2016年05月10日
玉川上水から品川用水へ その3<けやき橋の庚申塔>
堀合通りを南下していくと、行く手にJR中央本線が見えてきます。この先も品川用水跡の道は続くようですが、本日(H28/05/03)はここまで。玉川上水に寄り道しました。

武蔵野市西久保1丁目。野鳥の森公園付近で、ちょっとだけ暗渠になる玉川上水。
交差点を渡れば、また外に出てきます。

同じく西久保1丁目。もうすぐ解体されてしまう素敵なお宅連理の松だけでも残されますように
武蔵野市と三鷹市の境を流れる玉川上水。このあたりの公園や個人住宅には、武蔵野の景色や環境になじむ暮らしを心掛けているたたずまいがあります。

上水のほとりを歩いていくと、三鷹通りに突き当たります。その角に、庚申塔がありました!
三鷹市上連雀1。三鷹市指定文化財の石造庚申供養塔とのことで、解説版も立てられています。
建立は享保14年(1729)、隣接して湯殿山・羽黒山・月山講の碑もあります。
水に恵まれて豊かになった村民が、 庚申待ち を重ねたり、講を組んで出羽三山に旅をしたりしていた、ということでしょう。
三猿や邪鬼の表現も、なんだか楽しげです

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踏まれた邪鬼の顔
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2016年05月09日
玉川上水から品川用水へ その2<堀合通り>
八坂神社 が立ち入り禁止になっているのは、境内に接して子どもたちの遊び場( プレーパークむさしの )があるからでしょうか。舗装していない凸凹の地面で、子どもたちが走ったり上ったり泥だらけになったりでき、大人はそれを見守るだけ、という素敵なコンセプトの広場(狭いけど)です。
神社側としては、腕白な子どもや行儀の悪い大人から社殿を守りたいのかもしれませんが、小さいうちから神仏や歴史ある建物に触れて楽しむことまで拒まなくてもよいように思います。
筆者が子どもの頃、お寺や神社の境内はかくれんぼや鬼ごっこの適地でした。時に社殿に上って怒られたり、「お墓で遊んで転んだ子が亡くなった」とか「狛犬にまたがった子が歩けなくなったんだよ」といった伝説に震え上がったりしたのを懐かしく思い出します。
さて、品川用水は、取水口から八坂神社の社殿の裏、プレーパークの真ん中あたりを通って南東へ伸びていました。
品川用水は、仙川用水の分水として開削されたそうですので、正確に言えば、このあたりは仙川用水の跡ということになります。いまでは堀合通り(ほりあわいどおり)という道路に姿を変えています。

プレーパークむさしのから堀合通りを望む
生垣? 屋敷林?
「ほりあわい」という名のとおり、玉川上水と品川用水に挟まれて、肥沃な農地が広がっていたのでしょう。住宅街を抜けて三鷹市上連雀に入っていくと、豪農の面影をもつお宅が連続してきます。

防風林といってよいくらいの分厚い生垣の奥に茅葺のお宅があります。

突き出した梁が豊かさを感じさせます。

曲がりくねって三鷹方向へ、さらに堀合通りは続きます。
この項も続きます。
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2016年05月05日
玉川上水から品川用水へ その1 <武蔵野市境の八坂神社>
品川用水は、 玉川上水 から、寛文7〜9年(1667〜1669)に引かれた農業用水です。
現在は取水口もふさがれていますが、水の流れを埋め立てて、そのまま道として使われている場所もあります。
微妙に曲がりくねった道のところどころに、小さな寺社や石塔を見つけることもできます
まずは、取水口。

玉川上水の桜橋(武蔵野市境)から、 境浄水場 を左に見ながら下流へ歩いていくと、あります。

ここに堰を設けて、南東方向(写真手前)に分水していたようです。いまは、道を挟んで、武蔵野第六中学校が建っています。

中学校の裏に、小さな神社を見つけました
小さいけれど、立派なつくり。八坂神社は 牛頭天王 を祀る神社ですが、品川にも、江戸時代には「牛頭天王」と呼ばれていた、 品川神社と荏原神社 があります。
この八坂神社、残念ながら立ち入り禁止ですが、機会があれば調べてみたい神社です。

末社の狛犬か狐かわからない石像も気になる〜
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武蔵野と品川をつないでおやつタイム
2016年03月24日
広尾のチェシャ猫<多門山 天現寺>
東京メトロ日比谷線 広尾駅から外苑東通りを目黒方面に5分ほど歩いて、明治通りに当たった交差点にあるのが 天現寺 。
というより、天現寺橋交差点角と言ったほうがわかりやすいですかね?
めざす寺社へどう行くか、は寺社めぐりにおいては結構大事な気がします。
このお寺も、前述の行き方をするのと、白金や三田といった古めかしい高台から坂を下って、 古川 の岸辺を歩いて行くのとでは随分印象が違います。

あるいは、麻布の高台から有栖川宮公園の森へトレイルランニングのように下って行くのも面白いです。
江戸時代の地図を見ると、有栖川宮公園の麓、つまり外苑東通りの地下には笄川(こうがいがわ)という廃川が流れています。また、白金台の麓には付近の畑を潤す用水が流れ、古川に連なっています。
天現寺は、昔は水の交差点だったのですね。
そんなことを味わうには、やはり高台から下っていくのが楽しいかな? と思います。
天現寺の本尊は毘沙門天ですが、秘仏なのでご開扉の日にしか見られません。
気の向くままに訪ねる者を迎えてくれるのは、狛犬ならぬ狛虎。毘沙門天の使者だそうです。
本堂の前にいるのが天保6年(1835)製、庫裏の前にいるのが明和3年(1766年)製。
庫裏前のほうが猫っぽくて可愛いので、載せておきます。


古い写真でごめんなさい
参考にさせていただいたサイト: 世田谷の川探検隊
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広尾のお菓子?
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2016年03月23日
青面金剛がツボ!<日暮里・養福寺>
ちいさな寺もよいですが、道端の祠にも見どころはあります。
特におすすめは、寺社の門脇、古道の分岐、村落の辺縁に立つ、 庚申塔 。
いろんなスタイルがありますが、青面金剛を本尊に、邪鬼を踏みつけ、台座に「見ざる聞かざる言わざる」の三猿を配したのが面白可愛く見どころアリ
たとえば、日暮里駅から御殿坂を上り、戊辰戦争の弾痕のある経王寺を右に折れた諏訪山通りにある、 養福寺 の塔。
馬頭かな?と見まがう冠をかぶった青面金剛が4体の邪鬼を踏み、三猿に支えられているのですが。
邪鬼さんたちののんきな表情をご覧あれ! ちなみに下のは大田区南馬込の湯殿神社の像ですが、邪鬼って、こんなふうに踏まれてひしゃげていたり、岩や雲のかたちに省略されてしまっているものが多い(私の見つけた範囲での話ですが)んです。

養福寺のは、まるでマッサージを受けてるお客さんと順番待ってるお客さんのように見えませんか?
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2016年03月21日
日暮里のチェシャ猫<長久山本行寺>
お彼岸は毎年春秋、墓参にかこつけて、日暮里や谷中あたりで道草をくっております。
今年は日暮里駅から 御殿坂 を上ったところにある、 長久山本行寺 に寄ってみました。
東京の寺社をめぐると、本当によく出会う 太田道灌 が斥候台を築いた道灌物見塚があったお寺です。
ちょっと小高い場所に何か築くのがお好きな道灌さんを 小林一茶 が
「陽炎や道灌どのの物見塚」と詠んでいて、境内に句碑あり。
陽炎が立ってるみたいな石ですね。
別名”月見寺”と呼ばれたそうで
種田山頭火 の
「ほつと月がある 東京に来てゐる」の句碑も。
ほかにも小さな境内に石碑満載のお寺ですが、
一番気に入ったのはこの子。
まるでチェシャ猫。
供養塔と刻まれているけれど、猫のお墓? 気おくれして訊けなかったですが
気になる〜
御殿坂を上りきったら、夕焼けだんだんを下りて、谷中銀座へ。
招き猫のお菓子がいい匂いです。
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海を見ていた地蔵<品川寺>
旧東海道に面したお寺です。
山門の前に、大きな銅造の地蔵が一体。宝永5年(1708)9月に開眼供養された、江戸への入り口を示す道しるべ的存在のお地蔵様です。開眼当時は笠をかぶっていましたが、いまはご覧のとおり。
旧東海道の向こうはすぐ 品川浦 でしたから、もしかすると 安政東海地震 の津波に流されてしまったのかもしれません
本尊は 太田道灌 も崇敬した水月観音ですが。
小さな境内には、小さなお堂や石仏がいっぱい。見つけて歩くのも楽しいです。
hello,daikokuten!
帰りは、青物横丁駅に戻る前に、旧東海道を品川方向に向かって散策。
パティスリー レ・サンク・エピス の
みたらし
団子じゃなくてミニシューです。甘辛、サクサクでおいし
お地蔵様にしても、大黒様にしても、シューにしても。まーるいフォルムはほっこりしますね。
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