2012/02/08
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テーマ: 社交ダンス(8747)
カテゴリ: 映画のはなし
自分の家の隣に、どんな人が住んでいるのか知っていますか?

私は今の家に越して来てもうすぐ3年になりますが、まだ誰が住んでいるのか知りません。

ダンス競技の遠征旅行で私達が留守していた間に引越して来られたようで、ベランダから光が漏れているので『誰か住んでるんだね』って分かったんです。

カレーを作りすぎたからと言っては隣近所で分け合ったり、夫婦喧嘩の仲裁にみんなが飛び込んで来るような東京下町で生まれ育った私には考えられないようなことですが、いま、マンション住まいの人には他人に干渉しないのが普通になっています。

思いやりが逆に悲しい事件に繋がることもあるんですね。

今日ご紹介する映画は、1988年に実際に起きた事件を題材にした物語です。



明(柳楽優弥)は12歳。母親(YOU)と二人で都内のあるマンションに引越してきました。しかし実際には他に3人の子供たちがいます。

それぞれ父親が違い、どうやら出生届も出していないようで、絶対に存在を知られないようにスーツケースに隠れて引越してきます。

『家から出るな』『騒ぐな』という母親の言いつけを守り、学校にも行かず、母親が仕事から帰って来るまで明が弟妹の面倒を見ていました。

みんな読み書きも出来ません。遊びたい盛りなのに外に出ることも出来ません。



そんな中、新しい恋人ができた母親が家に帰って来なくなってしまいます。

子供たちだけの生活。

最初は楽しそうでしたがやがて現金も底をつき、電気は止められ,水も出なくなって、じり貧の毎日になります。

公園で水を汲み、知り合いのコンビニの店員さんに賞味期限切れの食べ物を分けてもらう。

それでも隣近所に住む人たちは,誰もそんなことが起きていることを知らないんです。




『お母さんは勝手すぎる。いつ学校に行かしてくれるの。』

一度だけ荷物を取りに帰って来た母親が、明に責められてこう言ってました。

『学校なんか行かなくたって偉くなった人はいるでしょ。勝手すぎるのは、あんたのお父さんよ。何で私が幸せになっちゃいけないの。』

捨てられた子供たちは悲惨です。

責任を押し付けられた12歳の少年だって、本当は友達と野球をしたりゲーセンで遊んだりしたいはずです。

これは考えさせられる映画でしたね。

おせっかいも迷惑な場合が多いですが、無関心も罪になりうるのだと思いました。



『誰も知らない 』は2004年に公開された是枝裕和監督の日本映画です。

主演の柳楽優弥が2004年度のカンヌ国際映画祭において史上最年少で、そして日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで大きな話題となりました。

この他にも数々の映画祭でグランプリなどを受賞しています。

予告編はこちらからどうぞ。

誰も知らない









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Last updated  2012/02/09 08:52:13 AM
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