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ヘディ・ラマー、彼女の名を知っている映画ファンはそう多くないだろう。中学生の頃、見た「サムソンとでリラ」で”なんときれいな人だろう”と夢中になったのを覚えている。当時、愛読書だった『映画の友』に投書して「サムソンとデリラ」の映画フィルムの1コマを謝礼に貰い、大事に定期入れにはさんでいたのを思い出した。この映画は、巨匠セシル・B・デミルが巨費を投じたスペクタクル作品で、サムソン(ヴィクター・マチュア)に横恋慕するデリラ(ヘディ・ラマー)の悪女ぶりが光っていた。サムソンとデリラ怪力を取り戻したサムソンが神殿を崩壊させるシーンは映画史に残る名場面だと思う。それと美貌ぶりを遺憾なく発揮したラマーの好演も忘れられない。彼女は1914年11月9日、オーストリア・ウィーンでユダヤ系の両親のもとに生まれた。父親エーミール・キースラー(Emil Kiesler)はレンベルク出身の銀行家、母親ゲルトルート・リヒトヴィッツ(Gertrud n?e Lichtwitz)はブダペシュト出身のピアニストである。女優に憧れ、17歳のときに端役で映画に出演。その2年後にヘディ・キースラーの名前で性の解放を謳ったグスタフ・マハティー監督のチェコ映画「春の調べ(Ext?ze)」に出演し、ヒロインのエヴァ役に扮して映画史上初めての全裸ヌードを披露した。春の調べ当時、この映画はセンセーショナルもので、アメリカでは上映禁止になっている。1933年、年上の兵器製造業者フリッツ・マンドルと結婚するが、嫉妬深い夫(誰も彼女のヌードが見られないようにと、「春の調べ」のプリントを買い占めようとした)に嫌気が差し、ロンドンへ逃亡。ロンドンで映画プロデューサーのルイス・B・メイヤーと出会い、サイレント映画時代の女優バーバラ・ラ・マーから取って"ヘディ・ラマー"と名前を変えてハリウッドに渡った。ハリウッドではセシル・B・デミルの「サムソンとデリラ」などに出演。彼女の黒髪を真ん中分けにした髪型は、「風と共に去りぬ」でヴィヴィアン・リーも真似をしている。また、最初の夫と結婚していた間に得た無線の知識を元に、Hedy Kiesler Markey の名で作曲家のジョージ・アンタイルと共に周波数ホッピングスペクトラム拡散に関する特許を取得している。これは現在、携帯電話・無線LANに応用されており、彼女は大変な発明家だとも言える。取得年:1942年特許番号:2,292,387 名称:"Secret Communications System"私生活では6度の結婚をし、2男1女を残している。2000年1月19日に享年85歳で天国に転居した。彼女はこれまでスクリーンに現れた最も美しい女優の一人として知られている女性だ。
2010.01.29
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1961年(昭和36年)は私にとって忘れられない年だ。何故か、スターへの階段を上りつつあった赤木圭一郎が天の星になったからだ。デビュー作「拳銃0号」から「霧笛が俺を呼んでいる」「俺の血が騒ぐ」と数本ではあるが、作品にタッチしたからだろうか。挨拶を交わした程度で、話をしたこともなかったのだが、人柄は良かった。ちょっとはにかんだような笑顔が忘れられない、赤木はトニーの愛称で撮影所のスタッフには好かれていた。事故のあつたのは2月14日の昼頃だったようだ。その日、私は午後から出たのでその時は居合わせなかった。所内は騒然としていたように思う。調布警察が現場検証に大勢来ていた。所内のメイン・ストリートの食堂の前からぶつかったT字路のステージの鉄扉までは約50メートル位ある。自動車会社が宣伝に持ち込んだ一人乗りのゴーカートだが、赤木はこれに乗り込んだのだ。ヘルメットもかぶらずぶつかったらしい。レーシング・カー使用なので結構スピードも出たようだ。おまけにぶつかる直前にブレーキとアクセルを踏み間違えたらしいから、コレはもう悲劇である。救急車で調布の慈恵医大病院に担ぎこまれ、21日の死亡まで約1週間生死の境をさまよった。そして大勢の人の祈りも空しく不帰の人となった。後追い自殺した少女もいたそうだから驚いたものである。その1週間の間、撮影所内は火の消えたようだった。誰もが口数少なく、赤木の回復を祈っているのが良く分かった。首脳陣も撮影所と病院を往復しているようだった、死去の日、女優さんたちの目は赤く潤んでいた。確か当日の撮影は全部中止になったように思う。トニーの告別式が終わった後、赤木の妹さんが撮影所に挨拶に見えていた。おとなしそうな感じで、その姿が哀れを誘ったのを覚えている。きっと兄妹仲が良かったのであろう。トニーはまだ21歳での早世に、和製ジェームス・ディーンとして死後、更に人気を高めた。トニーのことを全く知らない人も多いだろう。せめて一度でもいい、生前の赤木を作品で偲んでやって欲しいと思う。トニーよ、夜空に輝くデッカイ星になれ!! 哀悼の意を込めて。ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.02.13
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