かつて「ネオヒルズ族」「秒速で1億円稼ぐ男」と世間からもてはやされたものの、’14年に法人税滞納で会社を清算し、文字どおり無一文になった 与沢翼
氏。まさに天国から地獄に転落し、世の中の誰もが「与沢翼は終わった」と確信し、“過去の人”となった。
あれから5年——。地獄の底を見た与沢氏が、圧倒的な結果を出してカムバックしていた。現在はドバイやバンコク、クアラルンプール、シンガポールなどを拠点にし、投資家・実業家として純資産70億円超を持つまでに復活。’18年までの実績でいうと、ビジネスで月収は1億円、仮想通貨での投資では、リップルに1億3500万円を投じ、3か月で含み益は最大27億円となり、14億円の利益を確定した。株式投資でも、SBIホールディングスやリミックスポイント、その他銘柄を通じて1億円を5億円にした。また、世界各地に40戸、総額45億円の超高級マンションを現金一括で購入し、今後は貸し出したり売却を進めていく予定だという。
さらには、ポッチャリとした体形が印象的だった与沢氏だが、2か月で22?sの減量を経て筋肉質な体形へと見た目も一変した。投資、ビジネス、ダイエットとあらゆるジャンルで圧倒的な結果を出し続けている与沢氏の成功法則をまとめた『ブチ抜く力』が3月に発売されてから毎週重版がかかり、1か月で5刷、6万6000部と話題になっている。
かつて与沢氏の雑誌『 ネオヒルズジャパン
』を担当し、その後も錚々たる著名人の大ヒット作を連発する幻冬舎・編集者の 箕輪厚介
氏を迎え、「個」で稼ぐ時代に求められるものは何か、どう生きればいいのか、激論を交わした。
——与沢さんも箕輪さんも「個人」でありながら圧倒的な結果を出し、活躍されていますよね。
箕輪:何か一つ突き抜けないと、いろいろやってもまったくシナジーを生まないんですよね。僕の場合は日本でトップクラスに本を売っているという実績があるから全部掛け算になっている。日々の仕事でもみんなは70点くらいしかやらないけど、実は120点くらいまで突き抜けると、その努力はそんなに大したことがないのに、まったく世界が変わるんです。でも、99%の人はそこまでやらない。与沢さんはその“リミッター”を外す能力が圧倒的に高いなと感じていましたね。
与沢:確かに私は「広く浅く」というのがとにかく嫌いで。適当にやるくらいだったら、やらないほうがマシと考えています。
箕輪:『多動力』(著・ 堀江貴文
)という本を編集した僕から見ると、与沢さんは昔から“一点突破の人”でしたよね。
与沢:私は多動力っていう生き方は好きなんですよ。今の時代にふさわしいスピードを感じて。多動することは自分に向いていることを見つけるための手段であって、自分の道が見つかってないときは種を蒔くのは重要だと思います。私はこれまで会社を経営していましたが、二度やって自分は経営者に向いてないことがわかった。それが大切なんですよ。減量のときも、「短期間での急激なダイエットは健康によくない」「非常に危険だ」など、たくさん言われましたよ。でも私はすべて無視しました。自分で決めて、最後まで一点集中でやり抜くことが大事なんですよ。
箕輪:よく「PDCAを回す」というけど、「仮説が正しいか」というのはブレやすいところ。だけど与沢さんが違うなと思ったのは、それが真実かどうかはおいておいて「これでいくんだ!」と決めてやり切るところですね。
与沢:そう、すごい頑固なんですよ(笑)。
箕輪:うまくいくかいかないかより、「自分のルールで生きる」ことを大切にしている感じが昔からあったなあ。そう生きなければ自分じゃない、と。
与沢:そうなんですよ。例えば1億円儲かることが保証された投資があったとしますよね。でも私は、それだと嬉しくないし、乗りたくない。そんなので儲かるお金だったらいらないですよ。たとえ時間がかかっても、誰の力も借りず独力で稼ぎたい。「自分一人で稼ぐ力」をつけることに意味があるし、そこに生きがいを感じますね。
箕輪:そこ、一貫してるんだよなあ。“お金のウラ”にある経験や見たことのない世界を欲しがっていたのは、当時から変わっていないんですよね。
与沢:私は「ワクワク感」がなくなると動けなくなってしまうんですよ。日本を出ようと思ったのも、日本でひと通りのことをやって楽しみも物欲もなくなったから。でも、金融国家であるシンガポールやドバイを見たとき、「ここには自分が知らない世界がありそうだ」と可能性と熱量を感じて、すべてにワクワクしましたね。
箕輪:与沢さんは日本にいた頃、相当なトラブルも経験していますよね。男の魅力とか仕事力ってそこだと思っていて、通った修羅場はもう一度来ても、もう動じなくなりますよね。
与沢:一度経験していればどんなトラブルも淡々とこなすことができて、免疫ができるんですよね。
箕輪:与沢さんは、その“トラブルの年輪”が尋常じゃないからカッコいいんだと思う。
与沢:理屈じゃないんですよね、「経験」って。残念ながら、読書しても学ぶことができない。
箕輪:与沢さん変わったのかなと思うところは、地獄だとわかってあえてアクセルを踏んでいるヒリヒリ感があったんですよね。
与沢:そうそう、「こんなのが続くわけない」とわかって続けていたところがあった。でも、家族ができて、海外でのんびり暮らしていると性格も温和になってくるので、もうあの地獄は体験しないようにと予防できますね。
箕輪:20代でネオヒルズ族と呼ばれていたところから本当に一文無しになるなんて、31歳であの経験ってすごいですよね。
与沢:何でもひと通り経験しないとダメだと思って、“巻き”で生きてきたからね(笑)。逆にこの5年、箕輪さんを見ていて、めちゃくちゃ成長していますよね。
箕輪:ありがとうございます。僕の強みって『ドラゴンボール』の「セル」みたいなところがあって、吸収して自分の能力に変えてしまうところだと思うんですよ。普通の編集者は他人の話として取材をしてるんですけど、僕はその人になりたくて、自分が成長するため、お金持ちになるために取材をしている。僕は、そういう人たちの“集合体”でしかないんですよ。
与沢:箕輪さんだって会社員だから、会社員でもここまで変われるということなんですよね。なぜそこまで人を動かせるのか、私も見ていてすごいと思いましたね。
箕輪:僕が「個人」として興味があるからというのが大きいと思います。自分も成長したいと思うとただの“担当編集者”ではなく、「個」と「個」の付き合いになる。
与沢:人と人との?がりってそういうことですよね。それと、「興味」って超大事だと思っていて、結果を出すか出さないかは興味を持てるかどうか。関心を持つからどんどんこだわったり熟練していくんですよ。「関心がない」というのが会社員、いや人間にとって一番いけないことだと思いますね。
箕輪:そうですね。会社員って給料をもらいながら、ノーリスクで会社のお金で大博打ができる。昔だったら社内で「こいつ、優秀だな」と思われるだけだったけど、今はSNSで自分にブランドが返ってきて副業とかで回収できる。会社は、“自分のブランドを増幅させる装置”なんですよ。
与沢:これくらい、したたかじゃないとダメですよね。箕輪さんがやっていることって一般の会社員からするとルール違反に見えるけど法律違反ではない。本業で実績をつくり、それを副業で回収する。これを容赦なくやらないと。
箕輪:与沢さんはそういうのが面倒だから「個」を選んでいて、圧倒的に強いことによって自由を得たい人だと思うんですよね。
与沢:そう。よく「与沢さんの幸せなときって何ですか?」って聞かれるんですが、今は株式投資の勉強して考えて意思決定して自分のお金を投じて、予想が当たることが一番嬉しい。株式投資って結局は大衆心理、人間を知るということでゴールがない。新しい企業が次々生まれてくるのも面白い。「70歳までに日本一の投資家になる」という目標を定めた今、人生がますます楽しくなりましたね
【与沢 翼】
実業家・投資家。’13年に山手線の電車広告をジャックし、「秒速1億円の男」として一躍注目を浴びる。現在は世界各地に計40戸の高級不動産を所有、純資産70億円超を無借金で形成。ドバイやタイ、マレーシア、シンガポールなどを行き来しながら暮らしている
【 箕輪厚介
】
幻冬舎の編集者。オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。 与沢翼
氏を責任編集長とした『 ネオヒルズジャパン
』創刊。『多動力』( 堀江貴文
・著)、『人生の勝算』( 前田裕二
・著)、『お金2.0』(佐藤航陽・著)、『日本再興戦略』(落合陽一・著)などを担当
引用元:週刊SPA!
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190409-01564922-sspa-bus_all