『ラブ・アクチュアリー Love Actually 』
2003/イギリス 監督: リチャード・カーティス
スタッフの若い女性と恋に落ちるイギリス首相( ヒュー・グラント)と、首相会談のため訪英したアメリカ大統領( ビリー・ボブ・ソーントン!)が握手するのは首相官邸であるダウニング街十番。しかしこれはさすがにセットでの撮影。二人の下世話なやりとりが面白い。何より ヒュー・グラントのお尻フリフリ珍妙ダンス は見逃せない。
最愛の妻を亡くし、妻の連れ子と二人だけになってしまったダニエル( リアム・ニーソン)が、ふさぎ込む義理の息子と心を通わせるシーンは、テムズ川沿いのクイーンズ・ウォークと呼ばれる遊歩道での撮影。サウスバンクにあるガブリエル・ワーフのそのベンチで実は息子が恋に悩んでいることを知るのだ。
妻( エマ・トンプソン)とは倦怠期で、会社の受付嬢からのアプローチに心ときめかすハリー(亡き アラン・リックマン)が彼女へのクリスマス・プレゼントを買いに行くデパートは、オックスフォード・ストリートの老舗セルフリッジ。ジュエリー売場でハリーを苛つかせる応対をして笑わせる店員はミスター・ビーンこと ローワン・アトキンソンである。アラン・リックマンの苦虫を噛みつぶしたような顔が最高に上手い。
その他にも、小説家( コリン・ファース)とポルトガル人家事手伝いの言葉の通じない恋や、片想い、初恋、愛し合っていながらも上手くいかない恋、家族愛、友情、無償の愛etc…、最高のハッピーを手に入れる人、切ない想いを抱えたまま現実を受け入れる人、勇気を奮い起こして行動する人、目の前にある愛こそが最も大切だと気付く人…など、愛は実際そこここに溢れている、というメッセージが散りばめられ、映画は冒頭と同じ ヒースロー空港で幕を閉じる。
左:首相の執務室にて上々の気分でのノリノリ・ダンスを秘書に目撃され固まるヒュー・グラント。 右:デパートの店員に扮したローワン・アトキンソン。
クリスマスのイルミネ—ション輝くロンドンの街に溢れる普通の人々のささやかな愛の数々。
首相の恋ですら身近に感じてしまうのは、ヒュー・グラントが演じているからか。やはり ヒースロー空港を始めと終わりに持ってきたのが良いセンス。空港って人の感情が高まる場所だし、私個人も幸せな思い出がある場所ということもあり、複雑な気持ちで見ていました。
結構ツライ事情を抱えた人( ローラ・リニー)も登場したりして、お手軽なハッピーだけじゃないところがリアリティを増し、夫の浮気を疑うエマ・トンプソンの涙に少しうるうるしながらもクリスマスに向かって愛を膨らませていく人々を見守ってしまう。
こんな時代だからこそ男女の仲だけでなく「愛は実際そこにある」というメッセージがこれだけ感動するんだなぁ。コリン・ファースなどナイーブな ブリティッシュ・メンに要注目!私の好きな ビル・ナイ演じる歌手が、長年の友人であるマネージャーへの愛情を改めて感じるストーリーも、男の友情って…とウルウルしてしまった。
ロンドンといえば真っ先に思い浮かべてしまう、ロンドンの魅力がたっぷり詰まった珠玉の作品です。
左:ガブリエルズ・ワーフから歩いて15分ほどにあるロンドン・アイは、007シリーズでおなじみ。いつもツーリストで賑わっている。右:クリスマスのヒースロー空港は出会いと別れの象徴的な場所だ。
★★★リージェンツ・パーク Regent's Park★★★
『アバウト・ア・ボーイ About a Boy 』 (2002)
★★★ハイド・パーク とケンジントン・ガーデン
Hyde Park & Kensington Garden★★★
Hyde Park & Kensington Garden★★★
『ネバーランド Finding Neverland』 (2004)
終始「信じること、そうすれば見えて来る」というテーマのもと、温かく夢のある演出。物悲しさと楽しさを併せ持つ、心浮き立つような音楽も良い。
個人的には次第にシルヴィアに心惹かれていくバリの奥さんが可哀想だった。彼女はきっとすごくバリを愛していたけど、彼の運命の女はシルヴィアだと認めて、諦めたんだと思う。どんなに努力しても相手の必要とするパートナーになれないのってつらいね。
大きな黒い目に、子供のようなファンタスティックな世界を宿したジョニー・デップは勿論、妙に冷めているナイーブな子供を上手く演じたピーター役のフレディ・ハイモアにも拍手を送りたい。
★★★ウォータールー駅 Waterloo Station★★★
『ボーン・アルティメイタム Bourn Ultimatum 』 (2007)
スパイ映画の中でも、徹底的なリアリティで魅せるジェイソン・ボーン・シリーズ。
マット・デイモン演じるボーンの頭と体のキレが計算され尽くしたカメラ・ワークで描かれ、心地よい緊張感を保ったまま最後まで観客を飽きさせない。三部作の最後である 『ボーン・アルティメイタム』 は、映画館のビッグ・スクリーンを前に、まさに手に汗握って観たスパイ映画の傑作だ。
★★★ウェストミンスター寺院 Westminstar Abbey★★★
『ダ・ヴィンチ・コード Da Vinch Code 』 (2006)
★★★タワー・ブリッジ Tower Bridge★★★
『ブリジット・ジョーンズの日記 Bridget Jones's Diary 』 (2001)
★★★ バタシー公園 Battersea Park★★★
『マーサ・ミーツ・ボーイズ Martha - Meet Frank, Daniel and Laurence 』 (1998)
★ロンドン旅の記事はこちら( 2011 & 2014 )へ。