モモ

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2006年01月24日
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カテゴリ: PTA
 第三回PTA研修会を主催した。これで、本年度の私の所属する研修委員のお役目は、終わった。三学期の研修会は、毎年、参加者は30名ほどで、少ないのだが、今日の事前の申し込みが6枚しか届いていなかったのには、驚いた。こんなに少ないのなら、円陣にして、わきあいあいと、ディスカッションができるようにと、机を並び替えた。けれども、申し込みをしないで、当日参加の方々の参加があり、結局、例年どおり、30名ほどの参加があって、よかった。

 今日の研修会は、スクールカウンセラーの先生から、『僕のキモチ・私のキモチ』をテーマに、思春期の子どもの気持ちについてのお話のあと、参加者で、ディスカッションをする形になった。昨日の日記に、『甘え』のことを書いたが、ちょうど、そのことに触れられていた。「自立したい気持ちと甘えたい気持ちは、おとなへの入口」と、先生は言われる。「大人の世話になりたくない、自分でなんでも出来ると思いたくて反抗する。甘えて不安をやわらげたい気持ちがある。」とも言われた。昨日の日記のコメントにお返事をしながら、また、いっそうに考えさせていただいた。

 続いて、地域にある障害者福祉施設『かかしの家作遊所』所長さんから、地域の中で、しょうがいを持った子どもたちが、そのしょうがいを個性として、生活している様子やノーマライゼーションの理念についてもお話していただいた。所長さんは、25歳になる重症心身障害者の母親であり、養護学校を卒業する頃、息子さんのような最重度の障害者が通える作業所がない(在宅はできなく、病院に入院するか、施設に入所するしか選択はなかった)ことに驚き、「どんなに重いしょうがいがあっても、地域の中で楽しく暮らしたい」という思いから、作遊所を作られた。『作業所』ではなく、『作遊所』と、こだわっておられるのも、そういう思いがこめられている。
 一見、しょうがいがないように見えても、心にしょうがいのある子もいる。養護学校を卒業して、一度は社会に出たが、心無い中傷で、傷つき自信を失った子どもたちにも自信を取り戻してもらう。
 作遊所には、グループホームもある。ここでは、ケアする人が入って、子どもたちが共同で生活している。今、ケアしている母親が年を重ね、ケアすることが困難になったときでも地域で生活ができるためのものだ。地域活性化事業費で、コミュニティレストをつくられた。ここでは、地域の方が、気軽に立ち寄っていけるカフェをひらいている。税金を使って、作遊所を運営しているのだから、地域にも貢献したいと考え、グループホームの2階のスペースは、地域の人に提供している。この5月からは、『地域の子どもたちに居場所を』ということで、『わくわく広場』を始め、地域のこどもたちとの交流もはかられている。
 かかしの家に立ち寄る方々が、何かお手伝いはないですかと、声をかける。手伝ってほしいことはいっぱいある。食事つくりや草刈などをしてくださるボランティアの方々も少しづつ増えておられるとのこと。人の力は、貴重な社会資源になる。

 『かかしの家』のかかしは、山を案内する子と書く。
 案山子・・・しょうがいのある人が住みやすい社会は、私たちも住みやすい社会だよ。こんな世の中がいいんだよと、道案内をする。これが、バリアフリーだよ。いくら、しょうがいがあって、何にも出来ないように見えても、その子たちから、教わることは、多い、あの子たちは、案山子なんだよ・・・と、所長さんが語られた。






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最終更新日  2006年01月25日 00時22分58秒
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障害者について  
A1さくら  さん
身近にいないと、どう接していいのかという戸惑いが多いのではないのでしょうか?
娘の幼稚園では、ダウン症の子がいらして子供たちは本当に自然に助け合っていました。
「○○くんは、これが苦手だから手伝ってあげる」「これは○○くんも出来ることだからやっちゃだめ」
と自分たちで先生の助言の下、ルールを作って接していました。
お母様も障害についてよくお話をされてオープンなお付き合いをさせていただきました。
そういう方が近くにいらっしゃったことで、悩みは違ってもそれを個性として受け止めればおんなじなんだなと思うことができました。
バリアフリーの社会を素直に受け入れることができる世の中になるといいですね。 (2006年01月25日 06時35分50秒)

Re:案山子(01/24)  
ふうた さん
兵庫県のあるボランティアセンター内のレストランでパートしていた頃は当たり前のように障害を持つ方々と接してました。障害の重さにもよりますが、ノートパソコンを手に会議をしたりしてる人もいれば、一人では移動すら出来ない方もいて、考える事が多かった。ひたすら夢に向かって頑張っている人もいれば、働けるけど、働いて収入を得るようになると援助がなくなるからと言われる方もいた。
いろんな考え方の人がいる。出来る事は手伝わない。一人では無理な事はお手伝いすると私なりに決めていました。娘は保育園時代から障害を持つお友達と接してきたので、何も変わらず上手くやっていて、私のほうが勉強させられています。 (2006年01月25日 07時22分23秒)

Re:障害者について(01/24)  
Chiyomi Kubota  さん
A1さくらさん
 障害があっても、できるだけ普通の学校で・・・ということができることが、大切だと思います。『1リットルの涙』を読んだとき、普通の学校に通いたいと、望んでも、できなかったですね。障害のない人の都合に合わせた学校だからなのです。本当の意味のバリアフリーは、人の心の中にあると思います。障害を個性として、自然に付き合える、さりげなく、手伝えることが、大切だなと思いますね。 (2006年01月25日 20時28分56秒)

Re[1]:案山子(01/24)  
Chiyomi Kubota  さん
ふうたさん
 今は、障害のある方もどんどんとご自分を表現され、社会に出ておいでですよね。私の家の近くには、「たんぽぽの家」があります。私も息子が、幼稚園に入る前の一年間、月に一度、食事つくりのボランティアをしていました。まだ、3歳の息子は、みなさんの中に入って、粘土つくりをさせていただいたり、一緒に食事をしたりして、自然に接していましたね。この自然に・・・というのが、大切ですよね。 (2006年01月25日 20時34分36秒)

Re:案山子(01/24)  
前のマンションは養護学校が近くにあり、小学校も交流会をしていました。。。私の友人も養護学校の先生も多く、文化祭などにも参加しました。。。
子供達の作品は胸にストレートに飛び込んでくるように感動をたくさんくれました。。。。息子は小1の時に一緒に遊んだ養護のお友達と言ってとっても大好きで、たくさんの事を学んだようでした。。。そして、クラスメートにもいたのですが、自分の事さえ、満足にできない息子なのに、ずっと、一緒に行動していたらしいです。それもたくさんの事を学んだようでした。出来ない事はしてあげる。。。でも、すごく素敵な笑顔をいっぱいくれるんだよっと楽しそうに話していたのを思い出します。。。子どものように見習わなければ。。。心のバリアフリーを子どもに教わった気がしました。。。その子のお母様は今でも、息子に声をかけてくださり、大きくなった事を喜んでくださいます。。。彼も養護学校でがんばっているとの事でね息子も嬉しいようです。 (2006年01月26日 10時13分51秒)

Re[1]:案山子(01/24)  
Chiyomi Kubota  さん
ポッポママ♪さん
 我々の学校も校区内に養護学校があり、交流していますし、同級生にも友だちがいます。子どもたちの方が、おとなよりも、心のバリアフリーができていると思いますね。友だちとして、全然、特別扱いしないんですよね。ただ、身体的だけでなく、知的障害がある場合は、おとなになると、施設に入ったり、地域の中で、接する機会が少なくなってきます。おとなになっても同じように接することが出来るためには、小さい時から、自然につきあっているということが、どんなに大切なのかがわかりますね。
 PTAでの人権学習は、親世代の意識に働きかけるという意味で、生涯学習の一環として、必要だと思いました。 (2006年01月26日 15時39分37秒)

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