《櫻井ジャーナル》

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2012.01.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 このところイスラエルにとって都合の悪い情報が流れてくる。1月13日にはアメリカで発行されている 「AJT(アトランタ・ジューイッシュ・タイムズ)」の発行人がコラムの中でバラク・オバマ米大統領の暗殺に触れ 、大きな問題になって辞任に追い込まれたようだ。

2017年には戦争で1万5000発のミサイルがイスラエルの都市に撃ち込まれ、未曽有の破壊と犠牲が予想されるというエルサレム・ポストの記事 を前提にしている。イスラエル軍が軍事予算削減に反対する立場から作られた話にすぎず、これを前提にした話はナンセンスだ。

 コラムではベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、こうした事態を防ぐための提言をしている。そのひとつがオバマ大統領の暗殺だ。イスラエルにとって非友好的だと思われる大統領をモサドのエージェントに排除させたうえで副大統領を昇格させ、イスラエルの敵を抹殺する政策を命令させるということである。

 AJTの発行人はイスラエル政府に対し、アメリカ大統領の暗殺を内部で討議したことはないのかと問いかけているのだが、少なくとも1度、1991年頃にイスラエルはアメリカ大統領の暗殺を計画していたことがあると信じられている。ターゲットになったのはジョージ・H・W・ブッシュだ。

 この情報を明らかにしたのは元モサドのビクター・オストロフスキー。カナダの議会関係者に話し、その話を聞いたひとりがアメリカの弁護士で元米下院議員のポール・マックロスキーに伝え、マックロスキーはオストロフスキーに会い、モサドはブッシュ大統領の暗殺も選択肢に入れていることを確認し、シークレット・サービスは警備を強化したようだ。

 元米下院議員の ポール・フィンドレー によると、イスラエルの政策を決めているのはモサドであり、モサドはブッシュ大統領を嫌い、ダン・クエール副大統領に好感を持っていたとオストロフスキーは説明したのだという。当時、すでにクエールを大統領として受け入れさせるための宣伝をイスラエルとアメリカで始めていたようだ。

 本ブログでは何度も指摘しているので食傷気味かもしれないが、1980年代にブッシュはイラクのサダム・フセインをめぐり、イスラエルと対立している。ブッシュたちがフセインを自分たちの手駒だと考えているのに対し、イスラエルやアメリカの親イスラエル派(ネオコンやシアコン)は排除すべき対象だと考えていた。

 この対立が「イラクゲート事件」の表面化につながっている。この当時、イスラエルと最前線で遣り合っていた人物がロバート・ゲーツである。1990年代になると、ネオコンは公然とフセインの排除やパレスチナ和平の破壊を提言、その提言を実行したのがジョージ・W・ブッシュ政権である。

 ところで、ブッシュ・シニアはエール大学に在学中、CIAにリクルートされた可能性が高く、アレン・ダレスとも近い関係にあった。そうした人脈ということもあり、破壊工作に関係してきたと考えられている。ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺で名前が出てきたのも偶然ではないだろう。

 1980年の大統領選挙では、CIAから追い出された破壊工作チームがブッシュを支援していた。言うまでもなく、CIAの内部にもブッシュを支援する人びとは残っていたはずである。ブッシュ本人の性格は不明だが、ブッシュの周辺にはモサドに対抗する能力があったと言えるだろう。ブッシュ側もヤワではない。

 AJTの発行人はイスラエル系の団体から激しく批判されたようだが、当然だろう。「愚かだ」という評価もあるのだが、意図的だった可能性もないとは言えない。





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最終更新日  2012.01.26 17:21:31


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