新ビジョン2050 地球温暖化、少子高齢化は克服できる [ 小宮山 宏 ]
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1980年代後半から本格的な調査が開始され、その存在が次第に明らかとなったという、大きな気候変動「地球温暖化」。それは地球表面の平均温度が長期的に上昇する現象のことであり、その原因としては主に温室効果ガスの増加という、人為的な問題によるものだと考えられている。しかし、この地球温暖化については、「実際には、地球温暖化は起きておらず、各国政府が環境ビジネスのために捏造しているのではないか」という陰謀論が囁かれている。
地球温暖化とは?
「地球温暖化」とは、地球の表面を覆っている大気や海の平均温度が、長期的に上昇し続ける現象のことである。この地球温暖化が進んだ場合、洪水やハリケーンなどの異常気象が増加し、地球全体の生態系が大きく破壊され、農業・漁業にも影響が出るため、食料問題が深刻化するものと予測されている。この現象は、単純に「温暖化」とも呼ばれている。
1970年代、アメリカ合衆国において「地球寒冷化」という説が浮上した際、長期的に見れば逆に地球は温暖化しているということが判明したため、「地球温暖化」という言葉が生まれ、その大きな気候変動の存在が明らかとなった。
1988年11月、地球温暖化についての科学的な研究・調査を行っている組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、国際連合環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)の共同で設立され、その後の研究・調査により、その気候変動の原因としては、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増加という、人為的な問題による可能性が濃厚となった。
1997年12月11日、温室効果ガスの人為的な排出量を削減することを目的として「京都議定書」が議決され、その後の2005年2月16日に発効されることになった。しかし、この議定書については温室効果ガスの主要排出国であるアメリカ合衆国が受け入れを拒否しており、また地球温暖化の被害を最小限に抑えるには、削減目標の数値を一桁多くする必要があるにも関わらず、目標達成の目処が立たない国が多く存在しているというのが現状となっている。
地球温暖化の疑問点
地球温暖化については、世界中の科学者から多くの疑問点が挙げられており、「実際には、地球温暖化は起きておらず、各国政府が環境ビジネスのために捏造しているのではないか」という陰謀論が囁かれている。その疑問点とは、主に下記のようなものである。
2005年から2007年にかけての世界各国の平均気温に大きな変化が見られないため、2005年頃の時点で地球温暖化は終わっているのではないか
2009年から2010年にかけては世界各国の冬の平均気温が低下しており、地球温暖化は停止状態なのではないか
1998年以降では世界各国の平均気温の上昇が停滞しており、逆に太陽活動の低下が確認されているため、これからの地球は寒冷化していくのではないか
人為的な問題による影響は極僅かなものであり、人間活動に関係のない自然要因による影響が大きいのではないか
過去にあった紀元前5000年から紀元前3000年にかけての地球全体の温暖期「完新世の気候最温暖期」、10世紀から14世紀にかけてのヨーロッパ地方の温暖期「中世の温暖期」などのように、地球は長期的に何度も温暖化を繰り返しているだけなのではないか
地球から放出された温室効果ガスは、その約95%ほどが宇宙空間にすでに吸収されているため、そのような大きな気候変動が起きるとは考え難いのではないか
火山活動、落ち葉の腐敗、人間以外の生物の呼吸などによる二酸化炭素の排出量の方が、人為的な二酸化炭素の排出量を大きく上回っているのではないか
短期的に見れば、平均気温の上昇より二酸化炭素の排出量の上昇の方が約1年ほど遅れているため、温室効果ガスの増加によって気温上昇が生じているのではなく、気温上昇の結果、温室効果ガスが増加しただけなのではないか
南極と北極の氷が溶けることによって海面が上昇するとされているが、アメリカ航空宇宙局(NASA)による調査において、北極では氷が減少しているのに対し、南極では氷が増加していることが判明しており、海面上昇の原因は地球温暖化とは無関係なのではないか
現在の科学力では、一週間先の気象状態すら正確に予測できないにも関わらず、数十年から数百年先の気象状態を予測するというのは無理なのではないか
その真相とは?
2007年3月8日、イギリスの公共テレビ局「チャンネル4」において、プロデューサーのマーティン・ダーキンによって製作されたドキュメンタリー映画「地球温暖化詐欺」が放送された。この映画では、地球温暖化の原因が人為的な問題であるということに懐疑的な科学者や経済学者、政治家などが多数出演しており、地球温暖化に対して「近代の中で、最も大きな詐欺である」と異論を唱え、大きな論争を巻き起こした。
その後の2009年11月17日、同じくイギリスにあるイースト・アングリア大学の気候研究ユニット(CRU)の所有するサーバが何者かによってハッキングされ、地球温暖化に関する約1,000通以上のメールと約3,000以上の文書がインターネット上で公開されるという、「気候研究ユニット・メール流出事件」が起きた。
この事件で流出したメールの中には、データの意図的な操作や隠蔽などの事実を疑わせるような言葉の表現がいくつか確認されており、地球温暖化の捏造を裏付ける証拠が見つかったとして、イギリス国内を中心に大きく報道されることになった。
しかし、もともとIPCCは地球温暖化の原因に対して、「完全に100%、人為的な問題によるものである」と名言した事実はこれまでになく、2007年2月から2007年10月にかけて、IPCCによって発行された報告書「IPCC第4次評価報告書」によれば、その人為的な問題による可能性は約90%ほどだとしている。この報告書は現在のところ、最も多くの学術的な見解を集約した報告書だとされており、地球温暖化の原因について議論が行われる場合、この報告書が用いられることが多い。
現在では、世界中の科学者から挙げられた多くの疑問点について、ほぼ全ての問題が「人為的な問題によるもの」として科学的に証明されており、また地球温暖化の存在そのものを否定するのに十分なデータはこれまでに一つも確認されておらず、現在では地球温暖化に対して懐疑的な考えを持っている著名な科学者は、ほとんど存在しない状態となっている。しかし、いくつか未解決とされている問題が存在することも、また事実であり、さらなる研究・調査が期待されている。
またドキュメンタリー映画「地球温暖化詐欺」では、後に製作スタッフが多くのデータを誤用・捏造していた事実が発覚しており、実際に出演者の中からも映画の中での取り扱い方に対して「故意に印象を操作している」という批判が多く寄せられる事態となった。その後、この映画は多くの科学者や評論家ジャーナリストなどから、「この映画こそが、詐欺である」という評価を受けている。
「気候研究ユニット・メール流出事件」において、その流失したとされる大量のメールと文書については、その後の公的機関による調査の結果、不正の事実は全く発見されておらず、捏造疑惑については一部の懐疑的な考えを持つ人々の偏見から生まれた、ただの誤解であるということが判明した。また後に物理学者リチャード・A・ミュラーによって行われたデータの再分析の結果、彼のデータはCRUのデータと完全に合致している。
そのため、現状では「地球温暖化は確実に進行しており、その原因は人為的な問題によるものだと考えられるが、それは完全に100%だとは断言できない」というのが確かな結論となっている。
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