AKIYAN'S SHOW

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ハンターEさん


畳屋を営んでいるタカオちゃんという友人がいる。
そこの職人のEさんは、その道数十年になる大ベテラン。
なんとこの人、米粒とザルでスズメを捕まえちゃうという秘技をもった
原始的なハンターである。
そんなEさん、当然今の文明社会についていけるはずがなく、
テレビ以外の機械とはほとんど無縁の生活を送っている(とか)。

そんなEさんが、社員旅行で携帯電話を持たされるはめになった。
もう数年前の話しである。
この俺にかかってくるはずがないと思っていたEさん。
すっかり携帯の存在など忘れていたその時……
プルルルルル、プルルルルル……
鳴った。鳴ってしまった。これは困った。
Eさん「落ち着け、落ち着け、電話ならとったことあるじゃねぇか」
持たされる前に簡単な説明を受けていたEさん。
Eさん「確かこのボタンを押すんだったな…ポチッ。もしもし?」
隣りにいたタカオちゃん唖然。
Eさんはなんと携帯の聞く方を口へ、
何も持っていないはずの左手を耳におき…モシモシ?
(話す所と聞く所が別々になっている昔の電話があるでしょ、あんな姿ね)
Eさん「何だよコレ!聞こえねぇじゃねぇかよ!」
当たり前だ!
骨伝導式でも難しいぞ、それ!
タカオちゃん笑いすぎて、戦闘不能。
挙句の果てにはEさん、携帯を投げつける始末。
結局Eさん、携帯電話の正しい使い方を知ることなく、終了。
のちにEさん伝説~携帯の巻~として受け継がれていったとさ。

本当に人のいいEさん。
年上に向かって言うことではないけれど素直で純粋な人。
今でも「スズメハンター」しているのかな……。



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