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少し前までスコットランドのコミュニティ、フィンドホーンで暮らしていた、さすらいびとです。 I'm a wanderer who were living in Findhorn community in Scotland till recently.
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2020年04月14日

映画で旅するスコットランドの島々 Scottish islands in Cinema

ヘブリデス諸島と呼ばれる、スコットランド北西海域に浮かぶ島々。なかなか行くことのできない、そんな島々を舞台にした映画をご紹介します。

★近すぎて気付けない愛に目覚めたら、押しまくるしかない!?

『近距離恋愛 Made of Honor』
ポール・ウェイランド監督(2008/英=米)

ニューヨークとスコットランドを舞台にしたロマンティック・ラブコメディー。
長年の大親友である彼女が婚約。やっと彼女への愛に目覚めた彼だが、花嫁介添人役を頼まれてしまい…。結婚式のためスコットランドへ向かった彼の、彼女奪回作戦が始まる。
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【Story】
大学時代からの大親友である、ニューヨークに住む トム(パトリック・デンプシー) ハンナ(ミシェル・モナハン)は距離が近すぎてお互い恋愛対象外。ところがハンナが6週間のスコットランド出張に行っている間に、愛に気付くトム。しかし、戻ってきたハンナは完璧な婚約者を連れていた!しかもスコットランドで行われる結婚式のための花嫁介添人 Made of honor を頼まれてしまったトムは、何とかハンナを翻意させるため、涙ぐましい努力をする。


ハイランドの山を背景にして湖に浮かぶ優美な アイリーン・ドナン城は、スカイ島から本土に渡ったカイル・オブ・ロハルシュの近くにある。ハンナの婚約者の居城として、スコットランドで最も美しいといわれるこのアイリーン・ドナン城の、外観だけでなく内部でも撮影が行われた。トムがハンナのために湖畔を馬に乗って疾駆するシーンもある。
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この映画の前半は ニューヨーク、そして後半はハンナの婚約者である貴族の住む スコットランドが舞台となる。結婚式を目前に「花嫁を奪え!」と悪友たちに激励され、花嫁の介添人としてスコットランドまでやってきたトムは、ハンナの心を自分に向かせるため、事あるごとに彼女の婚約者と張り合う。しかし天真爛漫なハンナは、トムの本心になかなか気付かない…

スコットランドの伝統であるハイランド・ゲームで、丸太投げなどに果敢に挑戦して醜態を晒すトムだったが、全てにおいて完璧な婚約者の方が上手。しかも彼は「いいヤツ」。それでもアメリカとは違う、スコットランドならではの結婚作法に戸惑うハンナを気遣うトムの愛に、徐々にハンナの心も揺れてきて…。

「男女間に友情は成り立つか」というのは古くから映画のテーマとしてある。結果的に、長い友情から愛を育むパターンが多いようだ。『ベストフレンズ・ウェディング』(ジュリア・ロバーツ)、『恋人たちの予感』(メグ・ライアン)はハッピーエンドだが、『ワン・デイ』『あと1センチの恋』など、お互いが別の相手と結婚した後も続く友情もある。そしてそれは、大抵恋心に非常に近いものだ。

もしハンナがトムではなくスコットランド貴族の婚約者と結婚することを選んだら、きっと彼はハンナとトムとの強すぎて近すぎる友情に嫉妬することになるだろう。結婚と恋愛は別、ともいうし、男女間の友情は生涯ときめきたい人にとっての保険だったりもするのだろうか。
そんな異性の親友を持った人が自分のパートナーだったら…と考えると、正直イヤだなー(経験上キツイです)。

『グレイズ・アナトミー』『エンチャントメント』の人気俳優パトリック・デンプシーが、ハンサムなプレイボーイから一転、大親友への恋心に目覚める純な男を軽快に演じている。彼をけしかける悪友たちがまたありがちで笑える。どこまで鈍感なの、この女?と思いつつもその天真爛漫さが嫌味にならないミシェル・モナハン。完璧なスコットランド貴族の婚約者がいても、やはり二人を応援したくなってしまう。
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見終わった後、あなたも仲の良い異性の友達を違う目で見始めてしまうかも???異性の親友と一緒にこの映画を見た二人は、さぞ気まずい思いをするでしょうね

ニューヨークとスコットランドでのロケだけでなく、それぞれの文化や伝統、人々の気質の違いなども興味深く、笑いながら楽しめるお勧めラブ・コメディです。



★星は輝くためにある!?

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『スターダスト Stardust』
 マシュー・ボーン監督 (2007/米)

♪追いかけよう、世界の果てまでも…♪

星の化身である美女を助けるために、魔女や海賊、王子と戦う村の青年、トリスタン。彼は星を守り抜けるのか、そして戦いの中で明らかになる彼の出生の秘密とは?

【Story】
流れ星を憧れの女性にプレゼントしようと壁に囲まれた魔法の国ストームホールドへ飛び込んだ トリスタン(チャーリー・コックス)。しかし星の正体は イヴェインという若い女性(クレア・デーンズ)。ルビーのペンダントを持つ彼女の心臓を狙う魔女ラミア(ミシェル・ファイファー)や、ストームホールドの王子らに狙われるトリスタンとイヴェイン。そんな二人を助けたのは、空飛ぶ海賊船の船長シェイクスピア(ロバート・デニーロ)だった。


主演の2人よりも、脇を固める ミシェル・ファイファーやロバート・デニーロ、ピーター・オトゥールなど大物俳優の楽しそうな怪演に思わずほくそ笑んでしまった。ミシェル・ファイファーは『ヘアスプレー』のプロデューサー、『マレフィセント2』での邪悪なお妃など、つくづくこのヒトこういう意地悪だけど何故かお茶目な役が似合うなぁ、と思う私ですが、皆さんはどうでしょう?歳をとっても彼女の妖艶さは変わりませんね。

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ストームホールドのロケが行われたのは主にイギリス。コッツウォルズの可愛らしい村やスコットランド、ハイランドの雄大な景色がそこここに散りばめられている。スカイ島では多くのシーンが フェアリー・グレン(妖精の谷)で撮影された。

魔女(ミシェル・ファイファー)の存在が自然と溶け合っているように見えるのは、それだけ魔力の強い土地だからか?どこも魔法の国にはピッタリのロケ地だろう、実際にマジカルなエネルギーを感じる場所ばかりなのだから。ヘブリデス諸島は車も少ないので、映画の中のように魔女が操る馬車が通りかかっても不思議に感じないほど、マジカルでミステリアスな雰囲気に満ちている。



★ここまで純粋な愛のカタチがあることを、知っていますか?

『奇跡の海
 Breaking The Waves』

ラース・フォン・トリアー監督 
(1996/デンマーク)

♪この愛は、誰にも汚せない♪
油田労働者と結婚した閉鎖的なスコットランドの村娘。油田事故で全身麻痺に陥った夫を救うために、神の言葉に従って自分を犠牲にする彼女の盲目的な信仰と愛。
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【Story】北海に面する閉鎖的で厳格なプロテスタント信仰が根付く村の娘 ベス(エミリー・ワトソン)は、北海油田の労働者 ヤン(ステラン・スカルスガルド)と結婚する。幸福な新婚生活も束の間、ヤンは油田に戻らねばならず、寂しさのあまり神に早く彼を返してと祈るベス。ところが油田の事故でヤンは全身麻痺になって帰ってくる。「お前の望み通りヤンを早く返した。今度はお前の愛が試される」という神の言葉を聞いたベスは懸命に看護するが、若く美しい妻を犠牲にしていることに憤ったヤンはベスに「愛人を持て」と強要する。ヤンの望むまま男たちに抱かれ、娼婦に身を落とすベス。神の言葉に従い続けるベスは、愛を証明すればヤンを元通りにしてもらえると妄信しているため周囲の忠告を聞かない。常軌を逸した彼女の行動に、周囲とヤンは彼女を精神病院へと送ることを決意するが、彼女は逃げ出す。しかし落ちぶれた彼女に手を差し伸べる者はいなかった。ヤンの容体が急変したと聞いたベスは、神の与える最後の試練を受け入れ、ついに自らの命を捧げた…。

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        スカイ島のこのカラフルな家々の遠景は、映画にも登場する。

上記の2作はラブ・コメですが、こちらは超シリアスな、ほとんど宗教映画。愛の深淵を覗いてしまうような問題作といえるかも。

あまりに衝撃的な愛の形に、見終わった後しばらく放心状態だった。鬼気迫るエミリー・ワトソンの演技も恐るべし。しかもこれが彼女のスクリーン、デビュー作。彼女が従い続けたのは神の声だったのか、それとも悪魔か…?あまりに純粋ゆえに、常軌を逸した彼女の愛の形。人はそこまで誰かを愛せるものなのか。

ヤンを演じたステラン・スカルスガルドはスウェーデン出身の俳優で『天使と悪魔』でのバチカン警護隊長などコワモテを生かしたシリアスな役から『マンマ・ミーア』のお気楽オヤジまで幅広く出演しているので、どこかで見た顔、と誰もが思うはず。『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』の彼を見慣れている人には「こんな真面目な作品にも出てたんだ」と新鮮かもしれません。

善かれ悪しかれ、宗教が人間に与える影響の大きさに、背筋が凍る映画。北国の排他的で過酷な環境を、寒々しいスコットランドの風景がイヤでも強調している。

う〜ん、鳥肌モノ…重いっす
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