つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

2024年01月10日
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カテゴリ: アート


日本初の鳥文斎栄之の企画展。千葉市美で開催される浮
世絵展は、いつも力が入っているので楽しみです。今回
は昔の鳥居清長展、江戸のヴィーナスを思い起こすすば
らしい企画でした。



元武士である鳥文斎栄之は、やはり町衆からみたら特別
の階級で、デビュー当時から別格扱いだったこと。武士
からは身近な、また町衆からは上流階級をのぞき見する
ような好奇心から人気があったこと。栄之担当の版元西
村屋与八と歌麿担当の蔦屋重三郎とのライバル争い。鳥
居清長が浮世絵をやめて歌舞伎の看板描きに専念したあ
とに活躍したのが栄之だったこと。歌麿が寛政の改革に
反骨精神を発揮したのに対して、栄之はその出自から版
画制作をやめ、肉筆画に専念したことなど興味深い史実
も紹介されていました。


栄之の浮世絵は上品であり、他の浮世絵師に比べてモデ
ルの表情を的確につかんでいるように私には感じられて
大好きです。

今回の展覧会では、紅嫌いの作品、春画(冒頭の部分で
さほど危なくない)やボストンやロンドンからの里帰り
した摺りの状態の非常に良い美しい作品など、堪能でき
ました。

いちばんのお気に入りは、ボストン美術館の「若那初模
様 丁子屋 いそ山 きちじ たきじ」(千葉市美術館のHP
で紹介されています)花魁と禿の目元に入った朱。艶や
かで色っぽい絵に夢中になりました。

栄之の弟子たちの絵もそれぞれ見応えがあり、後期も必
ず出かけようと思いました。(1/6)



鳥高斎栄昌「郭中美人競 大文字屋内本津枝」ボストン美術館





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最終更新日  2024年01月10日 14時28分01秒
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