長きに渡る惰眠により鈍らと化した刀身は、その名の通りただの鉄の塊だ。血に彩られし過去は全て赤錆び、ざりざりと音を立てて剥がれていく。
不快な重みしか与えないこの塊を、誰が振るおうか。斬るのではなく肉を叩き潰すだけのその塊を、誰が好もうか。振るうほどに狂気に駆りたてるその武器を、誰が愛そうか。
眠り続ける平穏に安堵する。戦わなければ血でこの身が砥がれる事もない。このまま崩れて滅びる事も出来よう……だが、力を求める愚か者達はその安らぎを許しはしなかった。
剥がれ落ちる赤錆は鉄の涙。血と肉と脂に塗れる姿こそが呪いの証。ならば筋を斬り割こう。肉をすり潰そう。骨を砕こう。それが我が身の贖罪であるのなら。
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2018年02月01日
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