イギリスのロンドン警視庁がWikiLeaksのジュリアン・アッサンジをエクアドル大使館の中で逮捕したのは2019年4月11日のことだった。エクアドルのラファエル・コレア大統領が2012年に政治亡命を認め、大使館が保護していたのだが、次のレニン・モレノ大統領が亡命を取り消して逮捕させたのである。アッサンジの弁護団によると、 アメリカからの引き渡し要請に基づくもの だという。
アッサンジを保護していたエクアドル大使館の内部でどのような動きがあるかを調べるため、大使館の警備を請け負ったUCグローバルSLのデイヴィッド・モラレスは建物内に盗聴器を設置し、アサンジらに関する機密事項をCIAへ報告していたことが判明している。
アメリカの司法当局はアッサンジをハッキングのほか「1917年スパイ活動法」で起訴している。本ブログでは繰り返し書いてきたが、ハッキング容疑はでっち上げだ。アッサンジがアメリカへ引き渡された場合、懲役175年が言い渡される可能性がある。
アッサンジ逮捕をアメリカの当局に決断させた要因のひとつは 2010年の4月5日にWikiLeaksが公表した映像 だろう。2007年7月にバグダッドでロイターの特派員2名を含む非武装の十数名をアメリカ軍の軍用ヘリコプターAH-64アパッチが銃撃、射殺する様子を撮影した映像だ。
その映像を見れば、攻撃された人びとが武装しているようには見えず、ヘリコプターの乗組員が武装集団と誤認したとは考えられない。勿論、戦闘はなかった。この事実を報道しなかったメディアはアメリカ軍が行った市民殺害の隠蔽に加担したことになる。
ウクライナで実行されたクーデターにしろ、ガザでパレスチナ人を虐殺しているイスラエルへの支援にしろ、アメリカが「国際法」を無視していることは明確。オーストラリア国籍でヨーロッパを活動を舞台にして活動していたアッサンジを「1917年スパイ活動法」で起訴するという超法規的なことをアメリカ政府が行なっている。これが欧米が主張する「ルールに基づく国際秩序」だ。
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