中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2013.11.03
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あまり中国茶に馴染みが無い方から、お茶のことを聞かれると「効能」の話になることが多いです。
どうも、未だに「中国茶」=「健康茶」のイメージがあるようです。


確かに「お茶を飲むようになったら、体調が良くなった」という話を聞いたりすることは、数多くあります。
また、自分自身でも「おお、このお茶は、体の芯に響く気がするぞ」と思うこともあります。

ただ、お茶に含まれている「どの成分」が「どういうメカニズム」で効いて、「人体に影響が現れる」のかが、よく分かりません。

もちろん「眠くならないのはカフェインの影響かな~」とか、そのぐらいは分かります。
が、それ以外のものは「お茶に含まれる微量な成分が、健康に影響を与えているのだろうな~」程度しか分かりません。

そんな状態なので、「○○に効きます!」と言うのは憚られるんですよね。


ところが、少々怪しげなお茶屋さんに行きますと、根拠がよく分からないのに、

「昔からそう言われています」
「あの人には効きました。私も実感しています」
「いままでの経験値です」
「中医の考え方では、そうなっています」
「色々な病気を治したという伝説があって・・・」

とか言って、お茶を勧めているのを見る&勧められることがあります。

こういうお茶屋さんに出くわすと、私などは、

それ、21世紀の商売として、どうなのよ?

と思ってしまいます。
お茶が伝わったばかりのヨーロッパの人ですか?と聞いてみたくなります。

根拠が不明確なら、現時点では「効くから飲む」というよりは「美味しいから飲む」の方が良いと思うんですよね。
微量な成分が効いているとなると、淹れ方(お湯の温度や抽出時間など)で随分変わってしまうので、非常に厄介ですし。


・・・と思っていたのですが、お茶の成分の研究は、随分と進んできているようです。

なにしろ日本でも多くの方が、日々研究に取り組んでいます。

その結果、ここ数年だけでも、色々なことが明らかになってきています。

たとえば、「なんとなく効くみたいだ」とされていたものが、「効く」根拠となる機能成分とメカニズムが明確になったものも出てきています。
また、以前は「常識」とされていたことが、「実は違いました」と判明したこともあります。

お茶の研究は、日々進んでいるので、情報をどんどん入れて知識をアップデートしていかないと、大変です。

でも、そういう情報って、学会とかで発表されるから、なかなか一般には流れてこないよね・・・

と思っていたら、この分野では、現時点の決定版的な本が出版されました。

新版 茶の機能

新版 茶の機能

2002年に出版された「茶の機能-生体機能の新たな可能性」。
お茶の健康に与える機能について詳細に記載した希有な本でしたが、出版から10年あまりが経過しています。

ちなみに「茶カテキン」という言葉を一躍有名にした「ヘルシア緑茶」の発売は2003年です。
そう考えると、10年という歳月の間には、色々な研究が進んだのであろうことは推測されます。

この本は、この10年の間に進んだ研究成果も取り入れ、新版として今月刊行されたものです。
旧版から100ページも増えたそうで、百科事典並みの分厚く大きな本です。
本棚に1冊あると迫力が出ますw



内容ですが、各分野のエキスパートがそれぞれ専門分野を執筆しており、執筆者の数は実に82名!にも上っています。

大まかな章立てをご紹介すると、

第1章が序論「茶の効能研究小史」という内容。
まず、古典にみる茶の効能・茶の効能研究小史 年表を『茶の医薬史』の岩間眞知子先生が。
そのあと、カフェイン、カテキンと研究が進んでいった様子を静岡県立大学名誉教授の冨田勲先生が担当されています。

第2章は、疾病予防機能。
抗がん作用、メタボリックシンドローム、インフルエンザ・かぜ予防、免疫調節作用など、各分野ごとに「基礎」「疫学、臨床」の2本立てて論じられています。
たとえば、免疫調節作用を見てみると、「基礎」の方では、免疫というものが一体どういうものなのか、という内容を解説しています。
「疫学、臨床」の方では、人の免疫系の働きを良くするものがエピガロカテキン(EGC)だけれども、エピガロカテキンガレート(EGCG)があると効果が減衰されるので、こんな淹れ方をした方が効果がある、といった研究結果。
そして、花粉症対策で名前が有名になったメチル化カテキンの抗アレルギー作用についての試験結果などが掲載されています。

第3章は、最近の成分分析法。
お茶の成分を分析する上では、どうやってその物質を取り出すor合成し、測定するかが重要になるのですが、その方法などについて紹介されています。
お茶の研究を進めていく上での難しさや、それをクリアするために研究者の方がどのようなことをしているのかが、感じられる内容です。

第4章は、新しい栽培、製茶技術(茶の機能を中心に)。
機能性成分に着目した茶品種(べにふうき、サンルージュなど)やギャバロン茶、低カフェイン茶などの製造、CTC緑茶などが紹介されています。

第5章は、香味。
味センサーのような最新の器具を紹介しつつ、ダージリンの茶園ごとのガスクロマトグラフやカフェイン・カテキン量の分析などを行った結果や各茶種ごとの香り成分、苦みや渋み、色のもとなどについて述べられています。
味や香りを化学的に理解できるようになりそうです。

第6章は、機能性成分。
カテキン、カフェイン、メチル化カテキン、加水分解型タンニン、テアニン、サポニン、テアフラビン、フラボン類、ビタミン、ビタミン様物質とミネラル、水溶性高分子画分といった、茶の機能性成分を1つ1つ論述しています。
色々な成分の名前は聞いたことがあるけど、細かくはよく知らない・・・という場合には、ここを読むと参考になりそうです。

第7章は、新しい加工法と機能性製品。
日本で行われている新しいお茶の加工技術や様々な加工製品について述べられています。
微生物制御発酵茶や白葉茶、亜臨界水抽出茶といった、新しい可能性を感じる茶製品の情報も。

第8章は、茶業界の課題とお茶の機能・効能・文化の総学習運動。
今後の茶業界について、どのように進んで行けば良いのか、という考察が論述されています。

・・・と、こうして記載するだけでも、非常に多くの内容が詰まった冊子であることが分かるかと思います。


研究者の方の論文が連なっているような構成で、その中にはグラフや化学構造式などが満載です。
なので、前提となる基礎知識や概念(特に茶の成分や化学の素養)が無いと、読むのはなかなか骨が折れます。かなり手強い本と言えるかもしれません。
少なくとも私のような文系人間には、クラクラしちゃいそうな部分も結構あります(^^;)

ただ、各節の最初には、その節で述べられている要旨が記載されているので、これを追っていくだけでも、大まかな内容が掴めるように工夫されていますし、執筆者の方も、できるだけ平易に解説されようと努力されているのが感じられます。


お茶の成分と身体に与える影響について、これほど情報を網羅的に記載した書物は他に無いので、少なくとも消費者の方にお茶の効能などを話すことを求められる人(お茶屋さんや講師・インストラクターなど)は、一度、目を通しておく必要はあるでしょう。

私も、まだ少し読んだだけなのですが、冒頭の「根拠」として話せることが少し増えるかもしれないと思っています。
ページ数に限りもあるので、1つ1つの項目はサラッと書かれている部分もありますが、参考文献などがしっかり明示されているので、より深く知るための手がかりも掴めそうです。


専門書でなかなか高額な本ではありますが、研究者のみなさんの研究成果の重みを考えると、むしろ安いぐらいではないかと。

研究が進めば、お茶の魅力をよりハッキリと示すことができるようになると思うので、ぜひ応援していきたいですね。


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内容を解説してくれる人がいたら嬉しいかも(^^;)







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Last updated  2013.11.03 23:52:46
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