piano弾きの見る風景…

piano弾きの見る風景…

PR

Profile

ayaya!

ayaya!

Calendar

Archives

December , 2024
November , 2024
October , 2024
September , 2024
August , 2024
July , 2024
June , 2024
May , 2024
April , 2024
March , 2024
October 12, 2007
XML
200710121303小.jpg




じつは、先週末から来日しているヴッパータール交響楽団、そのオーケストラ団員の1人に
ワイマール時代からのお友達がいて、今週の私は日本に居ながらにして
ドイツに居る気分に浸れるような毎日を送っている。
これだけドイツ語話していれば、語学学校3ヶ月通っているほど価値があるのでは??
初めは忘れていた語学力も、だいぶ、復活してきたかのよう。



まずは、日曜日に東京のホテルに到着した彼等をお迎えに。
いきなりホテル入り口で、今回のオーケストラを率いて凱旋ツアーを行う
指揮者、 上岡敏之 氏に出くわす。
「コンサート、楽しみにしています。」と言って、ツーショットをお願いする。

200710071281小2.jpg

トレードのあの前鬣ヘアスタイルは、指揮を振っている時だけではないようで。笑
その小柄な容姿と飾らないご性格からは、まさか舞台上であんな勇姿で指揮をなさる方とは
その場では想像し得なかった。
それでも会話から、アツい信頼関係を築いてるであろう、団員に対する熱意や想いや自信が
伝わってきた。
「日本公演、無事に成功するといいんだけど・・・!」と遠慮がちにお話なさっていたが。


ホテルロビーにて、友人とは無事に再会。何しろ8年ぶり。
当時、私もよく知っていたドイツ人ピアニストと彼は結婚したばかりだったのだが、
2人がもうけた息子さんも、もう7歳でチェロを弾くのだとか。
でも長い歳月を感じさせず、会話は弾んだ。
と言っても、この時は私の久々のドイツ語はしどろもどろ。



長い飛行で疲れきっていた様子の友人だったが、何をしたい?との問いに
即座に、「食べに行きたい!」と答えた。
どうやら、某国航空会社の機内食は相当にまずかったらしく、まだ3時だったにも
かかわらず、お腹を空かせていたらしい。
他、4人のドイツ人を引き連れ、とりあえず、アイドルのコンサートやら
日曜日でごった返していたホテル周辺の人混みを避け、電車に乗って静かな神楽坂へ繰り出す。


日本初来日の彼等にとって、何でも新鮮なご様子。
キョロキョロと目を輝かせて、気に入った所を撮影していた。
神楽坂下にある「ペコちゃん焼き」や、「紀の善」の前にディスプレイされていた餡蜜の食品サンプルやら。
おまけに、途中にあった河豚屋さんの河豚の水槽には、釘付け。
日本人は、毒があるにも係わらず、河豚を食べるというのは知っていたよう。
そして、「毘沙門天」でお参りし、食事のできるお店を探す。

しかし、休日、しかもまだ夕食には早い時間であったため、入店可能なお店が
なかなか見当たらず、、、偶然、開店していた和風居酒屋さんに。
飲み物はというと、やっぱりドイツ人は、ビール!
他のメニューは、日本食を食べたいという彼等に、本当にお口に合うのか不安に
思いながらも、私がセレクト。


驚くことに、彼等は何も恐れることなく全てを平らげた。
おでん、豆腐、ちくわ、イカゲソ、胡麻豆腐のサラダ、おしんこ、肉じゃが・・・
全部、美味しい美味しいと言いながら食べてくれた。

それにしても、日本の料理の材料を説明するのは、厄介。
はんぺんとか、コンニャクとか、、、 。


食事を終え、店を出ると今度は、日本の甘味処に行きたいと言うから、「紀の善」に戻る。
しかし、残念ながら閉店になってしまっていたため、また、「茶寮」まで引き返したのだが、あいにく満席。
仕方なく、「ラクーア」まで歩く。
お散歩の好きなドイツ人は、疲れていても本当よく歩く。
ラクーアでは、ドイツではあまり見る事のない絶叫マシーンを眺めて目を丸くしていた。
しかも、ジャットコースターがビルに開いている穴から飛び出してくるもんだから
きっと、すごく驚いたに違いない。

やっと抹茶アイスの食べられる「nana's green tea」カフェに入れた
ちょっと雰囲気は、お洒落モダンで和風からは掛け離れていたけれども、
それぞれが中身が何だか分からないまま餡蜜やパフェを注文。
これがまた、材料を独訳するのにさらに困難を極めた。
でも、みんな美味しそうに食べた。



本当に、どのお料理も口にして、美味しい美味しいと食べていた。
ユーロが強いせいか、俗に言うドイツ人がケチと感じる場面は微塵もなく、彼等は
好きなだけ食べて、好きなだけ楽しもうとしているよう。
そして、日本語を積極的に覚えたり、日本人のメンタルや文化を本で勉強していたり、
異国文化に興味を持って接しているのが伺えて、私も嬉しくなった。



一週間の滞在のうち、僅か2日間しかない彼等のフリータイム。
その一日は、来日2日目だったのだが、あいにく私は仕事のため同行できず。
朝はゆっくりと疲れをとってホテルの部屋で練習し、
午後から浅草、歌舞伎鑑賞、銀座と観て回ったらしい。
浅草で入ったお店で食べたという「うなぎ」や「天麩羅」の写真を見せてくれた。



来日3日目は、日本での最初の公演日。場所は、武蔵野文化会館。
チケットはとっくに売り切れていたため、私は、公演の終わった9時半にホール楽屋口へ。
この日のプログラムは、話題の世界最長のブルックナー7番の日。
本当にゆっくりなテンポだったらしい。
どうやら、2日目にして時差ボケが大変だったようで、真夜中に何度も目が覚め、
午前中のプローベは、睡魔との闘いだったとか。
私は、吉祥寺で彼等が食べたいと言っていた「しゃぶしゃぶ」屋さん情報をリストアップして
出掛けたのだが、荷物を置きに一旦ホテルに帰りたいと言うから、
仕方なく、ホテルへ。
それが、、、なんと、オーケストラが借りている団員の為の3台のバスの1台に
私も乗って、ホテルへ移動。
なんとも貴重な体験をさせてもらう。



荷物を置いて6人のドイツ人を連れて、ラストオーダーがまだなお店を探す。
寿司が食べたいという希望叶う海鮮居酒屋を発見!
そこで色々注文!
日本酒の熱燗が飲みたいと言うから頼んでみたところ、好評。
突き出しに出てきた、ちょっと甘辛い烏賊刺しに恐怖感を抱いたドイツ人がいたのはかわいかった。
あとは、蟹のサラダ、蟹卵、茸の天ぷら、冷や奴、寿司、焼き鳥、焼きそば、オニギリ、、、と頼んでみた。
私の友達は、ウニもイクラも全然平気にペロリ。美味しかったみたい。
焼き鳥の軟骨はみんなビックリしていた。
ビールは、サントリーのプレミアムモルツ瓶がドイツビールよりも美味しいと大好評!!
ドイツに土産に持って帰りたいと言っていた。
私の友人が、「僕は先週、誕生日だったから、今日のは僕のオゴリ!!」と言って
7人全員の食事代を接待してくれることとなった。
その言葉で、みんなが「ハッピーバースデー」の歌で彼を祝福。
その歌声は居酒屋中に響き渡り、周りにいた、日本人みんなまでが合唱してくれて盛り上がった。
きっと、彼は最高の誕生日を日本で味わうことができたかも?
誕生日だから友人を接待する!という考えは、日本とは違いますけどね。




来日4日目は、オペラシティにて公演。この日は、私は仕事のため会いには行けず。
公演のある日の彼等団員は、朝から何時間かプローベ、いったんホテルに戻って
わずか2時間ほどの昼休憩があり、そしてまたバスに揺られてホールに着いて、
ゲネプロと本番というスケジュールらしい。
ほとんどホール周辺散策も観光もろくにできない毎日であるみたい。


200710121305小.jpg


来日5日目も、オペラシティ公演。私はついに、この日はコンサートを聴くことができた。



感想はと言うと、、、

いや~感動!! 最高の演奏。
あの、「間」は、ひょっとしたら日本人指揮者だからできる業かもしれない。
そして、持続する集中力、緊張感と素晴らしいダイナニズム!

協奏曲においては、やはり指揮者の弾くピアノだけあって若干音が弱いかもしれないけど、
美しい煌びやかな音色でとてもいい演奏だった。
上岡氏は、指揮を振る時は、ピアノの向こうの中央に立ち、通常の指揮。
そして、即座にピアノに向かいピアノを演奏。それ自体、お見事!
何を言いたいのか、表現したいのかが全て伝わってくる演奏。
ピアニストが指揮してオケをコントロールしてるのだから、当たり前かもしれないけど・・・。
コンチェルトを聴いているというよりも、むしろ室内楽を聴いてるような
オケとピアノが溶け合った演奏。
よくよく考えたら、ピアニストの弾き振りはよくあることだけど、
指揮者の弾き振りは珍しいかも!?
感動的な名演!

悲愴は、長く感じない1曲!
ドラマチックで、こんなに面白く感じたのはかつてない演奏かも!!
アタッカで次の楽章に移っていく様も、突然のフォルテからピアノへの展開、
普通ではできないのではないかというような演奏。
そのエンディング、会場中を悲壮感に漂わせたその静寂な沈黙の長さは、異様な雰囲気とでもいうくらい。
ついに、上岡氏は、聴衆までもコントロールしてしまったのであろう、全ての聴衆が彼の指揮棒が下ろされるのを待った。

静寂から解き放たれ、アンコールはなかったけども、
会場は湧きに湧いてスタンディングオベーションで拍手は続き
オケが再び舞台に出てくるほど。きっとこれは珍しい!
きっとやっぱりよほど良かったに違いない!
これは上岡ファンが存在する理由が分かった気が。
私もいっきにファンになりそう!

ココから 「悲愴」の少々視聴もできます!!




再び、オケのバスに乗ってホテルへ!!
実は、私は、彼等への差し入れにと、音楽会へサントリーのプレミアムモルツの
瓶ビールを持参していっていた。
バスの中でそれを渡すと、もう冷たくはなくなっていたビールだったが大喜びで飲んでくれた。
ドイツのオーケストラでは、オーケストラの移動公演では、必ずバスのトランクの半分が
大量のビールケースで埋まっていて、公演後の楽しみとして、バスでのビールで乾杯が
あるんだそう。そして、その大量のビールを飲み干してしまうんだとか。
さすが、ドイツ人!!
もちろん、ビール片手に、本日の公演の反省会やら。
でも、今日のはとっても満足いく公演だったみたい。その自信と満足感が伝わってきた。



ホテル到着後、そして再び今宵も宴会。笑
もう、いい加減に日本食は飽きたんじゃないかと思って、
「日本は、イタリアンも中華も美味しいよ~!」って勧めたのだが、
「いや、新鮮な魚は、この1週間でしか味わえない。だから、今日も日本食!」
との返答だった。
本当に彼等は、1週間、和食しか食べないつもりなのだろうか?
どうやら、食いしん坊で飲兵衛なのは、世界の音楽家共通なのかもしれない??

200710091289小.jpg



来日6日目の今日の彼等は、フリー。
私の友人の居る楽器のセクションは、箱根まで足を伸ばすんだそう。
しきりに天気を気にしていたから、「てるてる坊主」を作ってあげた。
東京は、かろうじて晴れていたけど、果たして富士山は拝められたのだろうか?

来日7日目は、横浜公演、8日目は、つくば公演の予定。
私は、つくば公演の後の打ち上げで再会予定。
すっかり彼等と打ち解け、私も楽しんでいる来日ツアー。
最後まで、身体壊さず、無事に成功をおさめてドイツへ帰国して欲しい。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  October 13, 2007 04:21:23 PM
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Comments

あかね@ Re:マンハイム (2) ~語学学校~(10/11) こんにちは! 通っておられた語学学校の名…
らやま@ Re:上海に一人旅! なんだ? 自慢話か? 犯された? 良かった…
乗らない騎手@ ちょっとは木馬隠せw あのー、三 角 木 馬が家にあるってどん…
チリチリ@ 次は庭で全裸予定w http://kuri.backblack.net/yvm2-5r/ ち○…
まさーしー@ なんぞコレなんぞぉ!! ぬオォォーーー!! w(゜д゜;w(゜д゜)w…
まさーしー@ なんぞコレなんぞぉ!! ぬオォォーーー!! w(゜д゜;w(゜д゜)w…
大岩井@ 目覚めたら巨チンってぉぃ あの女ー・・昨日チソコが痛くなるくらい…
すぱいす@ なんぞコレおもしろ!!!! とりあえずは今月の目標50万かなー? …
和尚@ ハゲプレイwwwww いやー坊主にして良かったよwwwwww…

Favorite Blog

【重要なお知らせ】I… 楽天ブログスタッフさん

Der Nakajistil ブランスウィック中島さん
ユメコずルーム ユメちゃん2106さん
Lesson Di… ぴあのynyさん
深川やっこ diary @… 深川やっこさん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: