暦注下段(れきちゅうげだん)とは、
暦の最下段に書かれていた日々の吉凶についての暦注である。
単に下段ともいう。
市販の暦では、下段ではなく行事の欄に記載しているものもある。
下段には迷信的な要素が多く、その弊害も大きいことから、
日本では朝廷・政府などから3回も禁止され、また識者からの
批判も多かった。
しかし、なかなか改められず、
現在まで庶民の間で根強く生き残っている。
七箇の善日
天赦日
てんしゃにち、てんしゃび。
暦には「天しや」と書かれ、選日にも書かれる。
この日は、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、
最上の大吉日である。
そのため、天赦日にのみ「万(よろづ)よし」とも注記される。
天赦日は季節と日の干支で決まり、年に5回または6回ある。
立春から立夏の前日まで 戊寅の日
立夏から立秋の前日まで 甲午の日
立秋から立冬の前日まで 戊申の日
立冬から立春の前日まで 甲子の日
神吉日
かみよしにち、かみよしび。暦には「神よし」と書かれる。
神事に関すること、すなわち神社に詣でること、
祭礼、祖先を祀ることに吉とされる。
この暦注は、日本独自のものである。
神吉日は日の干支だけで決まり(不断)、
以下の33種の干支に配当される。
数字は甲子からの日数である。
2乙丑 - 4丁卯 - 6己巳 - 7庚午 - 9壬申 - 10癸酉
14丁丑 - 16己卯 - 19壬午
21甲申 - 22乙酉 - 25戊子 - 28辛卯
31甲午 - 33丙申 - 34丁酉 - 36己亥 - 37庚子 - 38辛丑 - 40癸卯
42乙巳 - 43丙午 - 44丁未 - 45戊申 - 46己酉 - 48辛亥 - 49壬子
52乙卯 - 55戊午 - 56己未 - 57庚申 - 58辛酉 - 60癸亥
大明日
だいみょうにち。暦には「大みやう」と書かれる。
「大明」は天地が開通して、隅々まで太陽の日が照る日
という意味であり、全ての吉事・善事に用いて大吉である。
特に建築・移転・旅行に良いとされる。
大明日は、唐代の大明暦で初めて登場した暦注である。
大明日は日の干支だけで決まり(不断)、
以下の25種の干支に配当される。
数字は甲子からの日数である。
6己巳 - 7庚午 - 8辛未 - 9壬申 - 10癸酉
14丁丑 - 16己卯 - 19壬午
21甲申 - 24丁亥 - 29壬辰
32乙未 - 39壬寅
41甲辰 - 42乙巳 - 43丙午 - 44丁未 - 46己酉 - 47庚戌 - 48辛亥
53丙辰 - 55戊午 - 56己未 - 57庚申 - 58辛酉
(6己巳・7庚午・44丁未・55戊午を除く21種とする説もある)
鬼宿日
きしゅくび。選日および吉凶は二十八宿の「鬼宿」と同じである。
天恩日
てんおんにち。暦には「天おん」と書かれる。
名前の通り、天の恩恵を受ける日で、吉事に用いて大吉であるが、
凶事に用いてはならないとされる。
天恩日は、母倉日・月徳日と共に宝暦暦で初めて登場した暦注である。
天恩日は日の干支だけで決まる(不断)。
配当には諸説あるが、
『暦林問答集』では以下の15種の干支の日としている。
数字は甲子からの日数である。
1甲子 - 2乙丑 - 3丙寅 - 4丁卯 - 5戊辰
16己卯 - 17庚辰 - 18辛巳 - 19壬午 - 20癸未
46己酉 - 47庚戌 - 48辛亥 - 49壬子 - 50癸丑
母倉日
ぼそうにち。暦には単に母倉と書かれる。
母が子を育てるように天が人間を慈しむ日という意味で、
「七箇の善日」の一つである。
何事にも吉で、特に婚姻は大吉とされる。
また、普請・造作も吉である。
母倉日は節切りで、次の日に配当される。
1月・2月 子と亥の日
4月・5月 寅と卯の日
7月・8月 丑・辰・未・戌の日
10月・11月 申と酉の日
3月・6月・9月・12月 巳と午の日
月徳日
つきとくにち、がっとくにち。
家の増改築など土に関わる行いに吉とされる。
月徳日は節切りで、次の日に配当される。
1月・5月・9月 丙(ひのえ)の日
2月・6月・10月 甲(きのえ)の日
3月・7月・11月 壬(みずのえ)の日
4月・8月・12月 庚(かのえ)の日
暦注下段(れきちゅうげだん)ウィキペディアから引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%A6%E6%B3%A8%E4%B8%8B%E6%AE%B5#.E4.B8.83.E7.AE.87.E3.81.AE.E5.96.84.E6.97.A5
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