《櫻井ジャーナル》

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2014.12.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イラクとシリアで戦闘を続けている IS(イスラム国、ISIS、ISIL、IEILとも表記)の部隊を戦闘機がイラク領内で空爆したと伝えられた 。撮影された戦闘機はF-4ファントムだと見られる。中東でF-4を使っているのはトルコかイランしかない。説明が正しいなら、イランの戦闘機がイラク領空へ入り、クルド側と手を組んで攻撃した可能性が高い。

 アメリカがイギリスなどを引き連れてイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒してからイラクとイランの関係は良くなっていた。残虐さを売り物にしているIS。ファルージャに続いてモスルを制圧、油田地帯を押さえたのだが、このように占領地を広げられた理由としてイラク軍の指揮官が戦闘を回避したことが挙げられている。

 当時、首相だったノウリ・アル・マリキもそう考えたようで、メーディ・サビー・アル・ガラウィ中将、アブドゥル・ラーマン・ハンダル少将、ハッサン・アブドゥル・ラザク准将、ヒダヤト・アブドゥル・ラヒム准将を解任した。

 このマリキにはさまざまな評価があるが、アメリカ軍の永続的な駐留やアメリカ兵の不逮捕特権を認めなかったことからアメリカ政府に嫌われていたことは確か。今年4月に行われた選挙でマリキを支える「法治国家連合」が第1勢力になったが、フアード・マアスーム大統領はマリキを首相に指名せず、ハイダル・アル・アバディを選んだ。指名の直後にジョー・バイデン米副大統領は歓迎の意を示したようで、この人選にはアメリカが介在しているのだろう。

 ISの首切り場面を西側メディアがセンセーショナルに取り上げた後、アメリカ政府は「反イスラム国(IS)連合」を結成した。攻撃に参加するのはアメリカのほか、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、そしてサウジアラビアやカタールを含むペルシャ湾岸の6カ国だという。ヨルダンにはアメリカ/NATOがISを軍事訓練した施設があり、サウジアラビアやカタールは彼らのスポンサーだ。

 この連合は9月23日に空爆を実施、その「戦果」が宣伝されたが、当日、現地で取材していたCNNのアーワ・デイモンは別の情景を伝えている。ISの戦闘員は空爆の前に極秘情報を入手、攻撃の15から20日前に戦闘員は避難して住民の中に紛れ込んでいたと空爆の翌朝に伝えているのだ。

 ISがアメリカ/NATOの訓練を受け、武器を提供され、サウジアラビアやカタールの資金で戦闘員を雇うだけでなく、トルコとイスラエルの協力で石油をEUへ売り、アフガン戦争時代にアメリカ/NATOが作り上げた麻薬密輸ルートで資金を稼いでいるという。この麻薬密輸にNATOが協力しているという情報もある。

 イランのF4がイラク領内のISをアメリカ/NATOとは無関係な形で攻撃したとする情報が正しいなら、イラン、イラク、クルドがアメリカ離れをしている可能性もある。ISとアメリカ/NATOとの関係は有名で、本当にISを懸念しているなら、それが必然だろう。アメリカ軍は本気でISを攻撃する場合は、ホワイトハウスでネオコン/シオニストなど好戦派が主導権を奪われたとき。そうした兆候はまだ見られない。





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最終更新日  2014.12.03 04:13:58


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