どうも星です。
海洋大生らしい話をします。
最近、何かと話題に上がる「IQ制度」というものです。
こちらのブログでは、業界のプロや専門家が解説するものと比べ、かなりラフな表現でIQ制度について説明しようと思います。
というのも、水産資源管理の分野では「ABC」「TAC」「MSY」「CPUE」の様に管理方式や、資源量の指標として略語であったり専門用語がバリバリ出てきます。海洋大で4年間勉強しても、分野が違えば理解できていない学生も少なくないはずです。
幸い、私の所属する国際海洋政策研究室ではこうした資源管理に関わる専門用語に関して日常会話で使えるレヴェルであります(笑)
今回は敢えて、
「IQ制度」って聞いたことあるけど具体的に何がいいのかわからん、説明できん。。
という方のために解説します。
そもそもIQ制度の”IQ”とは
IQ制度の正式名称は、「個別漁獲割り当て方式」といいます。
Individual(個人.個別) Quota(割当て)の頭文字をとってIQですね。
先述した様に、資源管理の分野でこうした英語での頭文字+制度や方式と呼ばれるのは、海が管理の対象である以上、日本国内だけの話では無いことが多々あるためです。
マグロ類なんかは古くから国際資源として扱われてますね。
また、どこどこの国の○○制度では〜〜な管理をしています!
っていうのが国ごと、海毎に現れたら混沌を極めますよね、
地方ごとに漁協が特殊なルールを定めている場合もありますが、
漁獲量(獲る量)の制限 ということで考えると、方法は2つのはずです。
イメージしやすいように、
とある国に湖があるとします。
その湖で漁をする漁師は5人いるとします。
資源量調査の結果、天然の魚1種類がその湖に全体で100匹生息しているだろうという結果が出るとします。
その魚の再生産性(繁殖力や生存力)を考慮し、年間に40匹まで獲ってもよいことになりました。
(※天然資源100匹は現実であれば絶対に漁獲できません※)
では、この魚の漁獲上限をどこに設定するか???
湖全体、国に設定するパターンがパターン1
TAC制度というやつです。Total(トータル、すべての)Allowable(許容、許される)Catch(獲る、漁獲)
日本語で「総漁獲許容量」と呼びます。
そしてパターン2
漁師が5人で1人あたり8匹まで個人に漁獲枠を設定するパターン。(5人×8匹=枠40匹)
これが個別割当制度、IQ制度、またはIQ方式というものです。
実際は漁獲枠はトン数表記ですが、今回説明するのにイメージしやすいように、単純に数で表しました。
漁獲枠の配分の仕方ということでイメージしていただければと思います。
いま、説明したIQおよびTAC制度、近年は日本でも両方式が魚種漁法ごとに採用されています。
IQ,TACのメリットデメリットについては、読者様へ考える時間を設けるという意味でも、
また次回以降改めて、説明します。
今回は、漁業分野において「TAC」や「IQ」という文字に出くわした際
TAC→総漁獲許容量
IQ →個別割当
という意味が理解できるようになっていただければ幸いです^^
また、次回お会いしましょう
では!
星 2019.3.28
ブログ移行しました
↓
最新の記事はこちら
【このカテゴリーの最新記事】
- no image