「利用規約に反してサーバーへ不正にアクセスしようとする第三者のアグレッシブな」アクセスを遮断したところ、ゲームサーバの負荷が大幅に減ったと説明しています。

●UTme!事件

 ポケモンGO以外でも、利用規約に思わぬことが書いてあることでネットで炎上した事件は多くあります。例えば、ユニクロのオリジナルTシャツを作成できるサービス「UTme!」は開始当時、「投稿データについて、その著作物に関する全ての権利(中略)を、投稿その他送信時に当社(ユニクロ)に対し、無償で譲渡します」などの項目を利用規約に記載していました(現在は修正されています)。この件については魅力的なサービスと裏腹の利用規約内容に、ユーザーから不満の声が続々と上がっていたので明らかになりました。しかし誰も利用規約を読まず、そのまま利用していたら著作権関係でトラブルが起きていたかもしれません。

●気持ちのいいサービス利用のために

 利用規約は良くも悪くも、ユーザーとサービス提供者間に契約の合意を形成するものです。これがどこまで法的に有効かという点については個別の争点となりますが、あらかじめ規約内容に目を通しておけばトラブルは多少なりとも回避できます。また、Pokevision事件については公式とサードパーティー間のみの話にも見えますが、Pokevisionを通してユーザーがサーバにアクセスを殺到させたという見方もできます。ならば、間違いのないように穴の開くほど利用規約を読めというのかといえば、そうではありません。約2万文字の分量があるポケモンGOの利用規約を、ユーザー一人一人が一字一句読むのは事実上無理です。そこまでしなくても、便利そうなサービスを見つけた時にすぐに使うのではなく、一歩引いてみて「本当に使っていいのかな?」と確認するのがユーザーとしての理想的なモラルではないでしょうか。

 そして考えなければいけないのはユーザーだけではありません。前から言われていることではありますが、利用規約を作る企業側も単に訴訟リスクを下げるためだけの規約ではなく、ユーザーに理解してもらいやすい規約作りや見せ方を工夫するべきです。ポケモンGOに関して言えば、Web上のサービス利用規約ページとトレーナーガイドラインは比較的分かりやすく作られています。しかし、ゲーム上では登録時に利用規約に同意する画面はなかったですし、ゲーム中のメイン画面から4回遷移しないと利用規約にたどり着きません(ページスクロールもカクカク)。ヘルプセンターからWebページに遷移することもできますが、そちらから利用規約やトレーナーガイドラインを閲覧しようという発想を持つ人は少ないでしょう。特にトレーナーガイドラインは利用規約の10分の1程度の量で(約2000文字)、安全なプレイをするために心掛けるべきことをかいつまんで説明している良いページです。このページをもっと簡単にアプリから見られると、ユーザーも確認しやすいでしょう。

 利用規約の問題は、このように企業とユーザーがお互いに歩み寄ることで解決されていくのではないでしょうか。
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