Comments
「文藝春秋」(2024年5月号)が、元都民ファーストの会事務総長・小島敏郎氏の手記「小池都知事『元側近』の爆弾告発『私は学歴詐称疑惑の“隠蔽工作”に手を貸してしまった』」をスクープした。小池百合子都知事が2期目の選挙を控えていた2020年6月、小島氏が、小池氏の“学歴詐称工作”に、はからずも手を貸してしまったという衝撃の内容だ。『 小池百合子都知事が「学籍詐称疑惑」に対して、常に「カイロ大学は“認めております”」としか回答できないワケ 』
そのきっかけとなったのは、小池氏の半生を、膨大な資料の精査と100人を超える証言者ヘの取材で明らかにした『女帝 小池百合子』(ノンフィクション作家・石井妙子氏 著)の単行本発売(2020年5月刊)だった。
本作は22万部を超えるベストセラーとなり、エジプトでの同居人・北原百代さんの証言は、かつてないほど小池氏をうろたえさせたという。現在は文庫化されており、「文庫版のためのあとがき」には、小島氏の手記で問題となっている「カイロ大学声明」の不可解さについても触れている。この「あとがき」を全文公開する。
■実名証言に切り替えたわけ
※本書の単行本では北原百代さんは早川玲子という仮名にしていた。これは北原さんの希望であった。
北原さんが今回、実名に切り替えたいと考えを変えたのは、単行本の発表後も、メディアが小池の学歴詐称問題を取り上げようとしなかったことに大きなショックを受けたからである。「早川玲子という人物は、本当は存在していないのではないか」と疑う意見や、「実名でなければ信憑性は薄い」と批判する意見などがインターネット上にあり、そうしたものを目にして北原さんは苦悩した。また、昨今、ジャニーズ事務所の性加害報道において、被害者たちが実名で告発したことにより、大きく社会が動くのを目の当たりにし、北原さんは実名で証言したいという思いを抱くようになっていった。
石井と文藝春秋は、北原さんの身に危険が及ぶことがないかを確認した上で、北原さんの意思を尊重し、文庫化にあたって実名とした。
北原さん以外にも、今回、仮名から実名になった方が数名いる。また、人によって、別の取扱いとさせていただいた場合もある。証言者の思いを、それぞれ尊重して変更した。
※小池百合子都知事には単行本の出版時、文庫本の出版時に何度となく取材を申し込んだが、一度も応じてはもらえなかった。
PR
Keyword Search