2019/11/23
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テーマ: 社交ダンス(8732)
カテゴリ: アートのはなし
19世紀前半のドイツやオーストリアの市民文化の流行をビーダーマイヤーというそうです。

毎週見ているTV番組『アート・ステージ・画家たちの美の饗宴』で先週取り上げられていました。

1814年のウィーン会議からはじまる王政への逆戻りを背景に、不安定な経済状況の中、市民たちの政治への絶望感がモードやインテリア、音楽や絵画といった幅広いジャンルの文化に影響したようです。

親しみやすいシューベルトの音楽や、ヴァルトミュラーの絵画などが代表的な作品といわれています。


「イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望」
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー(1840年)
リヒテンシュタイン侯爵家コレクション(ファドゥーツ/ウィーン)蔵




まるでサウンド・オブ・ミュージックみたいな絵だなと話していたら実際ここに描かれているハルシュタット湖というのはあの映画の舞台になった場所だそうです。





ヴァルトミュラーは自然観察を最重視した画家で、数十年後に始まる印象派を先取りしたような野外制作を好みました。

ウィーン美術アカデミーの教授を務めていたんですが古典的な他の教授陣とそりが合わずに辞職。

肖像画や静物画、風景画など様々な作品を残しました。


「磁器の花瓶の花、燭台、銀器」
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー(1839年)
リヒテンシュタイン侯爵家コレクション(ファドゥーツ)蔵




この絵は見覚えがあるなと思ったら、今年ウィーン遠征した時に行った美術館でたまたま 『リヒテンシュタイン王子のコレクション展』 をやっていたんですよね。

アルベルティーナ美術館の階段にデカデカとこの人のバラの絵が描かれていて、みんなその前で写真撮ってました。

いま渋谷のBunkamuraで リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 やってますのでご興味ある方はお出かけください。

番組でもう一人紹介されていたのはこちらの絵です。


「貧しき詩人」カルル・シュピッツヴェーク(1839年)ノイエ・ピナコテーク蔵




ユーモラスな絵ですね。

詩人というとゲーテやシラーを代表とするように、ドイツ・オーストリアあたりでは芸術家の頂点というイメージがあるらしいです。

それに反してここに描かれている詩人はストーブにくべる薪を買うお金もなくて使い古しの原稿を燃やして暖をとるようですし、狭い屋根裏部屋の屋根には雨漏りがあって部屋の中で傘をさして詩作に没頭しています。

ドイツ国民はみんな知ってるという有名な絵だそうです。





1848年に起こった三月革命でウィーン体制といわれる民族抑圧の専制的政治が崩壊し、ビーダーマイヤーも終わりました。

ウィーンにはその後 クリムト などの華麗な芸術が花開いていきます。








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Last updated  2019/11/24 11:05:51 AM
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