気の向くままに♪あきみさ日記

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2009.06.21
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カテゴリ: 映画感想
映画化されると知って以来2年間、楽しみに楽しみにしていたこの映画。
昨日、パートナーと一緒に、公開初日の初回を観て参りました♪
そんなに広くないホールでしたが、満席に近かったんじゃないかな。
年齢層は相当高かったですが…^^; 私たちが客席で一番若い部類だったかも。
新田次郎の山岳小説となると、若い方々はあまり食いつかないのかしら…。


以下、ネタバレありの感想です。
(これからご覧になろうと思っている方はご注意下さい)



************************


とにかく、素晴らしかったです。圧倒的でした。
この映画の主役は山だと思いました。
出る場面出る場面、ものすごい迫力でした。
神々しいほどの美しさ、容赦ない厳しさ。雪も岩も光も影も、ため息が出るほどホンモノでした。
そんな迫力ある悠久の大自然の前では、ちっぽけな人間の営みなんて、生半可な演技じゃうすっぺらな作り物になりかねないところ、それがまったく負けていない。
誇り高い明治人の、気骨あふれる強い意志、熱い思いが、険しくも美しい自然と見事に融合して、画面いっぱいに伝わってきました。
胸にずっしり響く、そういう意味ではとても重い映画でした。

それにしても本当に、よく撮ったなあと感嘆、驚嘆です。
ただ登るだけでも厳しいのに。
とことんホンモノに拘ったんだなあと、つくづく感動します。

俳優さんたちもとても良かった。
主役の柴崎測量官を演じた浅野忠信さん、キャスティングを聞いた最初は線が細すぎる気がしたのですが、まったく違和感なく見事でしたね。物静かで、しかし強い意志を秘めた、これぞ近代日本の礎を築いた明治の人、という感じがしました。
長次郎役の香川照之さんもハマってました。朴訥で誠実で忍耐強い越中人気質が滲み出ていました。
小島烏水役の仲村トオルさんもよかったなあ。ハイカラでプライドの高いエリート、でも優れた相手を認めることのできる懐の深い人物を感じさせました。
(ロングコートで山登りはないやろ、と思いましたが、パンフによれば本当に当時ああいう格好で登っていたそうですね。びっくり)
測量隊側も山岳会側も、地元の人々も陸軍幹部も、印象深く味わいのある役者さんたちばかりで、本当に素晴らしかったです。


私はこの「劔岳 点の記」については、新田次郎の原作が大好きで、もう幾度となく読み返してまして、思い入れもすごく深いです。
だから、映画は映画として楽しむ一方で、どうしても原作と比較して残念だった点がいくつかあります。

・雪渓を登ると決める過程が少し物足りなかったです。
 原作のように、岩屋で祈りながら神がかり的に決意してほしかった。
 また、雪渓にトライするタイミングを、山岳会に読み勝ちするあたりも見たかった。

・測量隊が、最初から四等三角点の準備をして登っていたのが残念でした。
 あくまで三等三角点をという意志を持ってほしかった。
 登頂には成功したものの、でもどう考えても三等三角点の資材は運べない、そして部下の
 「四等三角点を立てましょう」との言葉に、「四等か…」とつぶやく、その一言に柴崎の
 無念を込めてほしかった。
 あれだけの苦難苦闘の末でありながら、公式な記録が残らない四等三角点。
 だからこそ、「点の記」というタイトルが胸をうつと思うので…。

・手旗信号の交感は映像作品としては感動的な締め方に違いないのですが、私は原作の、柴崎が
 小島からの電報に万感を馳せるシーンの、淡々と抑えた筆致が大好きなのです。
 流れる思いはまさに原作と同じなんですけど、若干演出過剰な気がしてしまいました。


…すみません。
映画は映画で本当に素晴らしかったです。映像世界は小説世界とは違います。映像だからこそ感動できた部分も多々あります。原作と比較しても意味がないことは重々承知しています。
それでもちょっとだけ、原作ファンの思いを書かせて頂きました。ごめんなさい。


とにかく、期待通り、いえ期待を超える見応えでした。
機会があるなら、もう一度スクリーンで観たいとも思ってます。
少なくとも、DVD化されたら絶対に買います。手元にぜひとも置いておきたい作品です。


************************


剣岳は、私の一番好きな山です。
夏山ですが、4~5回登ったことがあります。早月尾根も、長次郎雪渓からも登りました。
また、剣沢を下って、池の平・仙人池にも行ったことがあります。
山好きだった亡き父と一緒にでした。
そもそも、剣岳を含む立山連峰の姿は、幼い頃から見馴れて育ち、それこそDNAに刷り込まれているかと思うくらい懐かしいものです。
だから私には最初から、とても冷静な気持ちでは観られませんでした。。。

でも、それを差し引いても、やっぱりこの映画は素晴らしかった。二度とは創られないほどの、ホンモノの映画だったと思います。



P.S.1
剣岳は、以前は地図には2998mと書かれていました。柴崎測量隊が測量した標高です。
今の地図では2999mになっています。何年前だかに最新技術で再測量した結果らしいです。
わずか1mの誤差しかなかった。当時の測量技術の正確さが伺えます。
(小説ではなかなか想像しにくかった測量の方法が映像で確認できるのも、この映画の見所のひとつですね)

P.S.2
以前馬場島(早月尾根登山口)に行ったとき、いかにも山男な二人連れがいました。
後で人から聞いた話では、実はそれは国土地理院の方々で、その近辺の尾根のどこかにある三角点を確認しに来られていて、無事発見して帰られたらしいです。
おそらくは藪だらけの視界のきかない尾根のどこかに、ひっそりと埋まった三角点をひたすら探す…
なんだか、ロマンを感じてしまいました。これがロマンでなくて何だろう。







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Last updated  2009.06.22 00:00:25
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