1
フィルムセンター自選シリーズ 現代日本の映画監督3 井筒和幸で『ガキ帝国』(1981年)を観て。(組や利害により)分断、断絶される在日たちの姿が重く悲しかった。(南北という分断とはまた別の)日本ならではの(あるいは大阪のその時代ならではの)分断、断絶が痛ましい。学生の頃のこのような居場所のなさ、疎外や断絶、蹉跌が組織に吸い上げられてもいくのかと暗澹たる思いも。はみ出し者の行き所のなさ。在日ヤクザを描いた東映映画『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』にも連なる。少年や学生が疎外されやがて組織に組み込まれていく構図。趙方豪が熱演。井筒監督がシナリオを持ち込んだ先のとあるプロデューサーが金(朝鮮語のセリフ)……朴(朝鮮語のセリフ)……と書かかれているシナリオを見てうちでは作れないと言い放ったとか。昨年読んだ「あかんやつら 東映京都撮影所血風録」に登場するどのプロデューサーだろうかと思いもめぐらせつつ...上映後いつもの毒舌で1時間半もトークを繰り広げてくれた井筒監督は沖縄ヤクザやノモンハン事件についての映画を撮りたいと話していた。実現してほしい... to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Mar 28, 2015
閲覧総数 173
2
京都大学でタテカン(立て看、立て看板)が撤去されているのをよく見かけ、表現の自由、言論の自由とは...はて?...と考えていたが...「大学の教室はジェノサイドと無関係でいられるのか?#CEASEFIRENOW」の言葉をパレスチナのクーフィーヤもようで縁取った都の西北早稲田のタテカンが黒のスプレーで汚損されている、と4月中旬に知った。その後、サイレントフィルムを観るために早稲田訪問時見てきたのがこちら。「大学の教室はジェノサイドと無関係でいられるのか?」最初の言葉は黒く塗りつぶされたがその上から「それでもイスラエルの戦争犯罪は塗りつぶせない」と白色で大きく書かれている。タテカンは数多くあれどこの看板だけ、パレスチナに連帯する看板だけ黒塗りのターゲットになったのは解せない、というか、わかりやすい!Д・)少し前に東大駒場で見たタテカン。韓国では昨年10月9日すぐに主要大学内に壁新聞でパレスチナ連帯が明言、宣言されていた。侵略占領され搾取略奪され虐殺され続ければ抵抗するのは当然のこと。ドラマ「도적: 칼의 소리(剣の詩) Song of the Bandits」などにもある通り朝鮮半島内外で侵略に抵抗し続けた歴史も召喚される。古風な感じもするが、大学等に壁新聞대자보を出す文化、伝統が韓国にはある。中国大陸から伝わり、1970年代頃韓国の学生街に広がっていた。2012年の大統領選の結果を受けてか?その頃高麗大学などで「壁新聞」文化が復活し、また広がったもよう。「時局宣言」なども今も続くし...コロンビア大学学生たちがジェノサイドに抗議してつくった「人間の鎖」を見ると、バルトの道や香港民主化運動なども想起する。坡州の空の先にガザの空があり...薔薇と雀、ガザの鳥to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Apr 27, 2024
閲覧総数 66
3
Louis Vuitton Men's Fall-Winter 2023 Fashion Showショーのオープニング映像は故ヴァージル・アブロー Virgil Abloh作品や彼のコレクションのコンセプト「子どもたちが自由に夢を抱くことが出来る」へのオマージュ感あふれ少し泣きそうに...少年から大人へ成長するプロセスはBTSのアルバムの変遷とも重なるよう。British 「VOGUE」誌によると、Louis Vuitton Men2023FWコレクションはColm Dillane, Ibrahim Kamaraと映画監督ミシェル・ゴンドリーのコラボレーションとのこと。호비が気に入った、と話していたのはたくさんのメモが付いた服。ということはこちらだろうか。インパクトある。オープニング映像の子ども部屋をめぐるように展開するショーはミシェル・ゴンドリー監督の演出も入っているのだろう。故ヴァージル・アブローへのオマージュ感もあるし監督らしさもあるステージ。ショーでライブを披露したスペイン出身のアーティストROSALIAはアルモドバル監督の映画にも出演していたそう。さまざまなジャンルの才能が一堂に会するプラットフォームにもなっているという感慨も。ロザリアの音楽はレゲトンやフラメンコを取り入れたハイブリッドな曲。一曲目の「CANDY Remix」の詞、No me has olvidado(you haven't forgotten me)が韓国語の「눈물 흘린다」に聴こえてしまった...Louis Vuittonアンバサダー호비は지민がグローバル・アンバサダーを務めるChristian Diorのショーのフロント・ロウにも。CDのデザイナーはKim Jones。2023FWのテーマはT.S.Eliotの「荒地 The Waste Land」チャコールグレーのプリーツスカート付きボトムスを見て。LVもプリーツスカート付きボトムスを出していたので...アジェンダーな傾向で、流行なのかもしれない。(K-Popアーティストがたっぷりのフリルのシャツを着始めてパール・ネックレスも纏ってもう数年経っている)ジェンダー・ニュートラルなアイテムも着こなす姿はやはりBTSらしい。지민のベージュと호비のグレー、シックなモノトーンでもクール。윤기のValentinoもチェックしなくては...イタリア「VOGUE」誌より。Le urla dei fan confermano ancora una volta il K-Pop come protagonista indiscusso delle settimane della moda.Fashion Week's Protagonist,アーティストが席巻し主役になっている... 2022年4月、BTS in LV2021年7月、LV2021FW スピンオフ in Seoulヴァージル・アブロー Virgil Ablohの作品展示ミシェル・ゴンドリー Michel Gondry監督の映画は最近は観ていない気がする...ポン・ジュノ監督らとのオムニバス『TOKYO!』ペドロ・アルモドバル Pedro Almodóvar Caballero監督『ペイン・アンド・グローリー Dolor y gloria / Pain and Glory』は2020年に観たが、出演していたロザリアをまだ知らなかった...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Jan 20, 2023
閲覧総数 236
4
韓国文化院で展示中の「壬寅進宴図屏 임인진연도병」の一部が何者かに削り取られ(画の表面が剥がされ)たそう。犯行は2月29日木曜日頃、と。文化財約6万7千点も未だ返還せず、他国の美術品を傷つけるヘイト島に怒り心頭。犯人が見つかるとよいが、大使館にテロ予告や脅迫状、銃弾送り付け事件や青酸カリ送付?した犯人らもまだ見つかっていないのでは。ウトロに放火したヘイトクライムの犯人は捕まったが被害はとても大きかった。別のところでも何度も書いて来ているが、強制動員された朝鮮人らは日本全国で道や橋を作らされ、軍艦島や長生炭鉱で危険な作業に従事させられ、ウトロでは軍用飛行場建設。ぜひ読んでほしい☟「ここで死ぬつもりやった」京都・ウトロ ヘイト放火(京都新聞)「壬寅進宴図屏 임인진연도병」は楽しみにしていたので昨年さっそく観に行っていた(写真の撮影は許可されています)。BTS RMが訪れた「한겨울 지나 봄 오듯-세한歲寒·평안平安」展も興味深くもっと前に観た故宮博物館「清明上河図」も眼福だったが今回の展覧会のように、画の中の楽器や衣装などが現実に飛び出したように(AR拡張現実感ある)、取り出して見せてくれる展示は知的好奇心も満たされほんとうにワクワク楽しい。歌舞音曲好きなので、朝鮮通信使行列の中に喇叭を発見するのと同じような屏風の中の楽器を見るうれしさや、舞踊、コレオグラフィーを記録した書物を見るのも楽しかった。現代美術はイム・ミヌクの「Hyper Yellow」アジア人、黄色人種の「黄色」を超えた意味もあるらしい。恵比寿映像祭で「Portable Keeper」など観ていた임민욱だが、イム・ミヌクと言えば...「平和の少女像」も展示されていた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に「ニュースの終焉」を出品していたが、「表現の不自由展・その後」の中止、検閲に抗議しパク・チャンギョン(「チャイルド・ソルジャー」)と共に作品を引き上げていた。「展示の途中に作品を除外することは検閲」と当時声明を発表。筆者も当時、表現の自由への弾圧に対しSNSで抗議の声も上げていた(2019年夏は本当にヘイトの嵐でいろいろ酷かった)。奇しくも最高裁は6日に名古屋市側の上告を棄却、あいちトリエンナーレ2019「負担金全額(未払い分3380万円)を名古屋市が支払い」が確定した。期せずして今月!?のアート活動は「レイシズム」が共通項かも...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Mar 6, 2024
閲覧総数 123
5
ちょうど30年前の映画を観た。『京阪神殺しの軍団』(1975年、山下耕作監督)、実録やくざ映画。表現と意識の変遷を感じる。映画に在日という語、韓国・朝鮮という語はひとことも出てこない。ただ輸血の場面で異質な血は入れたくないと吼えて在日であることを仄めかす。キムチを食べ、焼肉を食べる登場人物が描かれ、それとわかるようになっている。小林旭、梅宮辰夫が主人公の在日青年を演じている。(役者の顔が今と違う)実在した柳川次郎、柳川組を描いた映画だそうだがこの映画の約30年後に同じテーマで撮った作品にはせりふにも在日という語が出てくるくらい表現のしかたが変わったという。隔世の感がある。焼け跡闇市のようなバラックの街並みは今では見ることはできないけれど、青果地方卸売市場の脇を車で駆け抜けるシーン、あのあたりのたたずまいは今もそのままのような気がする。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2023 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Feb 10, 2005
閲覧総数 93
6
サラ・ウォーターズ Sarah Waters「荊の城 Fingersmith」原作。設定はヴィクトリア朝から日本の植民地下の朝鮮半島に変えられている。秀子お嬢様(キム・ミニ)スッキ/珠子(キム・テリ)藤原伯爵(ハ・ジョンウ)上月(チョ・ジヌン)佐々木夫人(キム・ヘスク)叔母(ムン・ソリ)ボクスン(イ・ヨンニョ)パク・チャヌク監督『お嬢さん 아가씨 The Handmaiden』(2016年)(以下、映画の核心に触れる部分もございます)5歳で外地に来た秀子はなぜ日本人なのに韓国語(朝鮮語)で話すのかと珠子に聞かれ叔父 이모부(上月)に日本語での朗読を強制させられるから日本語はうんざりなの、と答える。支配する側、日本側の言葉である日本語は日本人である秀子にとってもあたたかみある母なる語でもなく(母とは生後すぐ死別し母の話す日本語の記憶すらなく)読みたくもない稀覯本(と称された春本)を男たちの前で朗読させられる(「朗読はほんとうに苦痛なのよ」)恥辱の言葉、支配されていることを意識させられる言語でしかないのだ。日本人・秀子の中にある、ふたつの言葉への相反する感情、二重言語はミクロではその時代を生きた秀子という女性のアンビバレントな身体性でもありマクロでは支配する日本と支配される半島の構造を表し、象徴もして興味深い。そんな秀子が愛を交わす時の言葉は韓国語(朝鮮語)。彼女を閉じ込め蹂躙した日本語は甘くも熱くもないのだろう...二重言語に関して男たちは...日本人になりきろうとする上月は一貫して日本語で通し詐欺師は日本女性には日本語で「蠱惑的」と発音して口説こうとし侍女には韓国語で「魅惑的だ」と囁いて蕩し込もうとする。詐欺の手段、あるいは偽りの言語である、二枚舌の謂いのような日本語と対照的にヒロインたちにとって韓国語は真意や愛を語る言葉になっている。(「詐欺師が愛なんて」)二重言語の空間で選び取られたのは秀子の母語ではない言語。それはスッキの存在の大きさ、あるいはスッキとの愛の深さ真摯さを表すかのように(あるいは蹂躙された日々、歴史を反転して浮かび上がらせるかのように)愛を語る言葉が韓国語だった、という言語的カタルシスも。半島から駆逐されてしまう、滅び行く韓国語(朝鮮語)はしかし落ちて(堕ちて)行く姿ではない。日本の支配下ではやがて秘められる言葉でもあるが...朝鮮語は1938年度には随意科目に。1940年度には総督府の教科書指定がなくなった。1941年度には標準授業時間の定めまでなくなった。封じられ、落下し地下に沈み行く、沈潜する言語のベクトルを打ち消すような上昇「運動」(愛し合うこと...)の同伴者としての言語が韓国語だった。体の底から沸き起こる生と美への素手による希求の到達点は秘め事はそんな封じられる言葉秘められる言葉を侍女と紡ぎながら交わす愛を伴っていた。秀子にとってはもっとも身体性ある言葉が秘められ滅び行く韓国語。そんなふうに当時のかの地を覆っていた二重言語の構造が巧みに生かされている。また、メタに読み解くと最近韓国で製作・公開されていた、日本による植民地下の半島を舞台にした映画が象徴・仮託するものを今作も、より複雑な構造で包含している。パク・フンジョン監督『隻眼の虎』で虎を狩り尽くす人々、奪う日本側と滅び行く美として喪われ行く虎やマンドク(チェ・ミンシク)側が対比され『愛を歌う花 해어화(解語花)』ではヨニが近代化の象徴で奪い尽くす側日本の象徴である一方ソユルは前近代的、伝統的価値観、おせっかい親切にも与え尽くしてしまう側の象徴として対照的だったように。女性二人が、まるで「日本」(支配的な男性性を象徴的に表したかのような日本、日本語)から自由になり独立するかのように、Exodus エクソダス(出エジプト記)のように脱出し出立するミステリ仕立ての冒険譚。(視点を変えた三部にわかれたミステリ構造は原作通り)植民地構造に日本語の朗読で晒しあげられ屈辱の時間を強制される構造「力づくの関係で快楽をおぼえる女」という一方的で暴力的な男性の思い込みのフレームからも搾取され続ける女性がついにその構造をぶち壊し(スッキが壊し)新天地へ、船の行き交う大海原へ飛び出す。『キャロル Carol』(トッド・ヘインズ)より熱く美しく幸せな結末だった。ラブシーンも『キャロル』より踏み込んでいて双子のように対等に悦びを与え合う全身のしなやかさがよく見えて美しい。ただし、植民地の加害者側被害者側男性と女性という二項対立だけではない。彼らの生活は英国式と日本が折衷された館に住み外地で雇用した侍女はみな朝鮮王朝時代の官女のようにひとつに編んだ髪にテンギ 댕기をつけ、スカートのように丈の短い韓服を身に着けている。部屋の内装も身につけるものも和洋折衷だがその中に半島で作られた螺鈿細工の小筐が置かれ夜食には金色に鈍く光る真鍮の器 유기で冷麺をいただく。まるで(官展に出品されていた)イ・インソン 李仁星が「窓辺」(1934年)で描いていたように東洋と西洋、英国趣味と日本文化と半島の生活を行き来するアンビバレントな生が描かれてもいる。あまつさえ、秀子の叔母が朗読するのは中国の官能小説「金瓶梅」。春画は葛飾北斎の「蛸と海女」(個人的には渓斎英泉推奨!?)さまざまな文物に価値観が混淆する当時の半島の様子、単なる二国間の文明、文化の衝突だけでもないモダンさと前近代性が共存もする時代の空気をよく表してもいた。秀子が愛を交わす相手に韓国人(朝鮮人)を愛を交わす言葉として韓国語を選んだとはいえ...二重言語のアンビバレントさ、グラデーションも微細に見れば単純な図式ではなく興味深い。日本人になりたかった上月は終始日本語で通すものの最後になって藤原とは韓国語で話し「차갑고 푸르고 妙に美しい」とちゃんぽんでも話す。しかし、上月が「朝鮮は醜いが日本は美しい」と言うと(「美は残忍なものじゃないか?朝鮮は脆すぎるから」とも)藤原は「朝鮮は美しいが日本は醜いと言った人がいる」と返す。私は朝鮮の藝術よりもより親しげな美しさを持つ作品を他に知る場合がない。それは情の美しさが産んだ藝術である。「親しさ」Intimacy そのものが、その美の本質だと私は想う。(柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」)済州島の作男が父である一介の詐欺師が柳宗悦を念頭に置いていたのだろうか。このような教養を身に着けていたとは...しかし、二重言語空間に生きる当時の人々の深く複雑な心理アンビバレントな奥行きを示してもいた。(あるいは、浅川巧も想起して...)金の玉ではなく銀色の玉の鈴2つずつ双子のような陰陽のような(でも男女ではなく)満ち欠けする銀色の月のような巫堂が鳴らす銀の鈴のような共鳴する、共に奏でる性のような...船の上で波の上で愛し合う姿は刹那的な頂点とは相違し何度でも波のように押し寄せる女性のクライマックスを象徴もして重なり合う波はさらさらと清らかな音を奏でる鈴にその波長、全ての波長、海の波、鈴の音の波長、寄せては返すように何度も訪れる悦楽の波を重ね合わせる。永遠に続くような悦びを映し出していた。エンディングの背景の襖絵の満月が浮かんでは消えていたのも女性の月のリズムと満ちては引くを繰り返す悦びを象徴しているかのよう。エンディング曲は子守唄のような響きだったけれど...原作のタイトル原題のFingersmithは指をつかう、という隠語でそんな隠微さとうらはらにパク・チャヌク版のタイトルにもいくつかのシーンにも、清新さが満ちてもいた。例えば、屋敷を脱出し草原のような敷地を笑いながら駆けるふたり。くすくす愉楽の笑いをもらしながら同じようなほっそりした姿態で愛し合うふたりはただ自然と笑みの零れるような愛と快楽を知る「乙女」のような清らかさでお嬢さん、乙女たちの成長記の印象も。敷地の端の石塀をひらりと越える時、お嬢さんと侍女という身分の差だけでなく国の違いも、という二重のギャップも乗り越え唯一無二のバディとして旅立つ。満ち欠ける月満ち引く波のように終わることなく押し寄せる永遠の悦びを分かち合う新しい旅の同伴者としての余韻を鈴たちの音色と共に残していた。銀色の鈴は巫堂もつかう鈴の色。聖性の余韻も残す。生命は短く、藝術は長いと詩人は歌う。しかし藝術に現れた朝鮮の生命こそは、無限でありまた絶対である。そこには深い美がある。美そのものの深さがある。静かな内へ内へと入る神秘な心がある。それは神殿を飾るに足りる藝術である。朝鮮は、よし外に弱くとも、その藝術において内に強い朝鮮である。厳然として自律する朝鮮である。(柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」)パク・チャヌクらしいユーモアの多く散りばめられた今作は笑いながら観ることも出来...悪人のはずの藤原がお嬢さんにあまり感情のこもっていないトーンで「となり空いていますかー」と空虚に、儀礼的に言ってしれっとすぐ座る風情もハ・ジョンウの魅力があふれていて楽しかった。(もっと熱入れてちゃんと演技しないと詐欺師ってばれるよね、と思いきや別の視点、第2部で観ると...)詐欺師の入れ子演技。ムン・ソリの演技もAsian Film Awards 亜州電影大奨 アジアン・フィルム・アワード助演女優賞にノミネートされていただけあり時にパンクな表情をみせてカッコよかった。余談ですがパク・チャヌク監督も登壇した本日の試写会で成瀬巳喜男監督作品(『浮雲』など)で知られる高峰秀子をあげてお嬢様の名前「秀子」は堂々と主体性ある高峰秀子からとった、と語っていたが...別のインタビューでは増村保造監督作品の若尾文子も想定していたと挙げていて...さて、どちらが...と思いつつ、自分の意思を貫く女性としての「秀子」とファム・ファタル的「文子」入り混じる、両面性ある女性の趣も...(秀子お嬢さまだけでなく、スッキも両面性あり、どちらにも当てはまる)最後のシーンはここまでの野生的色黒スッキと本を守るため陽の当たらない屋敷で育った色白お嬢さまの肌の色の対比が消え失せ...体形も肌の色も同じように映りほんとうに双子のようだった。ゆえにフォンテーヌブロー派 École de Fontainebleauの「ガブリエル・デストレとその妹ビヤール公爵夫人」を想起もしたり...Portrait of Gabrielle d'Estrées and Duchess of VillarsSchool of Fontainebleau(c.1594) Public Domain『イノセント・ガーデン』は少女のExodus でビルドゥングスロマン Bildungsroman 的。『親切なクムジャさん』はExodus ならぬ出獄を経て人生を取り戻し成人女性のビルドゥングスロマン的(復讐譚でもあるものの)。そして『お嬢さん』はイノセント・ガーデンのような少女の物語でもなく親切なクムジャさんのように大人の女性でもなくそのあわいの、乙女のExodus で愛を知るビルドゥングスロマンのバディ・ムービー。ゆえに、美ブロマンス、とも呼びたい...Brown Eyed Girls ガイン GAIN 가인とMINSEO 민서によるエンディング曲 임이 오는 소리。デュエットが美しい。オリジナルは1970年代の歌謡、이필원 イ・ピルウォン(男性)임이 오는 소리歌謡だがなかなかエッジがきいていて子守歌のような余韻も...(*˘︶˘*)to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Feb 8, 2017
閲覧総数 2009
7
原文もそうなのだろうか、日本語版はひとつの文が短めでもしかしたらヘミングウェイのように淡々と書かれているのだろうかと訝しんだりもした。ミンジン・リー「パチンコ」 Min Jin Lee 'Pachinko'Baek家の男たちは聖書に出てくるような名前イサク、ヨセプ、ノア、モーザスにソロモン(Isak, Yoseb, Noa, Mozasu, Solomon)。特に、在日3世であるソロモンはコロンビア大学を卒業し外資系金融機関に就職したものの結局は足を引っ張られパチンコ業に吸い込まれてしまう、制度化されたレイシズムが職業選択の自由を大きく浸食していた歴史的事実があらためて心に突き刺さった。ソロモンの母親が世宗大王と同じ、セジョンという名を息子につけようとして結局古代イスラエルの王ソロモンという名付けをした経緯を考慮に入れると、遥か彼方へ上昇しようと羽を授けられたソロモンが足を引っ張られ落下とは言わないまでも、地上的な生を余儀なくされるいびつさが突き刺さる。大阪のイサク、ヨセプの代からモーザスは横浜へ。横浜のインターナショナルスクールを経てソロモンはニューヨーク、コロンビア大学へ。Baek家の男たちも底辺あるいは周縁の仕事から3代目のソロモンの頃には外資系金融機関東京支店勤務という日本のセンターへ。その学歴と才能から、それが日本でさえなければ、在日でさえなければ、その名の通り「一国の王」になること、なれることは疑いもない。ノアの箱舟のノアや、預言者モーザスの名を備えていても「外国は故郷にならなかったが、故郷は外国になってしまった」在日コリアンらの彷徨える、居場所のない、あるいは常に底辺や周縁に押し込められ燻るような生が3代目になっても終わることがない、引きずり下ろされる苛酷さ。ソロモンの時代になっても変わらない、制度化されたレイシズム Systemic Racism(制度的差別 Institutional racism)の描写がくっきりリアルで言葉を失った。所詮は取るに足らない異邦人として社会のはみ出し者あるいは透明人間としてパチンコ台のガラスの中に永遠に閉じ込められたままのように不可視化され「釘師」(「神」ではなく、社会の根深い差別構造など)に左右される、釘師の意のままに動かされ弾かれるパチンコ玉と変わりない、上昇しつくしてもいずれ落下させられる理不尽な非対称性、光から影に落とされる不条理の痛みが余韻を残す。Black Lives Matterと相違ない、制度的差別という歪んだ日本の現実。聖人、王、預言者のような名を持つ男たちが制度的差別により異国のムラ的社会から排除される、パチンコ玉が弾かれるように。男たちの名前は「排除」とあまりに対照的で落差が象徴的だった。その歪な非対称性、不条理が男たちの名前により、くっきり浮かび上がり、深く刻印されるような気もした。王の名を持つ者たちの、あまりに地にまみれた生存のためのサーガ(叙事小説、Saga)。一方、ソンジャの勁さに刮目した。19世紀後半などにも、同様に未婚のまま妊娠させられ不幸に堕ちていく女性を描いていた欧米の小説等と相違し(もちろん、本作の場合は実際に執筆された時代が19世紀、20世紀ではなく21世紀だから、というのもあるだろうが)信仰にも依らず、学問にもよらず、コ・ハンスを許さず、毅然として撥ね付けていく強さと潔癖な姿が印象的。闇には近づかず、誠実に善良に汗水流して家族を守るために生きていこうとするソンジャ。もちろん、ソンジャの内心の葛藤、時にはコ・ハンスを思い出してしまう気持ちと反発する葛藤、複雑な気持ちは折に触れ描写されている。それでも、闇に屈服する堕落という落下運動に抗い続けるソンジャの姿、プライドが心に残る。ふたりの間に生まれた子どもが決して二人の縁を断とうとせず離れようとしても強いゴムや発条の力でまた引き戻され近づき悪縁のような不思議な因縁は続いていってしまうのだが。ハンスという闇の世界の翳に付きまとわれても撥ね付けつつしかし、影のように付きまとうハンスに支えられた生でもあった、というアイロニーが切ないが、ソンジャの生のアンビバレントさ(二重性)は拠り所のない在日の生の二重性、光と影ともオーバーラップするよう。パチンコの玉が底辺から離れ自由に上昇するように見せてはまたポケットに吸い込まれるように、影の引力で地面に引き戻されるアイロニーはしかし、ソンジャの愛する息子の死という最悪で最も悲痛な帰結をもたらしてしまった。その痛みが少しでも癒える時、救済される時はソンジャがまた4人の家族の結びつきを確信出来た時で、最後に救われる思いがした。我が子として抱きしめてきた息子たちのうち、先に逝ったひとりを漸く魂の深いところで解り抱きしめることが出来た結びつきという救いのカタルシス、浄化で。ソンジャのように何も持っていない女性、無力で非力であってもハンスの引力に引っ張られても影に抗おうとし続けるソンジャの気高い自尊心、ソンジャの真摯な勁さが心の中で家族をまた結びつけ永遠に心の中に取り戻したのかもしれない。信仰に依らず、力によらず、血によらずソンジャの心の中でしっかり結びついた家族の余韻が響く。三代の男たちの、地を這うような生存から上昇へ、そして排除のサイクルのサーガと、ひとりの女性に最後に訪れた安息、が陰陽のように交差し並走した余白ある文学だった。移民国家アメリカのアジア系移民作家として移民の視点による、普遍的な移民の物語、の一方で19世紀20世紀の帝国主義、侵略と搾取の構造の中で外地から内地へ渡って生き延びようとした人々の圧倒的な差別と偏見、非対称性に篭絡され埋没しそうになる痛みと声を掬い上げる物語と、両者のあわいで息づいたソンジャの魂の到達点、カタルシスを描いた文学的香気。同化せずに落下せずにもがきながら異邦人・周縁者として生き抜いた魂の光と輝き。その3つの視点が絡み合うような文学性がドラマ化に際しては通俗的表面的な描写になり過ぎないように...と希いつつ。なお、小説の中に「いい日本人」も出てくるが彼らのほとんどが在日コリアン同様社会のマイノリティ、はみ出し者であった。障害のある息子を抱え縫製会社を経営するシングルマザーや性的マイノリティである男性、離婚し家を追い出され一人で生きている女性など。現実とそう変わりはないのだろう、という感慨。与党政治家が隣国を不当にバッシングし、政官マスコミも犬笛の音頭を取っているのが現実だから。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Jul 31, 2020
閲覧総数 298
8
シン・サンオク(申相玉)監督が製作した『空爆作戦命令 赤いマフラー/빨간 마후라/The Red Muffler』(1964年)のリメイク。戦後間もない時代に高速で飛ぶ戦闘機をみごとにカメラでとらえた空軍アクション映画はアジアのみならず世界的にもまだめずらしく、当時非常な人気を博していたそう(日本では1966年に公開)。台湾の蒋経国総統が同じような映画を作ってほしいと監督に依頼するほどだったとか。あらすじ戦闘操縦士の特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」の最年少エース・テフン(Rain/ピ/チョン・ジフン)は公開航空ショーで禁止されているゼロノードを敢行しブラックイーグルスをクビになってしまう。第21戦闘飛行隊に移籍させられたテフンは「トップガン」と呼ばれるチョルヒ(ユ・ジュンサン)とは対立するも、先輩テソ(キム・ソンス)同期ユジン(イ・ハナ)後輩ソッキョン(イ・ジョンソク)気になる整備士セヨン(シン・セギョン)らに囲まれた新しい環境に適応していった。ある日、亡命帰順を装った北朝鮮の戦闘機がソウル市内に侵入、テフンたちとの予期せぬ交戦をきっかけに南北間は不穏な空気に包まれはじめる...『R2B:リターン・トゥ・ベース/R2B 알투비:리턴투베이스/Soar into the Sun』。『マイ・ボス マイ・ヒーロー2 リターンズ/투사부일체/Two師父一体』のキム・ドンウォン監督作品。R2B, Return to Baseは軍用語で映画の中の作戦名。「無事帰還」を意味する。生きて帰ってこい、生還しろ、という命令は同時に生死紙一重の困難な作戦を示唆する。現在の朝鮮半島情勢や東アジア情勢と重ね合わせて観て興味深かった。『赤いマフラー』製作当時とは異なり現在はステルス機もあれば超音速の戦闘機が登場し、韓国北部に位置するソウルは現代の超音速戦闘機の速度をもってすれば38度線、南北分断の国境を越えて一瞬のうちに易々と首都に到達し得るという現実。ソウル市上空(汝矣島近辺)を超音速で交戦する映像を観て首都と国境の地理的物理的距離の近さをそのスピード感でリアルに体感した。特に、オフィスの入った高層ビルの窓ガラスを舐めるように飛行する北朝鮮の戦闘機により窓ガラスが割れ振動がオフィス内に伝わるシーンはミサイル等のリアルな爆撃攻撃とは異なる、挑発的な攻撃の描写が印象的。そういったシーンを実現したのはCGを極力抑えた空中撮影。『インセプション』や『ダークナイト』を撮影した空中撮影チームによる。子どものころ新谷かおるのマンガ「エリア88」等を読んで戦闘機・空中戦には詳しいつもりでしたが...(男らしい&男勝り!)最新性能・スペックの戦闘機F-15KとTA-50の動き、戦術、スピード感がリアル。特にふだん見ることのできない、韓国とインドネシアにしかない戦闘機TA-50 Golden Eagleの姿。 高度7,500mから13,000mでの空中撮影によるリアルなスピード感にはなかなか目が追いつけないけれどボラメ空中射撃大会での戦術が伏線のように後半生かされていたり、戦闘機のアクション設計もなかなか興味深かった。戦闘機、パラグライダー、TVゲームの中の戦闘機に紙飛行機...飛行のモチーフも重ねられている。『マイ・ボス マイ・ヒーロー2 リターンズ』の監督にしては人物描写があっさり、やや深みが足りない気もする。あの作品の人情味やおかしみ、ユーモアを愛していたので...アクションがメインの今作はその点やや物足りない気もするが...(特別出演のオ・ダルスはただそこにいるだけでおかしみ・ユーモラスさを醸し出しているけれど!オ・ダルスだいすき!)物語の展開上北朝鮮の内情、事件発生の背景や韓米安保のバックグラウンド等の詳細説明は省かれているが...日米安保から類推しても休戦状態で日米安保よりもっと切実な韓米安保、核の傘、核兵器の危険等考慮すれば...緊迫した一触即発の事態はこの映画の描写で察することができるだろう。これまでも多くの韓国映画たとえばポン・ジュノ『殺人の追憶』やチャン・ジンの『グッドモーニング・プレジデント』でも感じた韓米(安保)関係というバックグラウンドが想起される。韓米安保のみならず東アジア全体あるいは太平洋環で考えても米国や米軍が朝鮮半島の有事に安保の視点から口を出して来るのは現在の情勢では避けられない。避けられないながらも...軍というシステム維持のための規律、さらに韓国軍をも包含するもっと大きな韓米安保、東アジア・太平洋安保というシステム、韓国の独立国家としての自主自律、朝鮮戦争という国土の大半が焦土と化した経験を経てのこの土地を二度と戦場にはしないという平和への希求に加えて敵地に残された兵(3歳の時に両親に捨てられたという経歴を持つ)を見捨てない、救助するという人道的観点...これらすべての鬩ぎあいの中隘路の中あらゆる制約の中、せめぎあいをまさに戦闘機F-15KやTA-50で戦略的にすり抜け潜り抜けるようにして得た苦渋の選択、究極の選択、平和的解決法、平和を目指す作戦は...『赤いマフラー』でシン・サンオク監督が提示した平和への希求とまさに共鳴する。最終的には空から地へ向けた平和に収束する。その意味で有事において平和を最優先する選択は朝鮮戦争開戦60年たった今も、『赤いマフラー』製作当時も相違はない、変わっていない。音速娯楽アクションでありながら戦争で国土のほとんどが焦土と化し、家族が離散した韓国人だからこそ心の底から抱ける平和への切なる思いがこのリメイク作品でも引き継がれていると言える。アジアでこのような大規模な空撮を含め空軍の協力も得たリアルな作品は製作がなかなかむずかしそうで製作できる国は限られそう。今後アジアでは中国のような大国ならこのような戦闘機アクションを製作できる可能性は大だけれど(もし軍事機密等の壁を乗り越えられれば)...映画製作に空軍が協力でき、且つ38度線で対峙する休戦状態というリアルな情勢、リアリティがあって製作できるのは現時点では韓国くらい。と、アジアの中における、映画製作における今作品の位置や位置付けにも思い至った。俳優陣の競演がなかなか楽しい。Rain/ピのドラマ「逃亡者 PLAN B」のキャラクターをも髣髴とさせるやんちゃな人物像、ピはこういった奔放でやんちゃな役がほんとうに似合っている。ホン・サンス『3人のアンヌ』でライフセイバーだったユ・ジュンサンは今回もトップレス。ソン・ガンホと共演『青い塩』のシン・セギョンはツンデレ・キャラが愛らしい。そして大人気ドラマ「シークレット・ガーデン」に出演したイ・ジョンソク、イ・ハナ、キム・ソンス。特別出演オ・ダルス、チョン・ソンハ、「烏鵲橋の兄弟たち」チョン・ソグォンなど。K-Pop的には...だいすきなM.I.B.のHipHop曲もタイミングよくつかわれ、ノリがよく気に入った♪今年は北朝鮮がストーリーにからんだ映画を観る機会が多かった気がする。『外事警察』に釜山国際映画祭で『キム・トンムは空を飛ぶ』、最近は『黄金を抱いて翔べ』など。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Dec 4, 2012
閲覧総数 658
9
時代設定も丙子胡乱 병자호란(1636年~1637年)以降、主演も同じユ・スンホでユ・スンホ主演の前作キム・デスン監督『朝鮮魔術師 조선마술사 The Magician』(2015年)と共通するところもあるのかしら、と思って観たところ素材も視点も異なっていて興味深かった。(最後の行にもう一つ違うところを...w)(ちなみに、『最終兵器 弓(神弓) 최종병기 활 War of the Arrows』も丙子胡乱の頃)あらすじ鶏を鳳凰と偽ったことから鳳の(鳳伊)キム・イノン/ソンダル(ユ・スンホ)と呼ばれるようになった稀代の詐欺師は人間の盾にされた異国での戦いの地から帰国後現地で知り合った、ポウォン(コ・チャンソク)、ユン菩薩(ラ・ミラン)、キョン(シウミン)と詐欺を繰り広げていた。今度の大きなヤマは大同江(川)を買わせること。それも、異国に自分たちを売った悪徳ソン大領(チョ・ジェヒョン)に。果たして首尾は...ヨン・ウジンジョン・ソクホ(ドラマ「ミセン」でアン・ヨンイの上司だった...)ソ・イェジ共演パク・デミン監督『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち봉이 김선달 Seondal:The Man who Sells the River』(2016年)(以下、映画の核心に触れる部分もございます)人間の盾にされた、という地獄から偶々無事生き残った、生還した生だからおまけの生、余生で(詐欺を)楽しんで生きようという生き方が半島らしくアウトサイダーゆえの「ノラボセ/ノルジャ」精神があって興味深かった。原作は一度映画化されている*同名の説話。三大義賊 ホン・ギルドン洪吉童、林巨正、張吉山ほど有名ではないものの...なかなか痛快な義賊活劇が第一印象。アクションはそれほど派手ではないものの、大同江が「商品」というはったり、大向こうゆえの川沿いアクション、川下りや木造のダムによるアクションが特徴的。(最近の時代劇で水を大胆につかったアクションは暴走巨大水車のアクション『パイレーツ 해적:바다로 간 산적(原題:海賊:海へ行った山賊)』)また、三眼銃(この時代は3発しか撃てない銃があったのか...)による効果的!?現代的活用によるアクションも。(ちょっと怖かった)深読みすれば王や政府より、莫大な富や資産を持つもの(映画の中ではソン大領)が国を支配する、支配しようとする構図、その肥大化した欲望は最近の例では納税を免れながら莫大な資産を蓄えもしたトランプがついに大統領に就任し巨大な権力を握ってしまった事態にもぴったり符号する。「金のある私が国を動かす}(ううっ、トランプみたい)「法を変えればよい」現代の世界がリアルに直面している問題、今そこにあり、可視化された危機、その帰結による(ビフが支配するような)暗黒の世界の可能性を示唆する構図にもなっていて、相変わらず韓国の史劇は時代精神と批評性を備えているようで興味深かった。(実際のところはわからないが...国政壟断、大統領が弾劾されている状況でも三代にわたってトップが逮捕を免れているサムソン Samsung王国の君臨ぶりも想起)詐欺師-ほら吹きの連想連鎖でほら吹き男爵の冒険(ミュンヒハウゼン男爵)も想起。(以前観たメリエス版)ホラのスケール、詐欺のスケールが大きく、ファンタジー感はどこか共通する。一方、原作の説話によるとソンダル(イノン)は文科武科共科挙に合格している文武両道の秀才ではあるが未だ任用されていない、官職を得ていない、才能を持て余しているようなモラトリアムな人材。そのような状態の人をソンダル 선달(先達)と呼んでいたそう。(ソンダルはコンダル 건달からの派生かも...コンダルは仏教用語건달바(乾達婆)が語源)(恐らく20世紀から21世紀には건달 => 선달 => からの連想、派生でパンダル 반달という語も作られたかも...)「大学は出たけれど」的、就職出来ない優秀な学生たち少し前に韓国で作られた言葉「剰余人間」も思い出させる、やはりアウトサイダーな存在。時代を超え、現代人も共感する不安定で不確かな存在でもあるかも(深読みすれば)。そんなアウトサイダー的アンチヒーローが活躍する時代劇アクションは王女、姫を中国に送らなければならない事態、丙子胡乱の頃を中心に明から清への移行期の戦乱と混乱の影響を受けている時代設定。例えば今作に描かれているような「人間の盾」として明と清の間に立たされ遠方の地で死んでいった無名の人々の哀しみと彼らへの思いも余韻を残す。特に、詐欺で得たお金で拉致され連れて行かれたまま戻って来られない人々、百姓らを故郷に帰したい!というキョンのまっすぐな希いと信義は無名の人々の声なき声、望郷の念を伝え置いて行かれた人々、彼らの想いを掬い寄り添った広い懐による人間性のスケール、その普遍性を忍ばせてもいた。やはり、男の義理も描かれ時代精神をよく表してもいた。最近の韓国映画に多い(史劇にも多い)、時代精神と義理が表れ通底もしている。ねずみ小僧、義賊のように持たざる者に与え、悪を挫く義理のある映画。また、表面によく表れている、ソンダル、ボウォン、キョン、ユン菩薩らの義理と友情、仲間の固い絆、バディ関係の一方で従来の時代劇よりはかなりくだけた、近づきやすい雰囲気の王・孝宗ともバディ関係があったことがクライマックスで明らかになる。表面と裏側の二重バディで大同江詐欺を成功させ、悪を滅ぼしていた、というファンタジックなカタルシスはやはり、どこか説話らしさがあった。EXOペンにとっては童顔長男なシウミン(ナムジャペンもいる!)の、ユ・スンホより3歳年上にもかかわらず弟キャラ炸裂!純粋な末っ子っぽ演技に注目。ソ・イェジが初々しい美貌とはうらはらな低音ボイスのアンビバレントな姿で目を引いた。可愛いだけのヒロインではない、芯の強さがその声に表れているよう...(リトル・スエの趣)全州扇研究所のクレジットが。イノンとキョンがくるくる回していた扇は韓紙で有名な全州産なのですね、きっと。余談ですが焙ったカレトック가래떡とキムチとマッコリの組み合わせが美味しそう(๑´ڡ`๑) 京都でも酸味のあるすぐき漬けをお餅といっしょにいただくそうで餅と乳酸菌で発酵した漬物の組み合わせ、食べ合わせが日韓共通もするよう...閑話休題。*1957年、ハン・ホンヨル監督による『鳳伊 金先達』は金綺泳、兪賢穆、申相玉監督らの数々の作品に出演した1960年代の名優、「韓国の父親」キム・スンホとシン・サンオク映画でおなじみチェ・ナミョン主演。観たい!似たような時代設定の『朝鮮魔術師』の中のユ・スンホとの相違は女装!女装すると、はっきりした眉がエキゾチックな美女に見えなかなか...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Jan 21, 2017
閲覧総数 408
10
진정한 ガールクラッシュ。Megan Thee Stallion & Dua Lipa(デュア・リパ とミーガン・ジー・スタリオン)の「Sweetest Pie」曲がPopでよく出来ている、Dua LipaのボーカルからMeganのラップに渡していくフローがスムースで心地良い。その音楽的調和や穏やかさを(挑発的な歌詞は別として)波立てるのがシュール過ぎるMV。Dave Meyers監督。Meganのアイデア、コンセプトらしく「ヘンゼルとグレーテル Hansel and Gretel」からインスピレーションを受けたそう。オチが強烈。VFX は『ブレードランナー 2049』や『スノーピアサー』、『Army of Thieves(ザック・スナイダー監督『アーミー・オブ・ザ・デッド Army of the Dead』のスピンオフ、前日譚的な)』などを手がけたチェコの会社UPP。Doja Cat featuring SZAの「Kiss Me More」のようなフィーメール・ラッパーとシンガーのコラボ、女性ツートップのコラボ曲の系譜かもしれないが(トレンド?)MVは「Sweetest Pie」の方が傷つかない。「Kiss Me More」はアジア系らしきWarren FuがMV監督、韓国とイタリアのダブルのAlex LandiがMVに出演している。スティーヴン・ユァンあたりからアジア系男性も注目され、ジョン・チョーを主演に~というムーブメントも#OscarsSoWhite のカウンターとしてあったが、アジア系男性をクローズアップしたMVはこれまであまりなかったかも。ただ、喜ぶのは早い?と思うのはその男性の扱われ方から。最後に△△されてしまうからかもしれない。「Sweetest Pie」にはそこまでの後味の悪さはない。「ヘンゼルとグレーテル」が前提、ベースとしてあり、白人っぽい一人とアフリカ系の一人、計二人の男性がメーガンとデュア・リパに対峙する設定でアジア系がスケープゴート的には扱われていないから。そう見えてしまうのは、自分がアジア系だからだろうか...見る人のエスニシティによるかもしれないが。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Mar 11, 2022
閲覧総数 170
11
パレスチナについて日々考えている。ICJ国際司法裁判所における審査(現在は、イスラエルが不法にパレスチナを占領していること、東エルサレムも含む、について提訴された件の公聴会進行中)も見逃せないが、国連安保理でアルジェリアが提案した即時停戦案はまたしても米国の拒否権行使(英国は棄権)により可決出来なかった。怒り心頭。醜悪なセトラーコロニアリズムの権化たち。以前から書いて来てもいるが国連の非植民地宣言に反対していたのは米英イスラエルのみ。セトラーコロニアリズムを告発する一端でもあるスコセッシ監督『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン Killers of the Flower Moon』にはアカデミー賞を取ってもらいたいと思ったりも。そんな中、過去記事『黒い司祭たち』へのアクセスがあり...チャン・ジェヒョン 장재현監督チェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョン主演映画『파묘(破墓) Exhuma』が韓国で公開され3日間で100万人動員、公開4日目に観客数200万人突破、となかなか好評らしい。2014年韓国で、チャン・ジェヒョン監督『12번째 보조사제』を観て、主に軍隊内の暴力の側面からそして韓国映画の中のキリスト教をさまざまな位相から書いていた。約10年前、この短編を観て、について、と書いていたが新作はどうなのだろう...キム・ユンソク、カン・ドンウォン主演で長編化された『검은 사제들(プリースト 悪魔を葬る者) The Priests』レビューナ・ホンジン監督『곡성(哭声)』は、また別の方向性。公開当時、一休宗純の「釈迦といふ いたづらものが世にいでて おほくの人をまよはすかな」を引いて神・宗教が誕生した後の人類、人間世界(の混乱)を描いているよう、と形而上学的にもいろいろ考えさせられたが...『파묘(破墓)』は歴史的文脈にも接続しそうで興味深い。京都大学公開セミナー「人文学の死――ガザのジェノサイドと近代500年のヨーロッパの植民地主義」が非常に勉強になった。その中に、「反植民地闘争は当然激しくなる。だが植民地主義は、その比較にならぬほど苛烈で醜く、長期におよび残虐である。だが人は前者の苛烈さばかりに目を奪われ、この長期の暴力について無関心になりやすい」、とあった。上記セミナーでは日本の植民地主義についても言及された。満州国に行った「開拓民」日本人が見たのはきれいな田畑だったという。すでに誰かが汗水たらして切り拓いた田んぼがあったのだ。そこに先にいたのは日本による植民地化で土地も奪われ押し出されディアスポラとなった朝鮮人、あるいは前から住んでいた中国人。彼らが開拓した土地に彼らを追い出して日本人が入植しながら彼らを「土匪」「共匪」とレッテル貼りし、反植民地闘争を弾圧もしていた。イスラエルがしてきたこと、現在の民族浄化とも繋がる話で、キム・ナムギル主演ドラマ「도적: 칼의 소리(剣の詩) Song of the Bandits」などの時代背景にもつながる。当時、関東大震災以前に満州地域など朝鮮半島の外でも日本による朝鮮人虐殺があったのは植民地主義やレイシズムによる苛烈で残虐な暴力だった。ということも念頭において映画を観るのがよいのかも...?と先回り深読みして思ったり。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Feb 22, 2024
閲覧総数 157
12
第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(Van Cliburn International Piano Competition / 반 클라이번 국제 피아노 콩쿠르)。その60年の歴史で最年少金メダル受賞者(優勝)となった韓国のイム・ユンチャン 임윤찬がボストン響 Boston Symphony Orchestraと初共演。ラフマニノフ!「ピアノ協奏曲第3番 二短調 作品30Rachmaninoff's Piano Concerto No. 3」米地元ラジオで中継もしていたようだが、そのもようはラジオ局のサイトなどで後から聴くことが出来、耳福。ヴァン・クライバーンのセミファイナルではリストの「超絶技巧練習曲 Études d'exécution transcendante」を繊細且つ完璧に弾き上げていたイム・ユンチャン。ラフマニノフも素晴らしかった。観客の反応も熱すぎた。ラフマニノフは「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」ももちろん良き、完璧すぎる。以前観た韓国ミュージカル「라흐마니노프(Рахманинов)」よく出来ていた。「交響曲第1番」を完成させ、初演後の葛藤を描くストーリー。아이유 IUや(여자)아이들 (G)I-DLE、伽倻琴の演奏会など最近いい音楽をたくさん聴いている日々かも...。1月4年ぶりのスタジオ・アルバムが発表されたGreen Day「The American Dream Is Killing Me」の格差社会、トランプらが深めた分断なども盛り込まれた歌詞はリアル、全世界で普遍的な新自由主義経済の限界、格差ディストピアが荒々しく伝わるが、曲調はどこかUKぽくポップで(ビートルズみ)ハードな歌詞とギャップあり...と思っていたら英国のフォークの香りクリスマス・キャロル「The First Noel」を参照しているらしい...なるほど!to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
Feb 18, 2024
閲覧総数 117
13
日比谷公園第二花壇の薔薇のまわりはスズメが集まり陽にあたりリラックスしているのが素敵だった。花より団子ならぬ薔薇より小鳥、なのでうつくしく咲くバラを見てもすぐにすずめを探してしまう。もうなくなってしまった第二花壇(バラ園)の約8年前の写真。居場所を失くし追われたすずめ、野鳥たちはどこへ...そしてガザの野鳥たちにも思いをはせる。(パレスチナの国鳥 Palestine Sunbird(Cinnyris osea), キタキフサタイヨウチョウ 巴勒斯坦花蜜鸟, タイヨウチョウはスズメ目)故郷の風景、ホームの景色の記憶を破壊する「メモリサイド」の他に75年にわたる侵略、アパルトヘイト56年に及ぶ占領16年以上もの天井のない「監獄/強制収容所」であるガザ封鎖状態そして8か月続く空爆と虐殺でガザの大学は全て消滅させられてしまった。図書館も本も焼かれ、木々も焼き尽くされて生態系も破壊され、「Epistemicide(知と文化の虐殺、個人的には、アイデンティティに纏わる知識や文化、歴史も根こそぎ破壊され消滅させられつつあるので民族浄化に等しいと考える)」「Scholasticide(学問学術の虐殺、消滅)」「Ecocide(生態系の破壊、虐殺)」も続いている状況。そんなガザでも空を見上げバードウォッチングをしている人たちがいると知った。封鎖されどこにも行けないガザの人たちはレンズやバードウォッチング用モノキュラー(単眼鏡)を入手するのにも厳しい制約があり、非常に時間がかかる。空を見上げて自由な鳥を見るとつらさも感じるという。しかし、地域の動植物相、生態系を守るためにも鳥などの観察を続けている。彼女たち、そしてすべての人たちの無事をあらためて願わずにはいられない。先日元サッカー選手エリック・カントナ Eric Cantona が朗読したマルワーン・マフール Marwan Makhoul の詩も思い出す。政治的でない詩を私が書くためには鳥の声に耳を傾けなければならない鳥の声を聴くためには戦闘機は沈黙していなければならない(拙訳)坡州の空の先にガザの空があり...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 15, 2024
閲覧総数 119
14
気が強い釜山夫人のアネクドートを思い出した...あらすじ核兵器を放棄する計画を持つ北朝鮮高官が暗殺された。その直後に謎の女性ぺク・ソリ(ハン・イェリ)が亡命を求める。諜報員チョルス(ソル・ギョング)は憤激する妻ヨンヒ(ムン・ソリ)の姿に後ろ髪を引かれながらもぺク・ソリと接触するためタイ出張へ出発したが...なぞのイケメン、ライアン(ダニエル・ヘニー)がヨンヒに接近!チョルスは国家と、そして妻を守りきることができるのか...コ・チャンソク、ラ・ミラン、チョン・インギら共演、イ・スンジュン監督第一作『ザ・スパイ シークレット・ライズ/스파이/The Spy: Undercover Operation』 (イ・スンジュン監督は『海雲台』『クイック』の助監督出身)。スパイの身分を家族に隠しながら敵と戦う姿がコミカルに描かれた『トゥルーライズ』を想起し、韓国版『トゥルーライズ』と言えるかもしれない。『トゥルーライズ/True Lies』(1994年)は元々1991年のフランス映画『La Totale』のリメイクなのでハリウッド版も韓国版もそれぞれ適度に換骨奪胎された同様の系譜の娯楽作品として楽しむことはできるだろう。(以下、作品の核心に触れる部分もございます)二重スパイ ライアンの悲哀はさらっと説明されるだけなので『007』等のような切実さや深みは感じにくいかもしれないが、秋夕(旧盆)向け娯楽映画と考えればそれも計算の上だったのかもしれない。(製作ノートによれば家族で楽しめる作品をめざしたとのこと)『007 Skyfall』などはMの「息子たち」の怨恨、恨み節が凄かったからなぁ...閑話休題。アクションはハリウッド作品より見劣りはするけれど...「IT強国」のコインの裏表も見せて、韓国人の情緒に合わせたユーモアに差異を見出す。冒頭に書いた通り釜山出身のムン・ソリが放つ、釜山訛りでまくしたてる気の強い「釜山夫人」ぶりも韓国人ウケする要素かも。CAというキレイ系職業で恐怖の釜山夫人というギャップ。過去にソル・ギョングと共演した『ペパーミント・キャンディ』や『オアシス』のイメージを覆すコミカルな演技。そして秋夕公開だからかどうか...冒頭、姑の古希祝いの準備で何百枚もジョン(煎)を焼き続ける三人の嫁たちの役割、そのシーンは既婚女性には秋夕などの名節の料理作りか子どもを産み育てることしか残されていないように、主婦としてアジュマ(おばさん)として生きることしか残されていないと暗喩しているかのよう。子どもがまだいないヨンヒにとってそれは肩身が狭い世界でもある一方で、(子どもがいない、仕事を続けているから)アジュマの世界にはまだ片足しか突っ込んでいない!宙ぶらりんな状態でもある。そんな既婚女性の揺れる女心に言及している脚本はなかなか韓国らしく。結婚して7年、女性ではなくアジュマとしてだけの人生、生活になりかけているヨンヒにもある日とつぜんライアンが近づいて来て女性としてのトキメキが生まれたり。それはヤクルトおばさんに身をやつした!?スパイ、イ・ミラン(ラ・ミラン)にとっても同じこと。ヨンヒとミラン、ライアンにときめくふたりのアジュマの姿が韓国らしい換骨奪胎だなぁとしみじみ。妻のときめきは7年目の浮気?夫にとっては国家の危機に匹敵するかもしれない妻を奪われる危機なのだが。余談だが過去に北朝鮮出身の役にキャスティングされまたキャスティングされている俳優がいるなぁと思ったりも。ハン・イェリは『ハナ~奇跡の46日間~』で北朝鮮選手の役、キム・ジョンスは『豊山犬』同様、北朝鮮高官役。(『ハナ~奇跡の46日間~』で北朝鮮選手役だったイ・ジョンソクはドラマ「ドクター異邦人」でまた北出身の役)もうひとつ余談だが、ジョニー・トー監督『毒戦』が韓国でリメイクされるニュースと共に、『寒戦』のリョン・ロクマン、サニー・ルク監督による新作『Helios 赤道(赤盗)』はジャッキー・チュン(張学友)、ニック・チョン(張家輝、『激戦』主演)、チ・ジニ、チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)が共演すると。半島の核、ウランをめぐるアクションになるそうで今作との差異がどうなっていくかに期待。今作もそうだが核や爆弾をめぐる半島での攻防は5~6カ国の貌ぶれといい、『シュリ』の頃からそう変わらないと思いつつ...未だ朝鮮戦争は終結していず、休戦状態に過ぎない現実を映画の世界にも反映するしかないのが実情か。2005年にレクチャーを聴講したブルース・カミングス/Bruce Cumingsの「朝鮮戦争論」を読みつつ考えたり...香港→韓国リメイク、韓国香港合作の波!?古くは...韓国と香港ショウブラザーズ合作(韓国と香港初合作)韓国最古の現存するカラー映画『異国情鴛/Love with an Alien』(1957年)が発見され今年韓国内で上映。アンジェラ・マオの『足台拳震九州(テコンドーが炸裂する時)』は1970年代、ゴールデン・ハーベスト社製作。ジョニー・トー製作レオン・カーフェイ、ヤムヤム主演ヤウ・ナイホイ監督『天使の眼、野獣の街/跟蹤/Eye in the Sky』のリメイク『監視者たち』(2013年)は間もなく日本でも公開。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 11, 2014
閲覧総数 260