「ご結婚は?同居の家族はいますか?」
「代わりに払ってもらえませんか?」
「母は、わたしのせいで財産をすべてなくしまして。今は年金だけで。わたしも先日仕事が決まるまではずっと収入がなく・・・これまでにもいろいろ迷惑をかけていて・・・。」
「親戚とか、友人、知人、ほかに誰か代わりに払ってくれる人はいませんか?」
「わたしは地元民ではないので、そこまで付き合いの深い方はいません。親戚とも付き合いは途絶えてます。友人や、以前の街の人々とも、同じです。」
「では、支払期限までに払っていただけないと差押えとなります。既に過ぎているものも含めて、いつまでにいくら、払っていただけますか?」
「ですので、先ほどから申し上げておりますように(以下略)」
市の収税課のカウンター。最初は既視感かといぶかったが、先日同じようなやり取りをした記憶があった。
すぐには思い出せなかったが、役所の窓口でなかったことは確かだった。
※なお、前回の出展:「ケツの毛の最後の一本までむしられた気がした」は「ソムリエ」原作より。同じような気がしたから。
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