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少し前までスコットランドのコミュニティ、フィンドホーンで暮らしていた、さすらいびとです。 I'm a wanderer who were living in Findhorn community in Scotland till recently.
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2018年12月08日

パリ in『ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris』

パリの魅力がこれでもかと詰め込まれた、パリを旅したくなる映画


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♪真夜中のパリには、魔法がかかる♪
   2011/アメリカ 監督: ウッディ・アレン

パリを訪れた作家志望の青年がゴールデン・エイジのパリにタイムスリップ。有名な作家や芸術家達との交流を通じて、自分の本当に望むものをみつけていく。ウッディ・アレン監督がパリへの憧れを詰め込んで撮った「これぞパリの魔法」というべき作品。。

【Story:ネタバレ】

脚本家 ギル( オーウェン・ウィルソン は、婚約者 イネズ( レイチェル・マクアダムス の両親の出張に便乗して共にパリへとやって来た。いつかパリに移住したいという夢を持つ彼は、本格的な作家への転身を夢見て処女小説を執筆中。

ライトアップされたパリのシンボル、 エッフェル塔を眺めパリに来たことを実感するギル。パリの夜には本当に魔法がかかる。
雨のパリでも美しいと感動するギルだが、雨なんて厄介なだけと取り合わないイネズ。
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冒頭からたっぷり3分間、 エッフェル塔やセーヌ河畔、凱旋門、オペラ座、コンコルド広場などパリの名所だけでなくカフェやアンティークショップなど、パリらしさに溢れた街が映し出される。陽の光や美しい夜景など、ギルが感じている旅の高揚感が伝わってくるよう。

そういった名所をイネズと共にくまなく廻ろうと思っていたギルの前に、イネズの友人 ポール( マイケル・シーン が現れる。 ロダン美術館 ヴェルサイユ宮殿で歴史や芸術の蘊蓄をひけらかす彼に、インチキ臭さを感じるギル。そんなポールと踊りに行くというイネズについていく気になれず、夜のパリをぶらつくことにしたギルだったが、宿泊先のホテルへ戻る途中迷ってしまう。

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左:婚約者のイネズと、 ジベルニー モネの庭園 で。ラブラブな二人だが…。 右:イネズの友人ポールが現れ ヴェルサイユ宮殿の庭で蘊蓄を語る。イライラしながら後をついて行くギル。

サン・テティエンヌ・デュモン教会脇の石段に座り込み物思いにふけっていると、時計台が0時の鐘を鳴らした。その時、今時見慣れないクラシックなプジョーが走ってきて彼の前に停車すると中から手招きされるギル。ワインのほろ酔いも手伝って誘われるままその車に乗り込んだギルは古めかしい社交クラブのパーティに連れていかれる。

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そこで出会ったのはアメリカの作家 スコット・フィッツジェラルド( トム・ヒドルストン と妻の ゼルダ、ピアノ弾きの コール・ポーターそして主催者はなんとジャン・コクトー。 1920年代のパリ に来てしまったとしか思えない彼が最後に会ったのは、敬愛する作家 ヘミングウェイ。完全にパニックに陥りながらも自分も小説を書いていることをアピールして彼らと仲良くなるギル。
このタイムスリップするシーンは パリ5区のモンターニュ・サント・ジュヌヴィエーヴ通りが舞台だ。

左:タイムトリップを引き起こしたサン・テティエンヌ・デュモン教会は、パンテオンの近くにある。



そして半信半疑ながら翌日も同じ場所へ行ってみると、深夜0時にまたしてもプジョーが現れ、今度はヘミングウェイに ガートルード・スタイン( キャシー・ベイツ の家へと案内される。そこには今度は パブロ・ピカソが。更にピカソの愛人 アドリアナ( マリオン・コティヤール の美しさに惹かれてしまうギル。
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真夜中のトリップのことをイネズに話しても全く信じてもらえなかったギルだが、翌日 オランジュリー美術館でガートルードらから得た情報によりポールを出し抜くことに成功。次の晩は遊園地のパーティ会場でアドリアナに再会し、静まりかえった真夜中のパリ散歩を二人で楽しむ。 サクレクール寺院のある モンマルトルの丘を下り、 セーヌ川沿いを歩く。

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オランジュリー美術館といえばモネの『睡蓮』、実物は圧巻です。

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左:モンマルトルの丘に建つ サクレクール寺院の白く優雅な姿は、 セーヌ河畔からも見える。 右:蔦に覆われた壁など、味のある建物が多い モンマルトルの丘は、ぶらぶらするのが無性に楽しい!


会うたびごとにアドリアナに惹かれていくギルだったが、ある日 セーヌ河畔のマーケットで見つけたアドリアナのものらしい古い日記帳に自分の名を発見する。もうこれは運命だとしか思えないギル。それを英訳してもらったところ、彼女も彼に恋をしていることを確信したギルはついにある決断をする。
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左:セーヌ河畔に並ぶ古本やレコードなどの骨董屋台。 右: ノートルダム寺院の前で、ロダン美術館のガイドに頼んでアドリアナの日記を英訳してもらうギル。


アドリアナとの真夜中のデート中、今度はふたりの前に馬車が停まり招かれて乗ってみると、着いた先は高級レストラン、 マキシム(下左)。そこで踊った後に行った ムーラン・ルージュ(下右)でふたりは ロートレックら有名画家たちに出会う。今度はアドリアナが憧れる 19世紀ベルエポック時代のパリへタイムスリップしてしまったのだ。

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喜ぶアドリアナだったが、 ゴーギャン ドガはルネッサンス時代の方がいいと言う。結局過去に憧れるのが人生なのだとギルは気付くが、アドリアナはベルエポック時代に残りたいと言う。果たして彼の時を越えた愛の行方は…?

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アドリアナと夜のモンマルトルを散歩。右写真の後部にはサクレクール寺院もしっかり映っている。こんな淡い街灯の下で愛する人とそぞろ歩きでたら、さぞロマンチックだろうなぁ…。


【この映画のここが好き!(ネタバレ含む)】

なんて愛しい映画!
『それでも恋するバルセロナ』の ウッディ・アレン監督 が今度はパリを舞台に粋なラブコメを作ってくれた。 フィッツジェラルドにヘミングウェイ、T.S.エリオット、ルイス・ブニュエル、マン・レイ、ダリ( エイドリアン・ブロディ )…渦中の人、ギルでなくともパリ好きと文学や映画、芸術ファンなら思わず「おぉ〜!」と叫ばずにはいられないような登場人物たちが出て来るでてくる。しかも演じる俳優たちがまた豪華なメンツ…、さすがウッディ・アレン監督。

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これでもかというほど冒頭から憧れのパリの姿を映しまくった上にそれらを軽く超える魔力を持った良き時代のパリの夜を次々に登場させる。そしてそれら夢の世界を受け入れられない、婚約者イネズとその両親らとの対比によって、より鮮やかにギルの柔軟なロマンティストぶりが浮き彫りにされ、更に夢の世界がリアリティを増す事態へ発展させるウッディ・アレン・マジックに脱帽。

イネズとは決定的に合わないということを認め、パリに移住することを決めたギルは泊まっていた ホテル・ブリストル(上写真)を追い出される。とぼとぼと夜の アレクサンドル三世橋を歩いていたギルが出会ったのは、骨董品点で顔見知りになっていた現代のパリジェンヌ( レア・セドゥ)。ちょうど雨が降り出し、彼女の 「パリは雨が一番ステキなの」という言葉に、同じ感覚を持つ相手を見つけて新たな恋の予感が…。

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アレクサンドル三世橋の右岸には グラン・パレとプティ・パレ、左岸にはナポレオンの眠る アンヴァリッドがある。

彼の歩いてゆく先にあるのは、ありがちな文化の違いによるすれ違いの結果としての別れかもしれない。でもパリは男女の間に何かしらの化学反応を起こさせる街。そう、パリは何か予期せぬことが起こりそうな街、夢の世界を受け入れたくなるようなミラクルな街なのだ。この映画を見れば、何度でも行きたいと思わずにいられない。

雨に濡れたパリの石畳を鈍く光らせる橋の街灯。その淡い光の中での、ロマンティックなエンディング。なんて贅沢な、エスプリの効いた作品だろう。

右:ノートルダム寺院のすぐ近く、パリ5区セーヌ左岸の人気書店、Shakespeare and Companyも勿論出てきます。
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これだけパリをパリたらしめている場所が次から次へと出てくるこの映画、どうです?
皆さんも見てみたくなったでしょ? 見たら、絶対パリに行きたくなりますよ


さすらいびとフランス編 (2014) とお一人様のパリ( 2018 )はこちらへ。
posted by Izumi at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の舞台
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