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2019年11月15日
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カテゴリ: 空白
196:ミニ同窓会
宮瀬幸史郎から、電話があった。
――同窓会、行くだろう。
 出席するつもりはなかったので、完全に失念していた。標茶高校の同窓会は、農閑期の三月に毎年開催されている。恭二は一度も出席したことがなかった。返事を渋っている恭二に、幸史郎は告げた。
――同窓会の前日に、おれたちだけでミニ同窓会をすることに決めた。勇太も詩織も可穂も出席だ。当然、恭二もメンバーに入れてある。同窓会は欠席でも構わないが、こっちには必ず参加してくれ。

 恭二の家まで、幸史郎の車が迎えにきた。宮瀬可穂が乗っていた。詩織は、勇太の車でくるという。約束時間よりも早めに、川湯温泉ホテルに到着した。すでに詩織と勇太は、ロビーで談笑していた。
「やあ、田舎落ちの恭二、しばらくだな」
 勇太は詩織の隣りを指差し、恭二が座るなりいった。恭二は電車のなかの、クロスワード老婦人を思い出した。
「都落ちならわかるけど、田舎には落ちるべきところがないの」
 恭二も笑いながら、いい返した。そのやり取りで、あっという間に、過去と現在がつながった。
「恭二、明日の本番は、欠席なんだって?」
 詩織が問いかけてきた。
「みんなには、会いたくない。でも今日のメンバーは別だ。元気をもらいにきたよ」

 受付を済ませた幸史郎は、女性陣に鍵を渡しながらいった。
「食事は六時。部屋へ運んでもらうことにした。それまでは温泉に入るなり、のんびりと過ごしてもらいたい。おれたちは、ビールを買ってから部屋へ行く」
 詩織と可穂が姿を消したのを確認してから、幸史郎は「サプライズを用意してある」と笑ってみせた。恭二には、想像ができない。
 ビールを飲みながら、お互いの近況を語り合った。勇太はタイから酪農研修にきている、ミユさんの話をしきりとした。
「初めて雪を見て、みんな大はしゃぎだよ。タイ人は礼儀正しいし、まじめだ」

幸史郎は冬場に働けなくなる、土建業の変革について熱く語った。
「冬期間、たとえばオオバとかカイワレを栽培するなど、建築業も新たな事業を手がけるべきだ」
 しかし恭二には、語るべきことが何もなかった。





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最終更新日  2019年11月15日 04時55分29秒
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