《櫻井ジャーナル》

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2014.10.02
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 アメリカで初めてエボラ出血熱の感染が確認されたと報道されている。感染源の男性は9月15日にリベリアの首都モンロビアで発症した女性患者を病院へ連れて行く手伝いをした後、19日に出国、20日にアメリカへ入国して80名程度の人と接触したという。

 問題のリベリア人男性は熱が出たので25日にテキサス州の病院で受診、その際に行われた血液の簡易検査でエボラ・ウイルスは発見されていない。そこで帰宅したが、後に症状が悪化、28日に隔離されている。

 エボラ出血熱は昨年12月からギニア、リベリア、シエラレオネを中心に広がり、8月2日には現地で治療にあたっていたふたりのアメリカ人、ナンシー・ライトボールとケント・ブラントリーが感染、アメリカへ運ばれて治療を受けている。

 これまで有効な治療法がなく、多くのアフリカ人が死んでいるのだが、 このアメリカ人ふたりは快方に向かい 、血液中にウイルスの痕跡が見られなくなったブラントリーは入院先の病院から21日に退院したという。両者はリーフバイオ社とデフィルス社が開発している「ZMapp」が投与されたほか、現地で回復した少女の血が輸血されたとされている。リベリアでZMappを投与された3名のアフリカ人医師も快方へ向かっているという。

 エボラ出血熱で死亡した疑いがある人の数は3338名、感染者数は7178名だとWHOは10月1日に発表しているのだが、リーフバイオ社とデフィルス社が開発したという薬が本当に効くならば、押さえ込めるだろう。9月15日に発症した女性には助かるチャンスが十分にあった。助からなかったのは薬が投与されなかったからということになる。今回の「流行」には不可解な点がある。

 そこで注目されているのがWHOのマーガレット・チャン事務局長。アフリカ西部でエボラ出血熱の流行はコントロール不能な状態になっていると9月13日に語っているが、この発言に疑問を持つ人が少なくない。2009年に豚インフルエンザが大流行していると宣伝した責任者だからだ。このとき、日本では「タミフル騒動」になった。

 このタミフルを開発したのはアメリカのギリアド・サイエンスという会社で、開発の翌年、つまり1997年から2001年までドナルド・ラムズフェルドが会長を務めていた。この薬に関するライセンスを供与され、製造販売していたのがスイスのロシュ。2005年12月4日のサンデー・タイムズ紙によると、数十名のインフルエンザ患者を治療したベトナムの医師は、タミフルが効かなかったと話している。

 豚インフルエンザのケースでは、通常の風邪も「豚インフルエンザの疑いがある」として感染者の数を膨らませていたと言われている。そこで、今回もWHOの発表する数字を信用しない人が少なくないのだ。マラリア、腸チフス、髄膜炎とエボラ出血熱を間違えることがあるという。

 タミフルのケースのように、病気の蔓延は医薬品業界の利益に結びついているが、今回の場合、アメリカ政府は3000名程度の部隊をリベリアへ派遣すると言われている。何のために軍隊を派遣するのか、いぶかる向きも少なくない。

 軍と病気と言えば細菌兵器を思い出すが、今回の場合、アフリカ西部の地下に眠る石油が理由ではないかという説が流れている。病気の蔓延ということで住民を整理、軍隊で制圧して石油利権を手に入れるつもりではないかというのだ。

 また、エボラ出血熱がアメリカで感染したとなれば、人の移動を制限するなど戒厳令的な状況を作ることができる。「エボラ出血熱との戦争」の一面だ。





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最終更新日  2014.10.03 12:33:33


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