詩と映画と日記

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第三の男


梅雨らしく降り続く雨音を聞きながら退屈していると
グット・タイミングに、好物のおやつが満載の宅急便が届きました
口が悪くて憎らしいのに、不思議と良い友達に恵まれているジイサマの
旧い友人ご夫婦からのプレゼントでした

おいしいね~、いろいろハフハフと戴きながら
懐かしい映画を見直して良いひと時を過ごしました



「第三の男」

監督
キャロル・リード

音楽
アントン・カラス

キャスト
オーソン・ウエルズ
ジョセフ・コットン
アリダ・ヴァリ
トレバー・ハワード

アカデミー撮影賞
カンヌ映画祭グランプリ受賞作品



第二次大戦終戦の直後の
廃墟になったウィーンへ
売れない作家のホリー(ジョセフ・コットン)が
友人のハリー(オーソン・ウエルズ)を訪ねて
アメリカからやってきました

当時のウイーンは
英米露仏の四地区に分割されて統治され
国際警察が入っている治安の悪さです

しかし頼りにして来たハリーは
車に撥ねられて、死んていたのです
今日がお葬式だとアパートの管理人が言います

葬儀に出かけたホリーは
イギリス軍の少佐(トレバー・ハワード)から
ハリーは、希少品のペニシリンを
水増しして売り捌いていた
悪い闇屋だったと聞かされます

事故の話が不審に思えて
他殺の可能性を調べていくうちに
死体を運んだ人間のうちに
不審な第三の男の存在があったことが
浮かび上がってきました

ハリーの死が疑われはじめて
死体が墓から掘り出されましたが
それは、まったくの別人でした

映画が進行していき
ハリーが生きている事は確信されるのに
本人は、一向に姿を現しません

そして、夜の廃墟の闇の中から
ニヤリと不気味な笑顔を浮かび上がらせる
死んだ筈のハリー
このオーソン・ウェルズを見ると
やっぱり怪人だわ~と思います

ハリーの恋人アンナ(アリダ・ヴァリ)が
恋人を売ったホリーには一瞥もくれず
並木道を歩み去っていく最後のシーンが
映画史に残る名場面と言われています

アントン・カラスのチターが流れる中で
迷路のようなウイーンの廃墟の下水道こそが
真の主人公のように思えました

ハリーは、悪事の報いを命で贖いますが

牛ミンチに豚や腐りかけの肉を混ぜて
利益を優先した企業は
なんと言って詫びるつもりでしょう

どんな償いをするのでしょうか





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