雲の上はいつも蒼空

雲の上はいつも蒼空

★デンマーク



とっても好きな国、いるだけで幸福になれる場所がたくさんあった。


コペンハーゲン
フレデリクスハウン
オーフス
エーベルトフト
オーデンセ
リーベ


◆私の一番長い旅[5/150]

7月11日(土)ハンブルク→コペンハーゲン→

7:55にハンブルクHbf.を発ち、コペンハーゲンへ向かった。

この年のトーマスクック時刻表は今、手元にないのだが、
95年版を参考にすると、コペンハーゲンには、
12時半頃に着いたものと思われる。

確か列車ごと船に乗ったりして、
面白かったように思うのだが...。残念ながら文章の記録がない。
一緒になった日本人の女の子、シマダさんと、
ずっと話していたので、記録する暇がなかったのかも?

旅行前の予定では、4ヶ月かけて北欧と東欧を中心に、
ヨーロッパを回るつもりだった。

まずドイツから北欧に入り、ストックホルムから北上して北極圏へ、
その後、ヨーロッパ最北の地ノールカップへ行って、
白夜の太陽(Midnight sun)を見たのち、
南下してコペンハーゲンに戻り、
旧友で北欧大好き人間のSちゃんと落ちあい、
8月1日から8日まで二人でノルウェーのフィヨルドを見て回る...
というようなことを考えていた。

だから、コペンハーゲンでは、
◎Sちゃんとの待ち合わせ場所を決める
◎8月1日の晩の、オスロへの夜行の予約
をする必要があった。

北欧のYHはとても快適だと聞いていて、
泊まるのを楽しみにしていたのだが、
コペン着後、インフォメーションへ行くと、
市内にいくつかあるYHが、みんな満室だという!

朝食込みで80Dkrのスリープ・インを勧められたが、
なんとなく気が進まず、
コペンハーゲンにはまた来ることだし、
用事を済ませたら、今夜の夜行に乗って、
ストックホルムへ行ってしまおうと思った。

早速、コペンハーゲン22:35発のクシェットを予約する。66Dkr。
ストックホルムには明日朝7:17に着く予定。

明日は日曜で、この旅初めての聖日だというのに、
夜行明けで、その前に宿探しもしなければならない。
神様ゴメンナサイ。

コペンの駅から、前回の旅行で一緒に回ったAちゃんに電話する。
彼女は旅行のあと英語を学ぶためイギリスに留学し、
その後ずっとロンドンに住んでいる。
「近くにいるのねぇ」と喜んでくれた。
確かに声もとても近く聞こえた。


8月27日(木)[52/150]スウェーデンのヨーテボリからデンマークのフレデリクスハウンへ

朝9時にステナラインに乗船する。

シリヤラインほど知られていないが、
スウェーデンのヨーテボリとデンマークのフレデリクスハウンを結ぶこの船も、
ユーレイルパスで無料。夏は1日6~8本運行されている。

ヨーテボリセントラルステーションから3番のトラムで6つ目の駅Masthuggs torgetで降り、海に向かって進むと、ステナラインの大きな船とオフィスビルが見える。
窓口でユーレイルパスを提示して乗船券を貰う。

9:30出港。
3時間半の船旅。何度も行ったり来たりしたスウェーデンとも、
もうお別れ。とっても満足だったよ。ありがとう!

シリヤラインに比べ、雰囲気はとっても庶民的。
席やキャビンは決まっていない。出入り口のそばやバーの中にあるソファーが快適。
タックスフリーの手続きはExchengeの窓口で出来る。(すごくカンタン)

たくさんのギャンブル機械が並び、人々がそれに群がる(5skr)
中にはつわものもいて、
機械の間に立ち、両の手で2台を同時に操縦して、
ジャラジャラと5skrコインを出し続け見物人を集めているおばちゃん(50年配?)を見た。

船内のタックスフリーショップでは、化粧品、日用品、お菓子やお酒などを売っている。
(人気があるのはタバコ、国内で買うと税金がすごく高いらしい)

13時頃、フレデリクスハウンに到着。
13:37発の特急列車(インターシティ)に乗り、オーフスに向かう。
この列車は座席の上に、イヤホンのジャックがあり、
持参のイヤホンを差し込むとラジオが聞けるようになっている。
車窓の景色を眺めながら何か、妙に幸せな気分になる。

16:30頃オーフスで下車。17時頃オーフスのユースホステルに着く。

なんだろう、この押し寄せる幸福感は?
この街の景色とっても好き。YHの周りの森もラブリーで気に入ってしまった。
...変なの。デンマークと私、相性いいんだろうか?

デンマークのYHではスリーピングバッグが駄目みたいで、
75Dkrで、薄めのシーツを買わされた。(また、荷物か増える)
トラベル用洗剤のチューブが切れて漏れる。あーあ。

買い物に行き、YHのキッチンで人参とタマゴとモヤシ入りトマトスープスパを作る。

おいしくて満足。紅茶を飲み、シャワーを浴びて寝る。


☆デンマークは、ホントにラブリーで、のんびり出来る街が多くて、回っていて幸せだった。

8月28日(金)[53/150] 朝曇り、昼過ぎから晴れ

オーフスから列車で一時間ほどのエーベルトフトという街に行く。
ここは、この旅で一番初めに会ったNさんという好青年が、
お薦めしてくれた街。

赤レンガや木組みで出来たクラッシックな家々の立ち並ぶ、かわいらしい街並みで、
石畳を歩いていると、のんびり、穏やかな気分になれるところだった。

ここでは、グラスミュージアムと市庁舎ミュージアムを見て、
おもちゃ博物館にも入ってみた。

グラスミュージアムでは様々なガラス作品の数々を堪能できた。
窓際に置かれた作品は光を通して、夢のような美しさだった。

日本人の作品もいくつかあった。こんなに遠くの小さな街で出会うなんて、不思議な気分。
たしか、金ぱくを表面に流してあったりして、
神秘的な作品が多かったように思う。

骨董品やさんのような、すてきな調度のレストランで、
昼食をいただく。
昼間なのにテーブルの上にろうそくが灯してあって、
黄色いデイジーが飾ってあったりして、待っている間も、わくわくする感じ。
白身魚(ひらめか何か?)のフライのプレートで、
黄色いソースがかかっていて、海老と、白菜のサラダが添えられていた。
食後にコーヒー。

すてきな街の散策に満足して、17:30頃YHに帰る。
デンマークも夜はけっこう寒い。
洗濯と食事。

とっても疲労。いろいろ考えるべきことが多いが、思考力が低下している。
大切なことって、自由じゃあなくて、家族とか愛とかそういったものかもしれない。
能力も可能性も大事だし、それを生かすのも重要なことだけれど。
それでは、私は一体どうしたらいいんだろう?
あと70日旅は残っている。
その大切なもののために私は何をしたらいいんだろう。
私はそれを得られるんだろうか。一体どうやって?

今日母に電話した時に自立しなきゃと思った。
一人で旅をしていれば自立しているようだけれども、
私はまだまだ甘えているし、母に愛されることを心の支えにしている。

(当時のメモそのまま。ちょっと混乱気味?
自分にとって何が大切なのか?っていうのは、
旅で考えるべき大きな課題として持っていたテーマ。
そして当初、この旅は4ヶ月の予定だった)

8月29日(土)[54/150]デンマーク・オーフス

オーフスのオールドタウンを中心に歩く。

朝は8時半頃まで寝る。寝坊である。
明日のオーデンセまでの列車とYHの予約を済ませて出かける。
オールドタウンを3時間ほど歩き回る。
途中でお昼。
ハンバーグとパン、芋サラダとグリーンサラダ、
どピンクのピクルスと紅茶。

16時頃からモースゴー先史博物館を見る。
たしか、土の中から発見された保存状態の良いミイラが、
展示されていたと思う。ちょっと背中が寒かった。

夕食の買い物。
これまで1個ずつから買えていた、玉ねぎやジャガイモが、
袋入りになっていて、買えずに残念だった。
骨付き牛肉を1時間くらい煮て、スープを作った。
けっこうイケル。
人参は煮てみたんだけど、苦かったので、ゴメンナサイした。

ここのキッチンは、そんなに混んでいないので気楽。
お茶を飲みながら、スープの煮えるのを待っていると、
時々、なかなか美しい青年が入ってきて、
ハイ!なんて、ウインクしてくれたりする。目の保養!

8月30日(日)[55/150]デンマーク・オーデンセへ

オーデンセはアンデルセンの故郷。

午前中、教会で礼拝。昼から14時頃までオーフスの街をうろつく。
とっても面白かった。

14:27オーフス発の列車に乗る。
16:08オーデンセに着く。
さっそくYHにチェックイン。とても美しい建物。
台所が広くて、レンジもたくさんある。
ちゃんと料理できそう。
シャワーは出が悪くて、他のシャワーに替えたら大丈夫だった。

夜、ロンドンのAちゃんにTELする。


8月31日(月)[56/150]デンマーク・オーデンセ

7:10起床
朝食を終えて出ようとしたら、
ランチパケットを作ったと言われ、料金を払わされた。
北欧のYHではバイキング式の食事が多く、
バックパッカーの間では、
それを余分にとっておいて昼食べるというのが、半ば常識のようになっている。
料金を払わされるなんて初めてだ。自分が悪いといえばそうなんだけど...。

Uさんという京都の女子大生としばらく話す。

YHを9時ごろ出て、アンデルセン博物館へ行く。
自筆の手紙や原稿などが展示されている。
アンデルセンが作ったという、切り絵が印象的だった。
ここが生家らしい。

街を歩く。かわいい街並みである。
何か懐かしい雰囲気で、雑貨屋さんなどを見て歩くのも楽しい。
写真のフィルムを購入。36枚撮りコニカ4本で100Dkr(約2300円)
高かったが結果的にとてもよかった。

アンデルセンが幼少時代住んでいた家に行く。
とても、小さい家である。
お父さんは靴職人で、裏庭を仕事場としていたらしい。

その後散歩。
小さなスケッチブックを買って、
鉛筆書きで街のスケッチなどをする。

買い物をする。
カレールーが売られていたので買ってしまう。
サラダバーがあったので、利用してみた。
モヤシもカリフラワーも、芽の出かけた豆も、
この辺では、みんなナマで食べてしまうらしい!
食べてみると、なるほど食べられなくはない。

(帰国してからも、新鮮なモヤシを買った時、
1~2本ナマで食べてみたりする。
そうすると、その味や香りでオーデンセの事などを思い出す...。)

夕食に骨付き鶏肉とジャガイモ、玉ねぎを煮込んだスープを作る。

1992年9月1日(火)[57/150]オーデンセ泊

この日はイエースコウ城へ行く。
40分ほど列車に乗りKvaerndrup(aeは発音記号のようにくっついている)
で降りて、更に30~40分歩く。
天気はたしか小雨だった気がする。

オーデンセで会った、Nさんという青年と一緒に歩く。
彼は、地方の新聞の政治関係の記者で、
休みを取って、デンマークを自転車で回っているそうだ。
デンマークは山がないので、楽だろうと思いきや、
風が強くて大変だった、と言っていた。

道のりが長かったので話し相手がいて助かった。

イエースコウ城は1554年に建てられたルネサンス様式の古城。
中も二人で歩きながら見る。
メモには、
・鍋の謎(不明)
・金の卵(庭にあったモニュメントだったかな?)
・登別マリンパーク(外観が似ていたのかも?)
とある。もっと詳しく書いとけ自分!

Nさんはお昼ご飯をおごってくれた。

イエースコウ城も良かったが、庭園もすてきだった。
さまざまな様式で作られ、手入れが行き届いていて、
花も咲いてたりしてとてもキレイだった。

18時半ごろオーデンセに戻り、
中華料理店でコース料理を食べる。今度はおごりを遠慮して、
割り勘にしてもらう。

YHに戻ったのは、23時ごろ。
消灯後だったので、暗くて色々困る。
小さいペンライトを持ってると便利だな...と思った。


Nさんは翌年の夏、実家に電話をくれた。
すでに私は嫁いでいたので、そこにも電話をかけてきた。
私が結婚したことについて「本当にそれでいいんですか?」と言われた。
好意を持っていてくれたんだな、と思った。
でも、もう私は結婚したんだ。
もちろん「...ハイ...」って答えた。
同じ旅行で会った人だとは、言わなかった。

彼と付き合ってたらどうなっていたかな?
それにしても、そういうのは早く言わなくちゃ駄目だよ。
ね。


9月2日(水)
オーデンセは晴れ。朝シャワーを浴びて、
8:48発の列車に乗る。
途中フレデリシアとブランミングで乗り換えて、
11:30ごろリーベ着、雨が降っていた。

リーベは二人の人から推薦された街。
一人はこの旅で最初に会ったNさん、そしてオスロであったOさん(後の夫)。

古い家の街並みがとてもステキで、歩いていて楽しい。
多くが1300から1600年代に建てられた家。
デンマークで最も美しい街と言われているそうだ。

リーベ大聖堂、市庁舎ミュージアムなどを見て、
16時過ぎにYHに入る。

夕食には、
ヒレステーキと、マッシュルームソテー、
マッシュルームスープを作る。

食後、岐阜から来ているKさんと3時間ほど話し込む。
彼は仕事を辞めて現在はフリーターだそうだ。
中原中也に似た感じの、黒目がちな瞳の美青年。

23時頃就寝。

◆長い旅[59/150]リーベ(デンマーク)②


9月3日(木)

この日は初めて、プライベート・アコモデーションを利用してみる。
普通のお宅の空き部屋を、旅行者に使わせてくれるもので、
宿泊代はYH程度。
街のインフォメーションで訊くと、紹介してくれる。
地元の人の生活を垣間見ることが出来るし、
ホテル代の高い北欧で個室に安く泊まれるのは魅力だ。

ドミトリーも楽しいが、一人でゆっくりしたくなる時もあるので。

YHを9時頃チェックアウト、紹介された宿には、
11時頃着。
洗濯や、昼食の後、街へ出る。

かわいいものをいっぱい売っている雑貨屋さんを見つけ、
色々買い込む。
中高生の子達向けに、ちっちゃい固形絵の具のセットや、
着せ替えセット、絵葉書など。

ロイヤル・コペンハーゲンのイヤープレートのバックナンバーが、
たくさん売られていて、欲しかったのだが、
先の長い旅なので、壊れ物、重い物はまたの機会にと、
今回は見送る。
(買って送ればよかったと、後で後悔する)

美術館を見て、絵葉書3枚を買う。

夕方、ドライマシーンとメモにあるので、洗濯物を乾燥機に入れてたのだと思う。

夕食は、焼きソバ(インスタントのものをスーパーで見つけた)、鯖の燻製、もやしサラダ。

夕食後、散歩に出る。

だいぶ日も短くはなっているが、かなり遅くまで薄明るい。
YHの方へ向かって歩いていると、あちらから人影、
近づいてくるのは、昨日一緒に話した美形のKさん。
ちょっとドキドキする。
そうか、私、Kさんに会えるかもって、密かに期待してたもかも知れない。

...そして、
Kさんも、同じ気持ちのようだった。

二人で並んで薄暗い道を歩き出す。

話しながら駅へ向かう。
駅のベンチに腰掛けていろんな話をする。
この街名物の夜回りのおじさんを一緒に見に行くことにする。

夜警のおじさんに会って、握手と絵葉書にサインをしてもらう。

Kさんと別れ、部屋へ帰る。
シャワーを浴びて、寝る。

リーベはとてもすてきな街だった。
明日は、コペンハーゲンへ移動。
2ヶ月近く過ごした北欧にさよならをする日だ。


...Kさんは、翌年の2月、
岐阜から横浜へ訪ねて来てくれた。
付き合って欲しい、と言われた。

その少し前の1月末に、夫からプロポーズされていたので、
結婚することが決まったので、ゴメンナサイ、
と断った。
しばらくは納得できなかったようだが、
話しているうちに解ってくれ、
彼は岐阜に帰っていった。

美形なだけではなくて、いい人だったし、
駄々っ子みたいなところもちょっと魅力だった。

彼は今頃どうしているのかなぁ?

◆長い旅[60/150]コペンハーゲン(デンマーク)

いよいよ北欧最後の日。

9月4日(金)
7月11日にコペンハーゲンに着いて、それからスウェーデンを北上、
ノルウェーに入ってナルヴィクからロフォーテン諸島。
またコペンに戻り、旧友Sちゃんと合流。
今度はオスロからオーレスン、ベルゲンなど西の沿岸を巡った。
帰国するSちゃんを見送ってから、ヨーテボリ、ストックホルムを経て、
フィンランドのラップランド地方を訪ね、
また、スウェーデンを経てデンマークの北部から南下して来た。

もう、思う存分北欧を巡ってみたし、
季節が秋になってきて、天候もあまり優れなくなってきた。
今回の主な目的地は北欧と東欧。

初めの予定では北欧は1月くらいのつもりだったので、
北欧からまた、ドイツ経由で東欧に行こうかと思ったが、
予定と実際のコースが違ってしまった。

2ヶ月も回って、疲れも溜まってきたので、
しばらくロンドンで休んで、また東欧へ向かうことにした。

ロンドンは、私の印象ではとても東京に似ている。
交通機関が便利で、使いこなせばどこでもすぐ行けるし、
欲しいものも情報も、色々手に入る過ごしやすいところだ。
前の旅で一緒に歩いたAちゃんも住んでいる。
休養にはうってつけの場所である。

今回、イギリスへは、オランダを経由して、
ベルギーのオステンドから船でドーバーを渡ってみようと思う。

さて、この日は朝5:30に起きて、支度を済ませ、
7:20リーベ発のインターシティに乗る。
一等の車内は快適。コーヒーや紅茶のサービスもある。

13時前にコペンに到着。

21:05発の夜行で、
翌日朝9:54のアムステルダム着の予定。
クシェット(寝台)を予約。

乗車までの間、街歩きなどをして過ごす。
本屋を見たり、ラウンドタワーに登ってコペンハーゲンの旧市街を見渡してみたり...。

夜行に乗ってからは、日本人の変な歯科医に会ってしまう。
地球の歩き方のオランダ編を見せてもらったのだけど、
飾り窓(風俗街)の部分が異様にチェックされていて、
ちょっと気持ち悪かった。

でも、見せてもらったおかげで、アムスの宿を幾つかチェックできて助かった。


☆長らくお世話になった北欧の旅のテーマとも、ここでお別れ。
(オサボリした11~44/150の分をあとで書くのでまた戻って来るが)
明日からは新しくテーマの投稿をしようかな?







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