AKIYAN'S SHOW

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UFOおばさん


コンビニの深夜バイトしていた頃の話。
オイラが働いていたコンビは国道が近く、そして繁華街も近かったりするわけで、
ホント色々な人が来てくれた。
パンクの酔っ払いが便所で寝てたり、ホステスのお姉たまがチップをくれたり、
さかりのついたカップルなんてのは、便所をホテル代わりに使ってくれた。
(でも未遂。やる寸前でカット!)
少●隊の植●くんなんかも来ちゃったりする。
AVに転向するずぅ~~~っと前の小●なつきを連れてきて、
「兄ちゃん、チクワブ!チ・ク・ワ・ブ・わかる?早くしろっ!ったくよ~!」
なんて話しかけてくれたこともあった。
(「渡る世間は鬼ばかり」の中だったら、間違いなく岡倉さん[藤岡琢也]に怒られてるぞ)
ホームレスの方々なんかは、
ご丁寧にカップラーメンのお湯代(税込み15円)まで払ってくれた。
「そんな余裕はねぇだろあんたは!」と突っ込むが、BIGスマイルで帰ってく。
そんなコンビニである。

この個性豊かな面々の中で、存在感バリだったのが「UFOおばさん」。
その容姿から怪しい気配などまったく感じられない、フツーのおばさん。
深夜のコンビニに1人でやって来ては、
片っ端から立ち読みをしているパワフルなお方である。
そして深夜2時、何やらブツブツとひとり言を始める。
だいたい30分ぐらい語ると、また立ち読みに戻り、4時にバイバイする。
毎日その繰り返しだ。

そんなステキなおばさんを放っておくわけにはいかない。
何て言っているのか確かめようと思い、掃除のふりして近寄った。
「………………………………………」
わかりません。本当に呪文です。
しかも目は一定の方向を見続けたまま。
危ないです。はっきりいって怖かったですね、ハイ。
大仏のような頭をしたバイクに乗ってるお兄ちゃんよりも、
カラフルな模様が半そでから見えている
暴力を仕事にしている人たちよりも怖かったですね。

思い切って声をかけてみた。
オイラ「あのぅ~ちょっとそこいいですか?」
おばさん「…………」
オイラ「本を片付けたいんですけど…」
おばさん「…………」
(手強い。完全無視か)
オイラ「ちょっと避けてもらっていいですかぁ~?」
おばさん「…………」(ギロッ!)
オイラ「本を片付けたいので……」
おばさん(15センチ動いて)「チッ!」
(えっ!舌打ちですかそれは?)
「すみませんねぇ~」と本を片付けるオイラ。

………5分後、おばさん絶叫!
おばさん「もー!あんたのせいで聞こえなくなっちゃったじゃないの!どうしてくれんのよ!」
(かなり激怒リングだが、わけわかんないオイラ)
おばさん「だ・か・ら!あんたのせいで交信が途切れちゃったじゃないのよ!
どうしてくれんのよ!」
(えっ?「マジェスティック12」の関係者ですか?それとも矢追…)
おばさん「せっかく息子と話してたのに!」
(ええ~っ?あんたの息子は何人ですか?いや人ですか?)
おばさん「責任者呼んでちょうだい!」
(その前に頭大丈夫ですか?)
おばさん「もう二度と来ないわよ!こんな店!」

唖然でしたね、ホント。
確かにおばさん、それからは店内には来ませんでしたね。
だけど店の外にはいたよ。
本が陳列してあるとこら辺の位置で向いてる方向も一緒。
つまりガラスの向こう側に場所を移して、何かブツブツ言ってた。
たまたま巡回に来たおまわりさんに連れて行かれちゃった。
もうそのおばさんを見ることはなくなった。
よほど交信しやすかった場所だったんだろうなぁ(バリ3くらい)。
きっともっと受信しやすい場所を見つけて息子と話してるさ。
きっとね。



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