つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

2024年05月07日
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カテゴリ: アート


2015年に、松戸の博物館で(美術館でなく)初めて
板倉鼎が奥さんの須美子を描いた絵を見たとき、その衣
装の赤がとても素敵でそれ以来、この画家に心惹かれて
います。

松戸にゆかりのある板倉鼎・須美子夫妻はともに画家で
あり、エコール・ド・パリの時代にを発表しましたが、
夫婦共に20代の若さで早世し、埋もれた画家となって
しまいました。

鼎の絵をよく見ると、キスリングを連想するような表現
があって、生きていたらきっと藤田のようにエコール・
ド・パリの日本人を代表する画家になっていたかもしれ
ません。

今回のチラシになっている「休む赤衣の女」は亡くなる
直前の作品です。まず、目を引くのは赤い衣装。そして、
左端の花束と右端の金魚鉢。その真ん中の窓の外に広が
る海の光景。白いヨットが浮かんでいます。(須美子の
絵にも同じような光景がありました)構図がしっかり固
まっていて安定感を感じます。女の顔、どうも目の大き
さがアンバランスだと感じていたのですが、キュビズム
の影響を受け、異なる視点から描いたものだということ
が分かりました。抒情的な素敵な作品です。


板倉須美子 ベル・ホノルル24

須美子の絵もローランサンの描いたような少女の絵が
特徴です。ルソーの絵のようにも見えます。素人だった
須美子に鼎が手ほどきをしたのだそうですが、画壇では
須美子の絵の方が人気があったのだそうです。二人の早
すぎる死が惜しまれます。(5/2)





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最終更新日  2024年05月07日 12時07分59秒
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