《櫻井ジャーナル》

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2014.01.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 スイスで「ジュネーブ2」と呼ばれる和平会談が始まったが、シリアの反政府軍は混乱状態になっている。当初、アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールといった国々はバシャール・アル・アサド体制を倒すためにFSAなる武装勢力を編成、支援していたが、戦乱は長引き、NATOの直接的な軍事介入も実現しないまま、現在に至っている。

 すでにFSAは解体状態のようで、反政府軍として名前が聞こえてくるのは3組織。つまり、イスラム戦線、アル・ヌスラ戦線、ISIL(イラク・レバントのイスラム国、ISISやIEILとも表記)だ。

 伝えられている情報を総合すると、イスラム戦線はサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官が昨年11月に諸団体を再編成して組織、アル・ヌスラ戦線はカタールに近く、トルコの司法当局や警察によると、ISILはトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が秘密裏に創設したのだという。カタールとエルドアン首相はムスリム同胞団に近い。

 このトルコでエルドアンはイスラムの指導者だったフェトフッラー・ギュレンを中心とする勢力と対立しているようだが、このギュレンの背後にはCIAが存在している。エルドアンの足下が揺らぎだした一因は、 トルコがSCO(上海合作組織)、特に中国へ接近 していることにあるとする人もいる。ここでもシリアの体制転覆を目指すグループの内部で軋みが生じている。

 言うまでもなくトルコはNATOの一員であり、「秘密部隊」が組織されている。その部隊はNATOが創設される1949年より前から存在する。その後、多くの国がNATOへ加盟しているが、加盟するためには秘密の反共議定書へ署名する必要があり、その時点で秘密部隊が編成される。その議定書は「右翼過激派を守る」ことを義務づけていた。この決まりが現在でも続いている可能性は小さくない。

 秘密部隊の名称は国ごとに違う。イタリアで「極左グループ」を装い、爆破工作を続けたグラディオは有名だが、そのほか、デンマークはアブサロン、ノルウェーはROC、ベルギーはSDRA8といった具合だ。トルコでは軍の幹部が秘密部隊の存在を認めている。

 トルコの場合、「民族主義者行動党」も配下にあると考えられるのだが、その青年組織が「灰色の狼」。この組織に所属していたモハメト・アリ・アジャは1981年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世を銃撃した。こういう事情を考えると、ISILの背後にはNATOが存在している可能性もあるだろう。

 アジャが銃撃した直後、「西側」のメディアはブルガリアやソ連を黒幕だとするキャンペーンを展開したが、事実関係を考えれば、怪しいのはNATOであり、その背後にいるアメリカやイギリスの「テロ人脈」だ。

 こうした人脈とつながるアメリカとイスラエルの情報機関の関係者は1979年7月にエルサレムで「国際テロリズム」に関する会議を開いている。その出席者にはジョージ・H・W・ブッシュ元CIA長官やネオコンのリチャード・パイプスも含まれていた。

 会議を主催したのはイスラエルのシンクタンク「ヨナサン研究所」。1976年にイスラエル軍がウガンダのエンテベ空港を襲撃した際に死亡した特殊部隊員、ヨナサン・ネタニアフから研究所の名称は採られたのだが、ヨナサンはベンヤミン・ネタニアフ首相の兄。「テロとの戦争」はこの時に始まるとも言えるだろう。「テロ」を名目としてターゲット国の体制を破壊する戦いだ。





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最終更新日  2014.01.23 03:16:10


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