中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2007.04.15
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カテゴリ: お茶
・・・というわけで、昨日の話を受け、やはりお茶の知識のベースを作るには、一気に飲み比べる必要があるので、今回は清茶をやってみましょう(^^♪
ちょっと長いので、2部構成で行きます。

さて、今回、用意をしましたのは、品種or季節の違う、以下の4つのお茶。

・金萱清茶(華泰茶荘) 金萱種
・翠玉清茶(華泰茶荘) 翠玉種
・文山包種茶・06年春茶(坪林郷農会) 青心烏龍種
・冬片文山包種茶王・06年冬片(華泰茶荘) 青心烏龍種


全部、同じ茶荘の価格帯がほぼ同じもので合わせればより面白かったのですが、さすがにそんなに都合よくストックは無いのです(苦笑)
ちなみに、名前通り冬片茶王が一番高いです。


今回の飲み比べのテーマは3点。

・新品種清茶の味わいを確かめる
・新品種と青心烏龍種でどちらが美味いのかを確かめる
・春茶と冬茶ってそんなに違うのか?を確かめる


ということで、はじまり、はじまり~(^^♪


まずは、最初の2つの金萱清茶と翠玉清茶を試してみましょう。

包種茶・清茶は、発酵度が15%ぐらいの台湾の烏龍茶ですが、いろんな品種から作られます。

清茶の中で最も有名な文山包種茶は、多くが青心烏龍種で作られています。
他には、龍泉包種茶のように青心大有や金萱、四季春、翠玉etc...などで作られる清茶もあります。

(用語メモ)
青心烏龍種:高山茶などにも使われる、高級品種。病虫害に弱い・生産性があまり高くないものの、香り・味の評価が高い。
青心大有(有の横棒2本無しが正しい字):緑茶でも紅茶でも烏龍茶でも作れるオールマイティーな品種。裏を返せば、個性の無い品種。水が少なくても、生育できるので、桃園縣・新竹縣など台地で栽培されるケースが多い。



一般的に言われるのは、清茶は、やはり青心烏龍のほうが評価が高いということ。

単純に考えると、独特の香りを持った新品種で香りが命の清茶を作ったら、美味しそうな気がしますが。。。
なぜ、評価がイマイチなのかをちょっと探ってみようというわけです。
#四季春清茶もあったら、面白かったのですがねぇ。


<金萱清茶>

茶葉はこんな感じ。

金萱清茶茶葉

金萱は青心烏龍種よりも、茶葉が丸っこいので、何だか上手くまとまっていないような気がします。

そして茶水。

金萱清茶茶水

実際に飲んでみますと、第一印象は香りが勝ちすぎているという印象。
しっかり飲んでみると、金萱らしい磯の香りというか、少し香ばしい香りがします。
飲み口の後味は、少し甘め。
うーん、金萱種という味わいです。

でも、ちょっと味にまとまりがないような気がします。
青心烏龍種の文山包種茶を知っていると、なんかアンバランスかも。


<翠玉清茶>

茶葉はこんな感じです。

翠玉清茶茶葉

茶葉の段階から、ちょっと特徴的な香りがしています。

そして茶水。

翠玉清茶茶水

実際に飲んでみますと、こちらも、かなり香りが入り組んでしまっていて、自然の香りとはいえ、ちょっと辟易するところがあるかも。
とはいえ、飲み進めてみると、金萱よりはこちらのほうが、味はまとまっている印象。


・・・うーん、この2種類は積極的には手を出しづらいですね(-_-;)

やはり、清茶の製法というのは、茶葉の持っている奥深い香りを引き出す作用があるのかもしれません。
そもそも香りが表面に出てきやすい新品種では、それが過剰に作用してしまうような気がします。

ご飯を食べながら飲むのなら、このくらいの強烈な個性があっても良いのですが、純粋に楽しむためのお茶にどうか?となると、ちょっとシンドイですねぇ・・・

ただ、勉強という観点では非常に面白いお茶です。




以下、蛇足です。

<清茶・包種茶って何? その1>
清茶とは、主に台湾で生産される発酵度15%ぐらいの包種茶の通称。
文山包種茶が一番有名でしょうか。

ところで、包種茶って何?ということなのですが、これが2つの意味があるので、少々ややこしいです。
私も説明できるかどうか、かなり怪しいのですが、私の勉強のためにも、ちょっとまとめてみましょう。


その1)パッケージからついた名前

包種茶はこういう紙で包んだお茶のことを指していました。

包種茶
↑展示品なので、周りにビニール巻いてありますが、もちろん、昔は紙だけです。

昔はビニールなどはなかったので、お茶の包装材として紙を使っていたんですね。
この紙、2枚重ねになってまして、中は油紙で多少の防湿効果が期待できます(お茶の天敵は湿気ですから)。

この包みの中身は、元々は薫花茶=花の香りをつけた緑茶でした。
その後、台湾での包種茶の中身は、烏龍茶のジャスミン茶(香片)に変わります。
さらに、自然な香りのお茶を求めて改良が加えられ、茶摘や発酵などの工夫をすることで、茶葉のみで蘭の花のような香りを出すことに成功します (その改良型のお茶の開発動機は、台湾が日本統治下に入り「安価な福建省産のジャスミンが入手しにくくなったから」だとか「ジャスミン茶を好む中国大陸への販路がなくなったので、別のお茶を作る必要があった」という説も)

以降、包種茶はこの改良型の製法で作られた、軽発酵の香りの豊かなサッパリしたお茶の事を指すようになります。

清茶の別名は、サッパリしていることから、その名がついた、というもの。

これが一般的な説明だと思います。
#別の説では、青心烏龍種の別名(=種仔)を紙で包んだものだから、包種茶だとか。
この辺は伝説の域なので、聞く人・教える人によって言うことが違います。これが中国茶学習のややこしい点なんですよねぇ・・・



でも、包種茶にはもう1つの意味があるんです。長くてややこしいので、それは次回。


後編につづく。





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Last updated  2007.04.15 22:42:26
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