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ジャイプールへGo!後編です。ジャイプールは、インド旅行のトライアングル都市として、デリー、アグラ(タージ・マハル)と共に観光地として有名です。また、宝石の街と言われる通り、インド国内、また近隣アジア諸国、アフリカからの宝石も集まっています。多くは原石の状態で持ち込まれ、研磨されます。そして場合により、染色処理、含浸(樹脂、ワックス、オイル)、充填(ガラス)といった技術が行われます。エメラルドの含浸処理が特に多く、それを購入する目的でバイヤーが集まってきます。ジャイプール=エメラルドと言われているそうです。エメラルドは繊細な宝石でクラックが多く、オイルや合成樹脂を使った含浸処理色でクラックが見えにくくなります。ほとんどのエメラルドはこの処理がされています。エメラルドはスリランカで産出されないので、これまでエメラルドと縁がなかった・・・・・・と言い訳しながらも、個人的にあまり好きでないんですよ・・・・エメラルド^^;きっと耐久性の低さが私としては好きではないんでしょうね・・・ごめん、エメラルド。さて、こちらはGem Testing Laboratory,Jaipurで見せてもらったイエローサファイアの含浸処理イエローサファイアは熱処理、照射処理で色を濃くする方法はあるけど、ジャイプールでこのような処理がされていたとは・・・。(ルビー、ブルーサファイアの含浸、充填処理のレポートは多いです)こちらはサンゴです。見た感じ、どちらも同じようですが・・・左側は動物の骨インド人はホロスコープを信じる人が多くイエローサファイアとサンゴがとても人気だとのこと・・・・・・・でも、サンゴだと思って動物の骨を持っていても・・・ね。また、緑色がクロムに起因するエメラルド(鉱物名ベリル)に処理を行って改善を図るのわかるのですが、透明なベリルを緑色に処理して、それをエメラルドと言うなら・・・( ̄□ ̄;)もぉ、どうする?さて、今回のラボラトリー訪問で、Mr.GaganからUNDERSTANDING ROUGH GEMSTONESという本を頂きました。サインをしてもらって、嬉しい~!遠い、ジャイプールまで行ってよかったぁ*^-^*
2014.04.26
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娘(15歳)の春休みが、旦那のデリー(インド)出張と重なったので、先週、家族でインドに行って来ました。4月のインドは猛暑ですよ~と色々な人に言われ、覚悟していたけど、湿度の高いダッカ(バングラデシュ)から行くと、乾燥している分、快適、カイテキ、風が気持ちいい=⌒▽⌒=インドは7年くらい前、スリランカに住んでいる頃に行ったので、今回はホテルでのんびり&モールで買い物(↑何しに来たの?) (↑娘の希望)デリーで唯一観光したのは、ロディ・ガーデンインド人も暑いのか、・・・・・・・カップルしかいなかった・・・・・花が咲き乱れてとても綺麗でした。実は今回のインド行きの1年くらい前から、私には、インドに行ったら会いたいと思う人がいました。宝石学のWebは色々あるのですが、その中でも「いいなぁ~」と思っているサイトwww.gem-passion.comこのサイトの著者であるMr.Gagan Choudhary に会いたい!!まぁ、同じ南アジアに住んでいるし、同じ宝石学のライン(FGA)にいるので、いつか会えるだろうと思っていたのですが、・・・・・割と早く会えた!・・・へへ、ラッキー!!v(^-^)vMr.Gaganのいる場所はデリーから約270キロ宝石トレードが行われているジャイプールその街にある鑑別機関Gem Testing Laboratoryで働いています。デリーでレンターカー(運転手付き)を借りて日帰りで往復10時間かなり強行な日帰り旅行になりました。ジャイプールに入ると、城壁がダイナミックなアンベール城(Amber Palace)7年前に来たね~、きれいだね~と、同行する娘と一緒に車の中から眺めるだけ(^o^;) 湖に浮かぶ水の宮殿7年前に来たね~、きれいだね~と、同行する娘と一緒に車の中から眺めるだけ(^o^;) なんせ、今回の目的はMr.Gaganに会う為のラボ訪問観光はゼロです。そして、Gem Testing Laboratoryに到着Mr.Gaganとお会いして、ジャイプールの宝石事情や鑑別のお話を伺いました。(↑私より、ずいぶん若いんですよね^^;)ラボラトリーも見学させてもらい鑑別機器の説明をしてもらったりと有意義なインド研修旅行となりました。(↑どこが、ホテルでのんびり~??娘はカメラ係でした。)
2014.04.19
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今回の・・・ホワイトオパール・・・・でも、宝石でもなくて、昨晩、ダッカ(バングラデシュ)に降った、ヒョウ(雹)です。バングラデシュは、現在クリケットの世界大会(World Twenty 2014)が開催されています。昨晩は準決勝で、スリランカVS西インド諸島もちろん、私はスリランカチームを応援です。*^-^*ゲーム開始から3時間ほどたって、スリランカが守備で、西インド諸島の攻めを防衛している、最高に盛り上がっている時に・・・・突風とそれから、ばりばりばり・・・・と激しい雨と一緒に雹が降ってきました。私は自宅で観戦していたのですが、その数分後には、居住する地域まで雹が窓をたたき、雷を伴う大荒れの天気試合は中断され、先行で点数を上げていたスリランカが決勝進出に決定!やったぁ~!!と、喜びと同時に、7年前のコロンボでの記憶がよみがえってきました。クリケット・ワールドカップ、オーストラリアで開催された決勝をコロンボでテレビ観戦していた時に、反政府の空爆があり(当時は内戦中)、それに対抗して地上から政府が反撃開始、地上では強制停電と応戦した爆弾(小さな)が降ってくる・・・・(それを、花火だと思って眺めていたのですが^^;)ブログ→コロンボの花火?ここでは、空から降ってくるものが雹でよかったぁ・・・さて、ここから今回の宝石です。↓ブルーサファイア(1.38ct)青色が集中している場所があります。でも正面から見ると青が全体に見えます。(ジュエリーにセットすると均一な青に見えるでしょう。)この宝石を顕微鏡で見るとスリランカ産サファイアに特徴的なシルクインクルージョン(ルチル)そのルチルが溶けかけて、はっきりした線がドットのように線状になっています。これはサファイアを加熱した時の状態です。まるで、昨日降った雹が混じった雨のよう・・・(このオチが言いたかった?^^;)昨夜の雹のおかげで、猛暑だったダッカは気温が下がり過ごしやすいです。
2014.04.04
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今回のサファイア原石を磨いただけ(非加熱)深めの青が石全体に広がっているように見えますが、顕微鏡で見ると、青が集中している部分があります。)これはカラーバンド(色帯)、カラーゾーニング(色分布)と呼ばれ、スリランカ産出のサファイアによく見かけます。この部分で鉄とチタンが頑張って電荷移動してるのでしょう。これまで宝石のインクルージョンの美しさを書いてきましたが、顕微鏡がなくても10倍ルーペでインクルージョンが撮影できる方法をご紹介します。ます用意するのは、10倍ルーペとコップその上に宝石を乗せます。普通、10倍ルーペを使う時はピンセットで宝石を固定しますが、さらにカメラを片手に持って操作するには、人間の手の数ではかなりの至難技です。そこで、私の場合、左手に持ったルーペを宝石に接近させ、眼はルーペから離します(20センチほど)(撮影でない場合は眼をレンズ接近させてインクルージョンを観察します。)カメラのレンズ(デジカメ)を10倍ルーペに重ね、ズーム調整しながらピントを合わせます。ここでマクロ撮影にしたり、オート撮影など試行錯誤しながら画像となるインクルージョンが小さくても良いので、ピントだけしっかり合わせます。フラッシュは不要です。さて、これだけでも良いのですが、顕微鏡と似た環境にする為に照明を使います。宝石を透過させる光を作るのですが、このままでは眩しすぎ、カメラで撮影した時に逆光になってしまいます。あ~ぁ、残念。そこで、ティシュ1枚を照明の上に置いて光を拡散させます。トーチの場合、光と宝石の距離が近いので、コップの底の厚みやティシュの枚数を調整して下さい。宝石の顕微鏡は暗視野照明を使い、斜め下からの光を石に当てるのですが、コップの方法は明視野照明(透過光)となり、このサファイアのようなカラーゾーニング、透明なインクルージョン(鉱物)の観察に向いています。上の方法で撮影した写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・を、撮影した後にカメラ機能でズームします。六角形した青の色帯が美しい~!!!タイトルは、青い雪の結晶・・・・で、どうでしょう?照明の光で目を傷めないようにお気をつけください。カメラのズーム機能がよければ、ルーペ無でもインクルージョンが撮影できるかもしれません^^;
2014.03.20
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昨年末、日本に一時帰国していたのですが、毎年のことながら寒くて、寒くて・・・・暖かい飲み物ばかり飲んでいました。コチラ季節外れの簾のようですが、寒い季節には紅茶に入れて飲むのがお薦めです。スリランカでは、このように幹や枝のような状態から樹皮をとり乾燥させます。そして、樹皮を重ねて、15センチ程度に切り・・・この写真でわかった?はい、シナモンです。シナモンはスリランカを代表するスパイスで、近隣諸国と比べてもカレーにたくさん入れます。シナモンは毛細血管の血行を促進するので、手足が冷える時や風邪の引き始めにはシナモンティーを頂きます。(でもスリランカでは紅茶にシナモンは一般的ではないです。)剥がされた幹や枝は、料理の時の薪に使われます。シナモンの木で炊いたご飯やカレーは、ガスでは味わえない美味しさです。(ホント、美味しかった!)さて、そのシナモンから由来する宝石があります。スリランカ人の間でシナモンストーンと呼ばれる、ヘソナイト・ガーネット宝石学的にはグロシュラー・ガーネットという種類です。一昨年、ブログを読んで下さった方から、ヘソナイトガーネットのご依頼がありました。ヘソナイトは、インクルージョンが多く透明感のないものが多いのですが、明るめのオレンジのヘソナイトご希望ということで、上記の写真を含めて、透明感のある8石ご用意しました。(実は、これまでガーネットはピンク系ばかり買付していたので、スリランカでこの色のヘソナイトを勉強用以外で購入したのは初めてでした^^;)明るめのオレンジ色のガーネットと言えば、スペッサータイン・ガーネットがあります。化学組成のの主成分のひとつがマンガンで、この部分がカルシウムになるとヘソナイト(グロシュラー)です。でも、見た目で、マンガンもカルシウムもわからないので、鑑別の手がかりとしては、インクルージョンの確認と屈折率を測ります。(ぱっと見た感じではスペッサータインの方が明るいです)屈折率はヘソナイトが1.73から1.76、スペッサータインは屈折率が高く1.79から1.82なので、屈折液(1.80)より高い場合はネガティブ・リーディング(測定不可)になります。顕微鏡でのぞくと・・・スタッビイ(切り株)インクルージョン(コランダムやスピネルなどの宝石にも存在しますが、ヘソナイトに多いです。 写真が小さくてすみません^^;)ヘソナイトの特徴的なインクルージョンとして、糖蜜状組織(アイスティにシロップを流したような状態)がありますが、コチラ、かなり面白すぎる~!今年最初のブログです。どうぞ2014年も宜しくお願いします。宝石のインクルージョンの世界を今年もたくさんご案内できればと思います。
2014.01.13
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ピンクレディに変身!の後編です。こちらラベンダーカラーのスピネル(光源を変えるとピンクぽい色に見えます。)インクルージョンを見るとアパタイトの結晶が確認できます。アパタイトは六角晶系なので、顕微鏡をのぞいて、六角柱状に惚れ惚れする時があります (///∇//) アパタイトはスリランカで産出されるサファイアにもよく見かけるインクルージョン(結晶鉱物)です。加熱されると溶けたような状態になる為、拡大検査時の非加熱鑑別の手がかりになります。(低温加熱の場合、変化のない場合があるので注意が必要です)サファイアに存在するアパタイトの結晶PHOTOATLASよりこちら、おそらく形からカルサイト(ピンとがどうしても合わなくて・・・右上の小さい二つです)カルサイトは三方晶系ですが、 平行四辺形の形をしたインクルージョンが多いです。(PHOTOATLASより)このピンクレディたち、色の変化だけでなく、内面の美しさも披露してくれました。ありがとう:*:・( ̄∀ ̄)・:*: ブログの更新が遅れてしまいました。今月はスリランカに行ってきたので、次回はそのお話を書きますね。のんびりした更新になっていますが、どうぞよろしくお願いします。
2013.10.24
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大好きなスピネルの中でもとても好きな色はラベンダー・カラーです。控え目だけど凛とした感じでしょうか*^-^*こちらの2石のスピネルは、今年の6月にベルワラで買いつけたものです。自然光では、青味がかった淡い紫色、まさにラベンダーの様相に魅かれました。そしてこの日中の色に満足していたのです・・・が、ある夜、ふっと見たら、ありゃー!ピンクぽくなってる!!!ピンクっぽい紫色に・・・・(((( ;°Д°)))) ・・・・ピンクの発色はクロムに起因します。青色は鉄が起因なので、赤紫やピンクがかった紫の場合、鉄とクロム混在しています。光源の種類で色が違って見える、アレクサンドライトのような変色効果になっています。(なかなか写真でピンクぽさが再現できません。白熱灯下では淡いピンク紫です。)このような色合いのカラーチェンジ・スピネルは初めてだったので、これってどういうこと???( ̄□ ̄;)そういう時って、過去に読んでいたけど、記憶に残っていなかった記事がばぁ~っと目に留まるのですよね。Gem-A(英国宝石学協会)の宝石学のジャーナルに(The Journal of Gemmology 2012 Vol33 Nos.1/4)タジギスタンパミール高原 ゴロン河中学生の頃に覚えた高原の地名で、すっかりその存在を忘れていたけど、宝石の産地だったのですね。このゴロン河近くで産出されるスピネルに青紫ーピンク紫の変色効果があると書かれています。(希少ですが、タンザニア、スリランカ、マダガスカルでも産出されるとも書かれています。)電子顕微分析では、(The Journal of Gemmology 2012 Vol33 Nos.1/4)スピネルの主体である酸化アルミニウムと酸化マグネシウムと色の要因となる不純物として、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化マンガン・・・・、中学の頃は苦手だったけど、ヾ(。`Д´。)ノ 宝石学始めてから元素や化学式も身近な存在になってきました・・・ ̄ー ̄;でも私が入手したスピネルがタジギスタン産ではないでしょう。データーでは、タジギスタン産スピネルの屈折率は1.730から1.734とありますが、この2石のスピネルは屈折率が1.712と1.719スリランカ産(その他)スピネルの範囲です。でも、パミール高原ってどんな場所なんだろう~?このスピネルを見ながら、思いを巡らすのも楽しいですね。
2013.09.20
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ネパール、ポカラはトレッキングで人気の観光都市です。標高8,000メートルを超えるヒマラヤ山脈を町から見ることができます。そんな観光地にある宝石店なので、観光客が即決できるような値段の手頃なものが主流で、グレードの高い宝石は置いてないだろうなぁ・・・、と思って、購入したコチラ↓お店の人はペリドットと言うけど、ぱっと見た感じではクリソベリルぽい・・・・・・けど、なんか、違う?そこで、提示された値段の7分の1、自分が騙されても笑っていられる値段で購入。(これまでのスリランカの体験が活かされますね^^;)帰国して、まずは、顕微鏡の拡大検査(10倍ルーペでも可能です)ガードル部分にクラック(欠け)があります。→硬度の低いか、単価が安くて雑な扱いを受けたか・・・テーブル面の研磨の交差点が合っていなくて、適当に研磨をした感じです。→大量に採掘される宝石か合成か、CZ(キュービックジルコニア)か・・・光を当てると反射が強くギラギラした感じ→ガラスのような反射、CZのような輝き偏光器で調べてみると見事なAnomolouse Extinction→ガラスかCZ?屈折計では、Negative Reading(屈折液より屈折率が高い)→ガラスかCZ?おそらくCZだと思いますが、どちらも天然ではないので、ヒマラヤとは関係がないですね・・・ははは・・・あ~ぁ。それより、関心を持ったのは、娘が購入したコチラの石↓何だかわかりますか~?行ったお店はお土産屋さんぽかったので、このようなオチがついてしまいましたが、ネパール産の宝石を扱っている宝石店もあると思います。
2013.04.27
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暑い季節のダッカ(バングラデシュ)から、飛行機で2時間飛ぶと・・・世界の屋根と呼ばれるヒマラヤ山脈のあるネパールへこのヒマラヤ山脈の水が、ガンジス川を通ってバングラデシュのデルタ地帯を作っていると思うと壮大なヒマラヤに親近感を持ってしまいます(*⌒∇⌒*) (バングラと言えば洪水のイメージがありますが、このガンジスの水のお蔭で肥沃な土地になり、水田や農業が盛んです。)今回は仕事ではなく家族旅行だったのですが、滞在していたポカラにもたくさんの宝石店お土産店の宝石コーナーを見かけました。スリランカでもネパール産カイヤナイトをいくつか購入したことがあるけど、宝石産地としては、上質なものや産出量はあまりないと思っていたので、あまり期待もせずにたまたま寄ったお店で、並べられた宝石を見ると・・・・・・・・・やっぱり・・・・期待してない通り・・・ (↑この表現でいいのか?)その中で、ペリドットとお店の人は言うけど、絶対にペリドットではないだろうと思われるコチラ↓どちらかと言うと人工的な感じですが、それが何かを知りたくて、ひとつ購入しました。お店の人が、ネパールは宝石の産地だから・・・と、産地マップを見せてくれました。どちかと言うと並べられた宝石以上にこちらの地図に食指が^^;帰国して、ネットを調べると、Ministry of Industry(ネパール政府)のページを発見~!宝石産地の場所が説明されていました。第一鉱床なので、良質な結晶が発見されると思うのですが、標高が高いため、採掘は過酷なようです。もっと、もっと、転がって、河を流れて、・・・・バングラまで届いたらいいのに・・・ :*:・( ̄∀ ̄)・:*: (↑それは無理!)さて、購入したコチラの宝石↓1.5ct, 6mm round次回のブログで検証しますね^-^
2013.04.18
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宝石の鑑別のひとつに屈折率を測る方法があります。空気中を進む光の速度と宝石に入った光の速度は違う為、その比率が屈折率になります。屈折率は宝石ごとに違うので、それを調べることで区別することができます。しかし、屈折計で使用する屈折液は人体に危険な薬品の為、宝石を鑑別する時は、まずは顕微鏡で拡大検査して、なるべく屈折計は使用しないようにしているのですが、それでも、最終的な鑑別には屈折計をきちんと測らなければなりません。これまで屈折計はひとつしか持っていないので、国を移動(帰省)する度、持ち運んでいたのだけど、屈折液をあまり動かしたくないので、もうひとつ購入することにしました。先月、バンコクを経由したので、いつも行くシーロムにある宝石関連機器のお店へお店に入ると、ちょうど年配の欧米人の女性が、デジタル式の屈折計を確かめていました。デジタル式は、屈折液なしで、宝石を置くだけで、屈折率が表示されます。彼女はタイ人のディーラーと一緒に、ブルーサファイアを調べていたのですが、その数字が、1.742・・・・・・・・これって、サファイアの屈折率1.76-1.77からかけ離れています・・・・そこで、私もかなりおせっかいというか、興味津々丸出しで、 ちょっとやらせて下さい~ (^▽^;)サファイアの表面の汚れをクロスでふき取って、何度調べても、サファイアの屈折率ではありません。調べている宝石はサファイアに間違いないのですが、念の為、私が購入しようと思っていた、オーソドックスなタイプで調べると、1.764,複屈折、きちんとサファイアの屈折率です。それを見ていた、欧米人のおばちゃんは、私もそっちのデジタルじゃない方を買うから、使い方を教えてということになり、はい、店頭で使い方説明。 複屈折の仕組みまではうまく伝えられなかったのですが、鑑別する宝石はサファイアかそうでないかなので、サファイアの場合の数値の動きだけ説明しました。↑かなり得意げに説明してたと思う・・・ワタクシγ(▽´ )ツお店側には、二人が買うのだから、安くしてもらうようにお願いして、それぞれ500バーツ引き。 あは、ラッキー! (=⌒▽⌒=) そのお金で、帰り道、シーロム・ビレッジで、タイマッサージを満喫しました。デジタル式の屈折計を使われている方がいらっしゃたら、どうして数値が違うのか、何かコツがあったら教えてください^-^。
2013.04.06
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前回のPink Magic!続編です。以前、心躍る色の組み合わせで、パープルとピンクのスピネルを紹介しましたが、(その時のブログ→パープル・ピンク)昨年10月にスリランカで買い付けたパープル(1.78ct)とピンクのサファイア(1.48ct)左のパープルに、ライトをあてると・・・はい、お見事!↓ピンクに変身です~それに、一本気な性格らしく、↓Tube-like inclusionまっすぐ伸びた、空洞の針状のインクルージョン(似たインクルージョンWEB→GIAレポート、かなり見ごたえあります)ピンクサファイアの色の起因はクロムによるものです。このクロムの量がもっと多ければ、ルビーの赤になるのですが、ここに、青の色の要因(鉄とチタンの電荷移動)でもあるチタンが含まれた為に赤紫(パープル)色になります。つまり、サファイアの紫(パープル・バイオレット)は、鉄とチタンの電荷移動と三価クロムの配位多面構造という仕組みによるものです。(配位多面構造・・・・何?難しそうで頑張ってる感じ?^^;)部屋の中の暗めな自然光では、少し青味がかったバイオレットにも見えますね。子供の頃に紫色を作るのに赤と青を混ぜ、混ぜる割合で微妙に色が変わってくる、そんな色作りに夢中になった頃を思い出しました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
2013.02.20
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アスベスト(石綿)は、飛来した繊維を大量に吸い込むと健康被害が出ると言われ、あまりイメージが良くない鉱物ですが、そのアスベストが、大活躍している宝石があります。アスベストの繊維の細さは、髪の毛の5000分の1それが、宝石の中に閉じ込められると、ホーステイル(馬のしっぽ)と呼ばれる放射状のインクルージョンになります。これはデマントイドガーネットに特徴的なインクルージョンです。デマントイドは、カルシウムと鉄を含むアンドライトというガーネットグループに属します。すべてのデマントイドにこのインクルージョンがあるわけではなく、ロシアのウラル山脈のように角閃石や蛇紋岩質の産地、つまり堆積されたアスベストから発見されます。硬度が6.5とガーネットグループの中でも低い為、宝石レベルでは5mm以下、0.5ct以下のものが大半です。このホーステイルがほしくて購入した私のデマントイドも↓約4mm,0.28ctというサイズ色は明るい緑だけど、デマントイドのもうひとつの特徴、ダイアモンドのような輝きが、あまりないです・・・・ ̄ー ̄;そこで、今度は、輝き優先で探した、マダガスカル産デマントイド、約4.5mm,Total 0.81ct(淡い緑ですが、実物はもっと緑が強いです^^;)太陽光、蛍光灯、イエローライトでも綺麗な輝きがあります。ダイアモンドのような虹色のファイアーとは行きませんが、黄色とオレンジ、黄金のようなキラっとしたファイアーが確認できます。ロシアのウラル山脈産出のデマントイドは、酸化クロムが緑の起因ですが、マダガスカル産は鉄イオンによるものです。マダガスカル産は石灰岩層から発見される為、残念ながらホーステイル・インクルージョンはありません。そのかわり・・・直径4.5mmの宝石の中に広がるインクルージョンの世界に、ミネラルやフェザーが広がっています。フェザーは、閉じ込められた自然の割れです。宝石のインクルージョンは、地中深くで形成された時の「太古の記憶」であり、その宝石の魅力ある個性だと私は考えるのですが、宝石の輝きという観点から見ると、輝きを邪魔してしまうことがあります。でも、デマントイド、これだけインクルージョンがあっても・・・・・・・・・・・・笑顔で輝いています・・・・・ これは、光の分散率が高い為で、(分散率0.057、ダイアモンドの0.044より高いですね)光が宝石の中で舞い踊っている状態です。(宝石に入射した光が内部で跳ね返る)それを最大限に求めるならブリリアントカットがお薦めですね*^-^*クリソベリルもそうですが、緑色の宝石を写真に撮ろうとしても実物とは違う緑色になります。何度も試みているのですが・・・あ~あぁ。
2013.01.20
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今月4日、ロンドンで英国宝石学協会の宝石学会が開催されました。ロンドンも青い空~・・・・・・だけど、とても寒かった・・・。学会の前日に参加した、Colour Assessment(色鑑定・グレーディング)の講義Mr.Richard Drucker GG (President of GemWorld International Inc)参加型講義なので、手法に従い、サファイアやルビーのグレーディングを行っていきます。ダイアモンドと違って色石は色に幅があるので、同じ青でもかなりの種類に分かれます。色だけでなく、トーンや輝きもグレード分けされます。FGA(英国宝石学協会の鑑別資格)のコースでは、色のグレーディングは学ばないので、興味深く、参考になる講義でした。(グレーディングは学問というよりビジネスになる為)色石のグレーディングは、本当に難しいと思います。でもこの手法とこれまでの自分の経験を活かした自分バージョンを作成できたらいいなぁ(⌒∇⌒)さて、今年の宝石学会は、The Hotel Russell100年以上前に建てられたヴィクトリア調・・・・・・あぁ、シャンデリアが素敵(イギリスにキター!って感じですね^^)今年のスピーカーは8人ブラジルのエメラルド鉱山やメレサイズの合成ダイアモンドの話など興味深いものもありましたが、中でも一番楽しみにしていたのが、Ruby&Sapphireの著者のMr.Richard Hughes(ruby-sapphire.com)↑このサイトの写真コーナー(pics)が宝石だけでなく、そこの人々、自然まで撮影されていてとてもアート的な仕上がりで好きです。はい、今回もしっかり、↓記念撮影させて頂きました~。
2012.11.26
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昨年のブログで、ホワイト・クリソベリルについて書きました。→白雪姫・リターン~!こちらの白雪姫は、クリソベリルではなくスピネル(2.51ct)です。スピネルの化学組成はアルミニウム、酸素、そしてマグネシウムです。(酸化アルミニウムと酸化アルミニウム)スリランカではサファイアと同じ場所で産出されます。サファイアの化学組成はアルミニウムと酸素だから、スピネルになるには、マグネシウムが必要なのか・・・*⌒∇⌒*・・・さて、クリソベリルと同様に無色のホワイトスピネルも希少です。写真のクリソベリルは、2.5ctと大きさがあります。顕微鏡での拡大検査をすると、・・・・インクルージョンが確認できない ̄□ ̄;まさか、合成?と思ったりもしたのですが、合成だったら、↓わざわざ、こんなに不格好なほど高さのある研磨はしないでしょう。(この考えは宝石学というより長年の経験から^^;)でもなぁ~・・・と、悩んでいたら、ディーラーが、タイで鑑別書をとってきてあがる・・・ということになり、(スリランカで、いくらでも鑑別できるのですが・・・)そのタイの鑑別がどんなものか?と知りたい気持ちが増して、はい、購入しました。わざわざカラーレスと表示されてある。(簡単な鑑別書よりデーターがほしかったけど・・・)カラーレスに近いのだけど、角度で、ほんの~りラベンダーのトーンが入ります。これを研磨し直して、完璧なカットにすれば輝きが増すのは確実ですが、この不格好なカットが微笑ましくて・・・これもスリランカの良い思い出ですね:*:・(^-^)・:*:このスピネルは私のコレクションなので、このまま再研磨をしないで、スリランカの思い出と一緒にこの高さとアンバランスなシンメトリーも楽しむとしましょうか。
2012.10.03
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ここ数日、目覚めると、楽しみなことがあります。それは、コチラ↓毎朝、東の空の太陽を見る(拝む)のですが、水面に映った太陽、おひさまふたつ :*:・( ̄∀ ̄)・:*: ひとつしかないものが、ふたつなんだか、朝からお得な?気分~v(^-^)v・・・えへへ。コチラ、↓ルビー(おそらくモザンビーク産出)の原石ルビーは、サファイアと同じコランダムで、三方(六方)晶系ですが、(英国宝石学協会Gem Handbookより)先端は平らであることが多く、三角の成長線が見られることがります。↓見事に三角が入っていて、こういう結晶を発見すると、とても得した気分ですね~!!さて、限られた時期しか見ることのできない太陽の現象といえば、エジプトのアブシンベル大神殿年に2回だけ、太陽の光が神殿の奥の部屋に座っている三座像の神を照らします。(神は四座像で、「闇の神」だけに光があたらない←すごっ!)今だけ、我が家の奥の部屋にも・・・・壁の一部にだけ、光があたります*^o^*
2012.03.01
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宝石学では、蛍石(フローライト)は、その結晶が等軸で、六面体と八面体(英国宝石学協会のPractical Gem Handbookより)だから、この蛍石を見た時も↓八面体の結晶だ!おまけに、結晶の特徴の表面に脈のようなマーク(Terrace-like face marking)↓ある!!でも、硬度4という硬さ(やわらかさ)で、こんなに完璧な結晶が、安く、ゴロゴロと売られているなんて・・・ ̄ー ̄;・・・ソコデ、シラベマシタ・・・宝石学上、蛍石で大切な特徴は、完璧な劈開(ある方向へ力が入った時にまっすぐ割れること)蛍石は正八面体の面に対して平行に割れます。この八面体はその劈開を活用して、人工的に力を加えて成型されたもの。なぁ~んだぁ・・・ ̄□ ̄;すでに、人工的に手が加えられているなら、心置きなく、一面を磨いて、インクルージョンを楽しみましょう。↓ミネラルが確認できます。また初期の劈開らしきものも。そして、これまた特徴的な、二相インクルージョン(気体と液体)今回は、それほど授業料が高くなくてよかったです・・・・・じゅうぶん、楽しめました ̄∀ ̄天然で八面体の蛍石の結晶も在ると思います。母岩についた蛍石の結晶も綺麗ですね~。しかし蛍石の特徴である劈開を活用して、八面体にするということを考えた出したことは興味深いですね。
2012.02.09
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FGA(英国宝石学協会)ディプロマの勉強を一緒にした友人がイギリスから来て、宝石の鑑別機関や、研磨工場、ジュエリー加工業者、宝石ディーラー、宝石店を一緒に回りました。赤ちゃんがいるので、時間もゆった~りと赤ちゃんのペースに合わせて、お茶をしながら、子育ての話(←私は昔話になっちゃうな)したり、でも大半は、 宝石の話特にインクルージョンの話、その美しさ、感動を共有できるので、嬉しくて、話がつきません。*⌒∇⌒*原石、それも結晶好きな私たち、サファイアの結晶を探しに行きました。コチラ↓ひとつ結晶から新しい結晶が成長していて興味深いです。そして、私がサファイアの結晶以外に買った、コチラの結晶↓完璧なフローライト(蛍石)の結晶色味が好きで、大きくて、安かったので、何も考えずに買ったけど、はて?硬度4という低さで、こんなに完璧に結晶って残るもの?そこで、調べました・・・続く毎回ですが、経験することで学びますね^^;
2012.02.01
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もし、自分が販売している商品に「だます」という名前をつけたら、売上は、あまり伸びないと思う・・・。こちら、多色性が強いです。肉眼でも黄緑(黄色に近い)と緑が楽しめます。この宝石が、ギリシャ語で「だます」という意味をもつアパタイトです。(多色性が強いのでトルマリンと間違われるかもしれません)アパタイトの結晶は六方晶系で、ガーネットやスピネル、サファイアの中にインクルージョンとして、結晶の形で存在することがあります。(↑アパタイト結晶のインクルージョンを見つけたらラッキーって思う♪)そんなアパタイト、その中にもちゃんとインクルージョンがあります。こちら、繊維状のインクルージョン宝石のインクルージョンをまとめた本、PHOTOATLASにもribbon-like growth channelsつまり、成長線の溝のような状態この成長線が多ければ、シャトヤンシー効果(キャッツアイ)が出ます。アパタイト・キャッツアイですね。おもしろいのが、コレ↓何かのミネラル(鉱物)が連なっています。アパタイトの中に存在するアパタイト流星群?(顕微鏡のズームとカメラのピントが合わなくてこれ以上撮れませんでした。)アパタイトと言えば、パライバトルマリンのようなネオンぽい魅力的な青に似たものがありますが、持っているのは小さいサイズばかり、でもこのアパタイト5.7ctの大きさです。指輪も良いかしら?と思うけど、←マダム級サイズ!やっぱり硬度が5と低いので、ファセットやエッジが欠けています。(指輪として身に着けると全神経をそそいでしまうかも ↑マダムでないから・・・)b>デング熱のその後、体調はかなり戻ってきました。夏にオーダーを頂いて、まだこちらから連絡してない方、宝石が見つかり次第ご連絡させてもらいます。忘れておりませんので待っていてください。
2011.10.29
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前回のブログの続きです。↑このG/Fは、Glass Filling、鉛ガラス充填処理もしくは、赤色オイルの含浸処理です。私が「勉強用サンプル」として購入したG/Fのルビー0.92ctだけど、その中に、ガラスかオイルが入っているので、その素材の重さ分まで支払ってる・・・と思うと ̄ー ̄;(ルビーだけの重さだと0.7ctくらいではないかと思う。)今回は、きちんとG/Fと表示されて売られていましたが、スリランカでも含浸処理のルビーが、説明なしで売られている場合が大半です。私が買ったルビーは3000円弱ぐらいですが、これが、もし知らないで、無処理(←とても希少)、もしくは加熱ルビー(←それでもスリランカで赤は希少)と同じように購入たら、ゼロの桁がふたつ違うでしょ・・・・かぁ。コランダム(サファイア、ルビー)の加熱処理は、その宝石に潜在的な要素がなければ、美しい青や赤にはならないので、やはり選ばれた石であると思います。が、この充填処理や含浸処理は、宝石の3大定義である、1.美しさ2.耐久性3.希少性どれも満たしてないじゃん・・・!!!まず、美しさについてですが、拡大検査で見ると、もともとあったクラックに色のついたオイルかガラスが入っています。光の屈折率は同じでも実際、光をあてた時に、輝きが少ないです。(もちろん、天然の加熱ルビーでも輝きのないものはあります)見た感じ、「にごっている?」印象をあたえるものもあります。性格(インクルージョン)も悪い・・・。これまで長い歴史上で、どの時代の人をも魅惑したルビーとしての品性がない!!!次の耐久性ですが、加熱処理は、色が恒久的に変わることがないとされていますが、充填処理や含浸処理は、ジュエリー洗浄液や超音波洗浄で色が抜ける可能性があると言われています。ルビーは貴石で、代を超えて、受け継がれていく宝石だと思うので、その点からいくと・・・孫までいきつかない?そして、これが、ルビーが宝石の女王と呼ぶにふさわしい点、それは、コランダムにほんの少しだけクロムが入ったことであの美しい赤色になる、その可能性は本当に低く、それが、希少性を高めているのですが、こんな方法で、たくさんのG/Rが氾濫したら・・・・全然、希少ではなくなってしまう \(#`ε´#)/ ぶぅ~。つい、ぶーぶー、吠えた内容になってしまいました。何度か書き直して、かなり表現を柔らかくしたのですが・・・ごめんなさい。《ご連絡》前回のブログのBBSに書き込んでくださったパパイヤさん、 BBSは表示をしていないので、お返事が出せません。 できましたら、このブログのメッセージにメールアドレスを送ってください。
2011.09.22
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数か月前に書いた、白雪姫のお話を覚えてらっしゃいますか?白雪姫~その1~このクリソベリルは、インクルージョンが確認できないくらいクリーンで、顕微鏡で、かすかに確認できるインクルージョンが、液体なのか気泡なのか?それによって、合成なのか天然なのか・・・??? 天然のインクルージョンがないから合成かもしれない 天然のインクルージョンがないけど天然かもしれないという2つの考え方がありますが、その場合、私のポリシーは、 顕微鏡で天然のインクルージョンが確認されないものは買わない宝石学を学んで、また原石を見ていて思うことは、まったくインクルージョンのない状態は本当に本当に確率が低いと思う。それに、天然の証であるインクルージョンがない宝石は、見つめた時、触れた時、聴いた時、(↑ちょっと説明しにくいですが、宝石が語りかけてくることは本当にあります。でも耳で聞こえるのではなく、心に響く感じ・・・だからと言ってすべての宝石にパワーがあるとは思いませんが・・・)宝石として、自分に響いてこないのです・・・いくら外観が輝いても・・・。↑な~んて、エラそうに言って、白雪姫の時心奪われていたじゃない?・・・というツッコミはな無しでお願いします(^▽^;)以前も書いたけど、インクルージョンにもブスと美人があります。(↑私に言われたくないだろうけど・・・。)美人なインクルージョン、ブスだけど味わいのあるインクルージョン、インクルージョンもそれぞれ個性ですね~*^o^*~それを見つけていくのも私の大事な仕事ですさて、その白雪姫の続きなのですが、やっぱり、私の鑑別では断定はできないけど、合成じゃないか・・・と思うので、事情を説明して、(この場合、合成だとは言うのではなく、インクルージョンが確認できないと言う)返品・・・・・・したら・・・・・・・・最近・・・・あったよ!君が探しているインクルージョンがばっちり入ったのが~。↓ホワイト・クリソベリル1.66ct 肉眼でも確認できますが、顕微鏡でズームすると、↓ゴータイト(Goethite fibres inhabits)だと思う、一部空洞(チューブ)になって見える場所もあります。もう少し、確認してみる必要はあるとして、とても興味深いクリソベリルです。それにさすが、クリソベリル、輝きも強いです~ここまでインクルージョンが肉眼で見えるとジュエリーには不向きかもしれませんが、ぱっと見た感じでは輝きがインクルージョンを見えにくくしています。クリソベリルの輝き(光の反射と屈折)は力強いですね~。
2011.07.03
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こちらの原石↓スリランカで産出されたクリソベリルの原石です。これ、すごいです!まず、結晶の形を一部残しています。クリソベリルの原石で結晶のあるものは珍しいです。結晶の説明ブログ→クリソベリルの花が咲く♪でも、さらにすごいです。71.98ct、でか!!でもさらに、さらに、すごいんです。キャッツ・アイ効果のあるインクルージョンの部分がとてもきれい~でもなにが一番すごいかと言うと・・・・原石の表面にイスラム教のアラーの文字。(自然にできあがったものです)↓この鑑別書は、GIC(Gemmologisut Institute of Colombo)発行のもの。この文字を発見した鑑別士、Asyanはかなりの数の鑑別をしていて、私もスリランカの中で一目を置く先輩鑑別士です。鑑別とは、その宝石が何なのか?を調べるものですが、個々の宝石の「個性」を見つけ出すのも素敵ですね!↑ちなみに彼も原石の採掘者も仏教徒です・・・
2011.06.26
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スピネルは、私の大好きな宝石のひとつです。私の好きなスピネルの色は、こちらの淡いラベンダーのような色このスピネルと出会った時のお話→この出会いに感謝!でもこのラベンダーカラーのスピネルは、あまり出会うことがでいません。同じ淡い紫色でも微妙にトーンが違って、その微妙な違いでも自分が気に入るか、気に入らないか・・・はっきり分かれてしまいます。前回のブログでも書いた通り、宝石は同じ種類であっても、微妙に色が違っています。そこが個性的で愛おしい部分なのですが、自分がジュエリーとして身のつけるのなら、絶対、この色が好き!と思えることが大切です。スピネルの原石大体の色分けをすると・・・ピンク~赤っぽい紫(スリランカではホットピンクは産出されないですね。でも、桜のように優しい色合いのピンクに出会うことがあります。)青から紺色(サファイアとは違った青味で、私はサムライ・ブルーと呼んでいます。)紫系(この中の淡い紫が私の好きなラベンダーになる可能性があります。)この同系色を磨いても面白いくらい色が微妙に違うのですよね :*:・( ̄∀ ̄)・:*: はぁぁ~ホントええわぁ~。スリランカは、漂砂鉱床で、サファイアもスピネルも同じ場所で採掘されます。だから、もしかしたら、スピネルの中にサファイアが混じっているかも!(可能性はかなり低いです。)でも必ず調べてみます。原石の状態で簡単に区別をするには偏光器を使用します。偏光器を説明したブログ→続・ガーネットVSトルマリン偏光器では、単屈折のスピネル→光を通過させない複屈折のサファイア→90度ごとに光を通過させたり、通過させないとなります。すべての原石がスピネルでした・・・ちゃん、ちゃん。でも興味深いものを発見!こちらのスピネルの原石↓手前の淡い紫を屈折計で見ると360度、光が通過します。スピネルなら360度光が通過しない・・・のです・・・が???これって、多結晶性スピネル????(もしくは、内包されているインクルージョンの影響?)濃いめの紫の方は、↓写真ではわかりにくいですが、ADR(Anomalous double refraction)が確認できます。(英国宝石学協会のテキストより)ADRは合成スピネルによく見られ、上の絵のような黒い線が交差したりして現れます。参考ブログ→ガーネット?天然のスピネルでも現れるのですね(*^o^*) 原石の状態で大体はスピネルかサファイアかわかります。似たような感じでも色や形が微妙に違いますね~。偏光器で光が360度通過する宝石は多結晶で、翡翠カルセドニー、メノウがあります。
2011.06.13
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The Galaxy Express999の続きです。青いシラーが美しいスリランカ産ムーンストン前回でご紹介したムカデ以外にも素敵なインクルージョンの世界が存在します。↓Fern-like,シダのようなインクルージョンアルバイトの溶解によるもの・・ほぉぉ、興味深いです。長い線のような鉱物が入り混んでいます。(上から2番目は超長~いムカデです。)こちらは極小のラインのような鉱物そして、コレ、コレ、↓アンドロメダ星雲(銀河鉄道999の終点です・・・ね)写真では、あまり臨場感がないのですが、顕微鏡でのムーンストンのインクルージョンの世界、本当に宇宙の旅をしてきたような感じでした:*:・( ̄∀ ̄)・:*: (こうして、満月のホリデーは終わりました) 日暮れの空を仰いで、遠い宇宙への憧れが、小さな宝石の中に広がっている・・なんて・・・・・そう考えると、やっぱり天然の宝石は愛おしいですね。日暮れの空に浮かぶ、ヤシの木も好きです。
2011.05.31
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さて、今回入手したブルー・ムーンストンこれが、スリランカ産のムーンストンか、最近コロンボでも多く見かけるアフリカ産のぺリステライトか、個人で鑑別する場合、一番確かなのは、顕微鏡の拡大検査でインクルージョンを確認することです。スリランカ産のムーンストンには、宝石学的な表現で、ムカデ状のテンション・クラックがあります。→参考ブログムカデはどこですか?(すべてのムーンストンに入っているわけではありません)だから、今月の満月ホリデーは、ひ、た、す、ら、ムカデ探しの毎日でした。↑旦那不在で、娘も試験前ということで、私ヒマだったの^o^;コチラムカデのインクルージョンムーンストンは、アルバイトとオーソクレースが層のようなラメラ構造になっている為、その部分に自然に入った亀裂が、ムカデのように見えるのでしょうね。(このラメラ構造に光があたりブルーに見えます)これがスリランカ産ムーンストンの証かぁ・・・・・・・こんなムカデならウエルカム!・・・なぁ・・・んて・・・・・・でも・・・こっちは、ムカデ大量発生!ヾ(。`Д´。)ノ こちら、ムーンストン、2.60ct角度によって青いシラーが現れます。肉眼でクリーンなのですが、顕微鏡を覗くと・・・小さな宇宙に広がるインクルージョンこれって、ギャラクシー・エクスプレス・スリー・ナイン↑カタカナ表記、長っ~!つまり銀河鉄道999ムカデ以外の興味深いインクルージョンを次回ご案内しますね。まだまだ銀河鉄道は続く・・・銀河鉄道999↑ゴダイゴ、なつかしいです。昭和って良い番組がいっぱいあったね。
2011.05.27
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白雪姫のお話、最終章です・・・・・・・・・・・はぁぁぁ~・・・・ ↑このため息は???ナゼ??私、毒リンゴをかじった・・・かも・・・・・しれません・・( ̄□ ̄;)・こちらのホワイト・クリソベリル(白雪姫)昨年の12月、このクリソベリルを購入する時、屈折計で クリソベリルであることを確認顕微鏡で あまりインクルージョンがないなぁ。 でもフェザーがあるから大丈夫。それよりも、3ctを超える大きさとカットの美しさに、 これを逃してはいけない!・・・・という心理が強く働いたのだと思います・・・。人間、ほしいものが目の前に現れると、都合の良いところしか目に入りませんね。(盲目の恋に似ているか・・・も・・・( ̄∇ ̄;)↑すっかり舞い上がっていましたね、へへ。 ↑おいおい。顕微鏡で、銀河のように広がる世界、接近すると↓これって、合成クリソベリルのインクルージョン、引き延ばされた気泡に似てないですか???毒リンゴをかじった私に、待っていても王子様は助けに来てはくれないので、宝石学のデリムニ先生に昨日、コメントをもらいに行きました。まず、他の鉱物などのインクルージョンが全く確認できない。それと、このような並び方のフェザーは、天然クリソベリルで見たことがない。が~ん!!!( ̄Д ̄;;ちゃら・ら~ん・・・白雪姫は、グリム童話で53番目のお話。この白雪姫クリソベリル、誤算なの・・・かぁ?(シャレ、サブ~(゜д゜;)みなさんはどう思われます~?
2011.02.22
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白雪姫のお話、第3話です。さて、コチラの↓ホワイト・クリソベリル(白雪姫)(角度によって少ぉ~し黄緑ぽいトーンが現れる時があります)これが、天然でなければ、私は毒リンゴをかじってしまった・・・ことになりますね・・・。まずは、顕微鏡の拡大検査です。スリランカ産出のクリソベリルによく存在するインクルージョンに(PHOTOATLASより参照)液体がつらなった指紋(Finger print)のようなものがあります。でも合成クリソベリルにも気泡の連なったようなインクルージョンがあります。参照ブログ、宝石読本↑こちらにその写真があります。このWEB、尊敬します!で、コチラは、(白雪姫クリソベリルのインクルージョン) 液体か気泡か?どっちだと思う??WEBで合成クリソベリルを調べていたら、京セラのクリソベリルの特許申請(なのかな?)のページがありました.グリーン・クリソベリル合成単結晶(↑こういうの本当に参考になりますね!)屈折率のことで、合成グリーン・クリソベリルの屈折率が1.737~1.745であったと書かれています。英国宝石学協会のテキストでは、クリソベリルの屈折率は1.74~1.76 (0.008 to 0.010)私もこれまで1.740以上だったことしかなかったような気がするので、持っていた30個の天然クリソベリル(原石から入手して磨いたものなので確実に天然です)(この中にハートの形のクリソベリルが。どこでしょう?) の屈折率を調べることにしました。(↑地道な作業でした・・・)ほとんどは1.750前後から1.760手前くらいの動きだったのですが、ひとつだけ、1.740の手前、つまり1.739あたりが・・・あ~あ。これで、1.740以下だったら合成の可能性がある?という手がかりになるかな・・・と思ったけど、それはちょっと強引な考え方ですね。ちなみに白雪姫クリソベリルの屈折率は、↓1.740~1.748ギリギリ1.740・・・ですかぁ。さて、鑑別機関でない個人が宝石を鑑別するにあたり、天然と合成を見分ける一番有効な方法は、顕微鏡の拡大検査で、自然界でしか混ざることのない他の鉱物を発見する・・・しかないです。もう少し、顕微鏡を拡大してしっかり調べてみます・・・続く(上の写真の指紋のようなインクルージョンも徹底検証だわ!)ハートの形はココ↓です~。
2011.02.16
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白雪姫のようなコチラの宝石↓その同じ宝石の原石は、コチラ↓それは、 クリソベリル多くのクリソベリルは、磨かれると、黄色から黄緑、茶褐色~ゴールデンのような色あいで、輝きが強いです(私の大好きな宝石です・・・はぁ~見てて幸せ)同じ鉱物(クリソベリル)でも、アレクサンドライトやキャッツ・アイは知名度が高いですが、それでも最近は、クリソベリルも市場で値段がどんどん上がっています。そしてこの白雪姫のようなピュア(無色透明)なホワイト・クリソベリルは、天然では中々お目にかかる機会は少ないです。私もず~と探し求めていたのですが、昨年の12月に目の前に置かれた時3ctの大きさと心奪われるカット・・・・おまけに微かなインクルージョンしか確認できない(肉眼では無理。10倍ルーペで何かある・・・かぁ?ってな程度)とても完璧な感じのクリソベリル・・・・カ・・ン・・・・ペ・・・キ・・???これまで数多くのクリソベリルを見てきたクリソベリル・ラバーとしては、こんなにインクルージョンの少ないのは、おかしすぎる?( ̄ヘ ̄)(↑宝石鑑別士になってから、 完璧すぎるものを見ると即、疑う性格になった・・・よぉ。) もしかして、 ・・・・・・合成・・・・???続く・・・・(↑ごめんなさい、また書きます)haraさん、ご正解でした~
2011.02.11
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私は、ダイアモンドのようなカラーレスの宝石より、色のある、カラー・ストンが好きなのですが、昨年最後に買った宝石、見た瞬間のイメージは、白雪姫(↑・・・・どうして???)コチラ↓雪の結晶を閉じ込めたのような・・・透明性・・・カットの形も良いですね!大きさも3.05ct指輪にしてもかなり目立つ大きさ縦12mm横7mmでも希少な宝石なので、指輪にはしないで、コレクターとして保管します。(↑老後にこれを見ながらお茶を飲むの)ラスターもしっかり輝いてます~角度によって、透明が、少し黄色から緑っぽいトーンが確認されます。本当に微かなんですけど・・・ね・・・。さて、この宝石は何でしょう???↑・・・て、これだけでわかったらすごいですよね!推測だけしてみてください~次回からこの宝石を掘り下げます
2011.02.06
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今月は私の誕生日、ここ数年、年齢を数えることを止めたので、いくつになったかは忘れたのですが、(↑おいおい)プレゼントだけは忘れられたくない。指にはめた時のフィット感も抜群によくて、曲線を描いたカタチ・・・首からぶら下げることもできる付属品もついている・・・あぁ、この指輪兼ネックレス・・・・・・・・・・・・・じゃ、なくて・・・↓宝石用ルーペ、Triplet Hawk Diamond Loupeこれまで宝石ルーペは英国宝石学協会で購入したものと、ダーク・フィールド専用ルーペの3種類を活用していたのですが、今回購入したこのSwiss-Axe社のダイアモンド・ルーペダイアモンドのクラリティを調べるのに適しているルーペで、ピントの合いがめちゃくちゃ早い!ルース買い付けの時には、軽く300個以上の宝石を流れ作業的に見なければならないので、レンズの良さで、目の疲れ方が違ってきます。得に、サファイア買い付けは、ルーペで見ることができるインクルージョンで、加熱か非加熱か、合成か、どんな処理がされているのか、を、何となくでもつかんでおかないと(↑正式には後で顕微鏡やラボの機械を活用するとして)その場で、最初の値段交渉が堂々とできない・・・。でもこのルーペ、誕生日のプレゼントを買おうと思って探したわけではなく、かなり衝動買い。ほら、覚えています?もう、1年くらい前の話なのですが、バンコクで購入したダイアモンドのマルチ・テスターその時のブログやっぱり、使いこなせないので返品しようと、早々にメールで返品する旨を伝え、その後、バンコクでは暴動やらあって、訪問するタイミングを逃していて、やっと、この年末年始の里帰りの途中経由で、返品しに行くことができました。(こんなに時間が経っても返品可で助かった・・・です。)もちろん、代金が返ってくるのではなく、お店の他の商品に交換とのことだったのですが・・・・・・・・何に交換しよう???と目についたのが、ルーペの数々そして、噂には聞いていたけど、まだ手にとったことがなかったこのルーペと、他社のルーペを比べ・・・その違いに唖然そして、その値段にも唖然かなり、高い!!追加料金が必要だわ。ケースには保証の為のシリアル番号がデカデカ表示されているどうしよう?心の葛藤が・・・・始まる。今月は誕生日だから誕生日プレゼントとして購入したら?でも、それでも高くない?あぁ、値段のはるものを買う時って、自分で自分を説得したり、何とかして自分の中に大義名分を探してしまうのでしょうね?(↑私だけ?)このルーペで見る方が、テスターより、ダイアモンドとCZなどのダイアモンド模造品との区別をつけるのは確実だと思います。今年もよろしくお願い申し上げます。
2011.01.10
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さて、今日はスターに挑戦です。こちら、↓サファイア、残念ながら透明性がないのですが、大きさは申し分のない、4.58ctです。光を当てると、120度の角度で交差したスターがはっきりと現れます。前々回のブログ、スター・スピネルでもお話しましたが、スターは語るこのスター(アステリズム)は、シルク・インクルージョン(微細なルチルが規則的に配列)していて、そこに光が反射することで現れます。 神秘的~だけど、 化学的~さて、このルチルの融点はそれほど高くはなく、1200度くらいの高熱で溶けてしまいます。だから、1500度以上のサファイアの加熱処理をしてしまうと、あっけなくスターは消えてしまいます。だから、スターは通常、非加熱サファイアと呼ばれています・・・・・・・・・・・・・・・・・・がぁ、この上記のサファイアは、加熱スター・サファイアなのです。加熱したらシルクインクルージョンが消えるのにナゼ???サファイア(コランダム)の加熱処理については、宝石学でも学ぶことなのですが、理論上では、加熱してシルクインクルージョンを発達させることができます。潜在的にチタンを多く含むサファイアを1100度~1400度で加熱します。そして、それを2週間くらいかけてゆっくり、温度をかけていきます。通常の加熱処理は、一日で済んでしまうことを、じっくり、的確に温度を下げて行かなければ、スターを作り出すことができないのです。かなりの技術が要求されるでしょうね・・・・。だから、 誰もそんなことしませんこのサファイアは、加熱業者が実験的に作ったものを勉強サンプルにと頂きました。(↑太っ腹~!スリランカに住んでてよかったぁ)非加熱サファイアの美しい青やアステリズムが神秘的な大地からの恵みと感じるのであれば、加熱サファイアの青は、人間の化学への挑戦~!ですよね・・・・今週末からGem-A(英国宝石学協会)の学会が始まります。この土曜日は、コランダムの加熱処理で有名なMr.Ted Themelisの講座があります。楽しみ~でも、ロンドンは寒いんでしょうね・・・・。
2010.11.02
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黒い宝石は、あまりジュエリーに向かないかもしれませんが、コチラ、↓2.59ct真っ黒でしょ~?どうしましょう???はい、こうしてみると、↓3本の光の線、スター(アステリズム効果)がでます♪コレ、スターサファイア じゃ、な・く・て、スター・スピネルです。でも、スピネルの結晶系は、等軸晶系だから、 スターは十字のように 2本ではないのでしょうか?まず、どうして、宝石にスターのような光の線が現れるのかと言うと、その宝石の中に、細長いルチルなどの内包物が針のような状態で、無数に規則的に配列している場合、そこにあてた光が内包物から垂直に反射され、それが3本の線のようなスターになります。この針状の内包物(針状インクルージョン)は、結晶の形に従って、規則的に交差しています。だから、三方晶系のコランダム(ルビーやサファイア)は、確実に120度の角度で3本の線が交差され、あの美しいスターが現れるのです。でも、スピネルは等軸晶系↓スピネルの結晶系の図(英国宝石学協会・テキストより)この答えは、コチラ↓宝石学のデリムニ先生に説明してもらった時の図です。等軸晶系と言ってもスピネルは八面体なので、針状インクルージョンの入る方向が2本交差する場所と3本交差する場所があります。(あ~、口頭で図を書きながらでないと説明できないので、 You Tubeで説明します。←嘘!)つまり、光を当てる位置(宝石のテーブル面)によって、十字のスターが見えるところと、3本のスターが見えるところがある・・・・・と言うことです。 はぁ。こんな説明でわかります・・・でしょうか?・・・・・みんな、ついて来てる???
2010.10.19
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トルマリンのお話、3話目です。トルマリンは、結晶構造が同じであるケイ酸塩鉱物のグループを指します。鉱物名では、ドラバイト、ウバイト、ショールなどと化学組成に沿って分けられますが、宝石の商品名としては、組成よりも色で分けられます。例えば一般的には、赤やピンク→ルべライト青→インディゴライトといった呼び名になります。そして、そういった呼び名がつくと、一気に価値があがってくるから、ホント、宝石っておもしろいですね。気になっているこのグリーンのトルマリン緑の起因はバナディウムが主なのですが、クロムも少量含まれ、色も鮮やかな緑色なので、商品名、クロム・トルマリンとなります。でも、宝石学的に切ると、これは、↓Dravite(Gemmology Vol30 No.7/8より)ドラバイトに属します。う~ん、ドラバイトって、スリランカで多く産出されるドラバイトのイメージは、コレ↓こげ茶や茶色っぽいようなもの・・・。商品名でも、黄色や茶色、オレンジ色のトルマリンは、そのままドラバイトと呼ばれて販売されます。・・・・と、これが、ドラバイトであると資料的にはわかれば、ふ~ん、で、終わりそうな話なのですが、私が確信をもって、この宝石がドラバイトであるとわかったのは、へへへ ( ̄∀ ̄) (↑ちょっと得意げ?)コチラノ数字ヲゴランクダサイ↓グリーンの宝石の屈折率です。普通、宝石学のトルマリンの屈折率は、1.62から1.64か1.65あたりまでが記されていますが、(英国宝石学協会のテキストより) 私が調べた屈折率では、1.615からではないですか? え、コレ、トルマリンじゃないの??? 新種、発見か~! (↑おいおい・・・おい)ん、な、ワケナクテ・・・、こちら、宝石の写真図鑑にドラバイトの説明があって、屈折率は1.61-1.63ドラバイトはトルマリンの中でも屈折率が低いんだぁあのトルマリンは、バナジウム発色のドラバイトで、商品名クロムトルマリンという、決着が自分の中でつきました・・・。(↑はい、ご苦労さま!!)さて、宝石の名前って覚えにくですよね?ドラバイト…何度も忘れそうになるほど、印象のうすい名前なのですが、ここで、(小学館コロコロ文庫より)ドラえもん登場~! ドラえもんのアルバイトと覚えています。トルマリンの宝石学的なことや商品名など、福本修の鉱物・宝石小事典を参照させて頂きました。(↑宝石学の勉強をするのにとても役立つサイトです!)
2010.09.26
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背番号は「23」、 (↑原子番号のこと)ついに、彼が活躍する時がやって来ました! (↑・・・いや、古代から活躍していたと思います・・・が・・・)彼の名前は、 バナジウムサインは、 V (↑元素記号)前回ブログ、あの緑の宝石のお話の続きです・・・あの宝石を見た私の第一印象は、 グリーンガーネット?もしカットの形状が違っていたり、ここが銀座や上海あたりの高級宝石店だったら、 エメラルド?と、思うほど、緑の色が正統派で綺麗でした。でもお店の人は一言、あ、それ、トルマリンだよ・・・ふぅ~ん、と私はトルマリンにあまり興味はなかったのだけど、彼の一言、もしかしたらクロムトルマリンかもしれない・・・(↑この呼称になると高級宝石になりますね!)でも、もっとこの一言が、耳に・・・残った・・・・・ それ、マダガスカルから産出されたんだ確か、ずっと前の英国宝石学協会の学会誌、Gemmologyに、マダガスカルから産出されたトルマリンの緑は、バナジウムに起因する・・・・・・・という記事を最近読み直していたので、あら、勉強材料にいいかも?と本当につまらなそうに買ったのだが、ところが、どっこい、 コレってすごい!コトを発見しました!!! (↑私だけの満足かもしれないけど・・・)トルマリンは多色性の強い宝石で、肉眼でも顕著にわかる場合が多いのですが、この緑の宝石は、肉眼で見た感じではわかりにくかったです。(だから、ガーネットだと言われたらその場で信じたかも・・・)まずは、2色鏡で調べると、色の違いが確認できます。Gemmology Vol30 No7/8 2007より ↑うん、色の感じがこの緑の宝石に似ている!! ↑うん、クロムよりも圧倒的にバナジウムが含まれている!!そして、じっくり記事を読んでいくと、それまでは目に留めなったことを・・・発見・・・・(↑気がつくのが遅すぎ!)続
2010.09.15
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少し前のブログで、クリソベリルの結晶のお話を書きました。→クリソベリルの花が咲く♪そう、結晶は本当にお花のようです。今日、スリランカで35年宝石ビジネスに携わっているアメリカ人と話をしていたら、(内容はワールド・カップの話だったのだけど・・・)彼の胸元に・・・・・・目が・・・・釘付け・・・・・だって、そこには、↓あのクリソベリルの結晶が~完璧に近い形でペンダントに!!在スリランカ35年の実績・・・でしょうか・・・・ホラ、大きさ、形といい綺麗でしょう~?35年前のスリランカは、結晶も多く産出され、美しいサファイアも多く採掘され、本当にパラダイスだったそうです。↑私が生まれる前だわ・・・ ↑嘘・・・幼稚園くらい・・・ ↑私が砂場遊びに夢中だった頃に、南の島では宝石が・・・今は、アフリカや近隣諸国の宝石がスリランカに入ってきて、採掘するより、トレードした方がビジネスになるといった風合いがありますが、まだまだ、スリランカにはチカラがあります!もっとすごいものが採掘されるようになったのです!!!続く・・・。7月10日~25日までマニラに行きます。お会いできる方はご連絡くださいね0916-5523-474(マニラ携帯/From 10th)info@globalreach.co.jp
2010.07.03
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前回に引き続きクリソベリルのインクルージョンのお話です。こちら、原石を磨いただけのクリソベリルです。本当にキャンディのようでしょう?例えば、コレ↓手前の白っぽい感じの部分・・・・細い真っ白な線のようなものが平行に並んでいます。もっと拡大すると・・・繊細な針状のような鉱物で、ここに光を当てるとわぁぁ~、キャッツ・アイのように一条の光が現れます。(左の部分です。わかりますかぁ?)こちらも発見さらた原石の形を変えないで、磨いただけの状態のクリソベリルガラスのように何もないように見えるかもしれませんが、すごいんですよ・・・・ホラ↓水滴が引き伸ばされたような内包物が規則正しく並んでいますね。地中でどういう状態で育ったのでしょう?(はぁ、ロマンだわぁ)こちらは長さが1.7センチもある原石で、本当にこの楕円の形で発見されたんです。磨く前から内包物がたくさんありそうな感じだったのですが磨いたら、おもしろいほどインクルージョン・ワールド拡大すると、大地で取り込まれた鉱物が、確認できます。インクルージョンはこの宝石の生まれる時の記憶が刻まれています。ただ、そこにいてくれてありがとう
2010.05.21
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前回はクリソベリルの結晶の魅力をお伝えしました。(↑伝わって・・・ますよねぇ?)こちらクリソベリルの原石大地の長旅で、結晶の形はなくなり、小石のような状態で産出されます。(↑お疲れさま( ̄∀ ̄)研磨すると、輝きはじめます・・・・・・・キャンディのよう「あきらめよ」と諭す回路に 君がそっと侵入してきて何食わぬ顔で 夢をチラつかす(CANDY by Mr.Children)原石をファセットに磨いたクリソベリルは、輝きが強くて、キラキラしているのですが、こちら、磨いても・・・なぜか、靄がかかったようにぼんやりとした感じです。これは、内包物として、繊細な針状のような鉱物が存在し、本来ならカボションカットに研磨したらキャッツ・アイのような効果が期待できるけど、ファセットに研磨したので、光が最大限に反射されないで、中に吸収されるから・・・・・・・・・・・・・・かなぁ・・・と思っていたのですが、顕微鏡で確認してもそれらしい内包物は確認できません。なんとなく、テーブル面に白っぽい靄がかかってる感じなんですよね。多くの事を求めすぎて できるだけ側にいたくてそんなことしてる間に息が詰まる大抵 人はそんなことで 大事なもの失うんだろうなぜだろ?と思って眺めていたら、少しうす暗い場所や角度を傾けて光を直接あてないようにすると、はっきりと輝きが見れますこのくらいの明るさと、この角度とそれが、このクリソベリルの輝きを引き出す要素なんですね・・・・・・・・なんだか、完璧でなくて、そこが応援したい気持ちにさせる・・・。みっともないけど すべてが愛しいよふと夕暮れに孤独が爆発するCandy by Mr.Children(You Tube)・・・・でも、この靄の原因は何なのでしょう???This Blog is for Mr.T, my dear freind.Hope you will be OK soon.
2010.05.15
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宝石学で最初の頃に覚えることに結晶系があります。8種類(英国宝石学の場合)に分かれていて、それを知ることで、鑑別に必要とされる光学的性質などの理解が深まります。・・・と難しく書いていますが、結晶系を知っているとあぁ、大地で宝石が生まれてくる時に、こんなふうな形で成長していくんだなぁ~と、想像する時に具体的にイメージができます。(↑だから何???)また宝石を原石で買い付ける時に、結晶の形から宝石を区別することができます・・・・・・・・・が、スリランカの場合、第2次鉱床の漂砂で採掘されることが多いので、原石の多くは、その結晶の形を失って小石のような状態です。コレ↓クリソベリルの原石です。原石の色の違いで研磨後どう変わったかは→過去のブログ「くりそべりるいろいろ」へクリソベリルの結晶は斜方晶系で、その中でもとてもユニークな形をしています。(英国宝石学協会テキストより)まるでお花のようでしょう~♪かわいい~!!試験には結晶系の形を書けないといけないので、この形も何度も書いて覚えました・・・わぁ。(←遠い目)これまで結晶系が残っている原石を入手したことがなく、それでも、スリランカに住んでいたら、いつか出会うこともあるだろうなぁ・・・といつものように願っていたら、(↑まぁ、漠然とですが・・・)チャンスは、先週やってきました!先週、観光客用に展示室を作ったという宝石店で、その展示室を見せてもらっていると原石のショーケースに小石のようなクリソベリルの原石に混じって、結晶系の残った原石を発見!!まさに、テキストに載っている図の花びらの一部といった感じ!!ではないですか~!!で、興奮する自分を抑えて、つまらなそうに、この原石はいくらですか?と聞いたら、あ、それプレゼントするよ。(↑あっけなく一言)まぁ、ありがとうございます~!(↑このパターン、多いですよね私・・・)さっそく、この価値がわかる宝石学のデリムニ先生に持って行って、顕微鏡で拡大して写真を撮りました。本当にVの形にそったようにラインがありますね。
2010.05.08
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南国の花で一番好きなのは、ブーゲンビリアです。先日間違えて入った路地で、偶然ブーゲンビリアの大木を見つけました。まさに満開で濃いピンクが鮮やかです♪春に、日本の桜をなつかしむように、もし南国から離れて暮らす日がくるとこのブーゲンビリアをなつかしむでしょうね・・・・。今そこにある自分の立ち位置で一人一人 皆 懸命に生きているその中で 人と人は出会い願い 描いてく 素晴らしい世界時にある裏切りや憎しみも乗り越えて また生きて行く意味も結局 皆 繋がってくその中で 必死に 掴まってる出会いのかけら それを磨けばこれからも無数に 芽生える種が(出会いのかけら byケツメイシ)このピンクサファイア、ペアのルース、濃いめのピンクで少しオレンジ帯びていて、(↑写真ではうまく色が出てないのですが。)太陽光に近くなると、優しいピンク色が、桜の花びらのように可憐で心トキメキます。加熱処理されたものということですが、つい、パパラチアに近い感じの色合いのピンクって、ベリリアム加熱(Be拡散処理)を疑ってしまいます。スリランカでは、Be拡散処理を看破できる鑑別機械はありません。(昨年機器を持ち込んだラボは閉鎖したとのこと)まず、自分にできるとしたら、顕微鏡の拡大検査で、処理特有の内包物の状態を調べる・・・くらい・・・。自分だけの鑑別ではなく、(↑内包物が確認できるけど、ちょっと不安?)宝石学のデリムニ先生の意見も聞きます。で、結果は、内包物の状態から、低温での通常加熱である、つまり割と綺麗な形で内包物が残っています。(高温であれば、内包物が白くなったり溶けている状態になる)このピンクサファイアは、カットも綺麗で、色も素敵なので、桜をイメージして自分のピアスにします。拾い集めた 出会いのかけら一つずつ手に取り 磨いてみる僅かな光も 暖かな手も握りしめた時から 出会いが愛へと変わっていく出会いのかけら(↑You tube♪By ケツメイシ、名曲ですね!)Be拡散処理されたサファイアは、それを知って購入するには問題ないと思いますが、通常加熱のものと比べると値段が違ってくるので、その点に注意が必要だと思います。4日から15日まで留守にします
2010.04.03
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レイリー散乱光という言葉をご存知ですか?その計算式がコレ↓(出典: フリー百科事典ウィキペディア)わかります?・・・てわかんなかいですよね・・・。(ちょっとブログをアカデミックにしたくて引用しました。えへ。)つまりわかりやすく言えば、コレなんです。↓空がどうして青く見えるのか?つまり、太陽の光が地球の大気を通過する時、大気の分子とぶつかります。ぶつかった光は散乱し、その時、青い光が最も散乱されやすいため、青が私達の目に多く映る・・・というものです。(参照過去ブログ→青い空がとても好き)光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱を上の数式はあらわしているのでしょうね。こうして見ると、この数式も美しいですね~!(→・・・って、わかってるのかぁ?)数式と同じくら美しいのは、この青の仕組みブルー・ムーンストンの青いシラーこれもレイリー散乱光と同じ仕組みで青が浮かびあがります。このムーンストン、横から見るとドームがあまりなく薄いのですが、ホラ、ムカデのインクルージョンもある・・・(ムーンストン特有の内包物のテンション・クラック)(でも、薄いものはこの内包物がなくクリーンなものが多いですね。)傾けると、ホラ、綺麗な青色これが、私が、ムーンストンのブルーにこだわる理由なんです。そして、これがムーンストンの魅力なんです。だって、宝石の中に青空が広がっているなんて素敵~!そんな「青空」をジュエリーとして身に着けるのもいいですね。
2010.02.11
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前回のブログを読んで、友人が、素敵なブルー・ムーンストンのネックレスを持ってきました。これ、ドームが完璧でしょ~?だからダブレットかもしれないと心配になって・・・・(↑前回ブログで完璧ドームが怪しいと書いたから)ジュエリーにセットされているので、ダブレットの証拠になる境界線は見えないのだけど、顕微鏡で覗くと・・・あぁ、これね、このインクルージョン↓針状インクルージョン、これ、ペリステライトだわ。→参考の過去ブログ、ムカデはどこですか?→参考、全国宝石学協会のラボ・レポートムーンストンと同じ鉱物、フェルドスパーなのですが、ムーンストンとは違う成分なので、鑑別上では、ムーンストンとはならない・・のだけど、スリランカでは、鑑別の専門家も、宝石の業者もペリステライトの存在を知らない人が多いので、ムーンストンとして販売されています。例えば、同じフェルドスパーのラブラドライトをレインボー・ムーンストンを呼ぶように、ペリステライトも商品名・ムーンストンになっちゃてるんでしょうね。宝石学的にこれ、ペリステライトだよと言っても、でも同じフェルドスパーだろ?・・・うん・・・、だったらムーンストンだよ・・・・・・・となってしまうんですよね。(↑拡大解釈ですね!)ムーンストンのロット(たくさんのルースの状態)の中では、このムーンストンとペリステライトが、混ざって販売されている場合が多いです。私は、ブルー・ムーンストンが大好きなので、そのロットから、黙々とムーンストンだけを選ぶのですが、正直言うと、ペリステライトのブルーは、本当に「月からあなたも来たの?」と思われるほど、美しく、きりりとした表情のものがあります~♪また、研磨されたドームの形も完璧なものが多いですね。でもね、せっかくスリランカにいるので、宝石学的・ブルー・ムーンストンの美しいものだけを探したいわぁ・・・、・・・という私のもとへ、来たのがコレ↓タンザニア産ペリステライトの原石149ct知り合いの鉱山主が、スリランカに負けないブルー・ムーンストンだ!と言ってタンザニアから持ち帰ったもの・・・(↑おいおい、ペリステライトだって・・ま、もぉいいけど。)(でも鑑別士としては、宝石名はきちんと分けておきたいです。)う~ん、でもムーンストンじゃないしなぁ、と思って原石を傾けると・・・↓このブルー、めちゃくちゃいいじゃぁん~!!!そして、私はこの原石を手にいれたのだけど、ここ1ヶ月くらい、研磨するべきか、このまま原石で持っておくべきか・・・・・・ちょっと贅沢な悩みに浸っております。*ネックレスの持ち主の友人は、これがダブレットでなかったのと、本当にこのブルーが気に入っているので、縁あって出会ったペリステライトのペンダントを気にっています~♪彼女に似合っているしね!ブログネタ提供ありがとぉ。
2010.02.05
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先週の金曜日は満月で、スリランカの学校はお休みでした。日本は同じ月に2度満月があるという、ブルー・ムーンだったんですね!残念ながらスリランカは一日早かったので、1月の満月は1回だけです。でも一番大きなサイズの満月が見れるということで、少しだけ特別な満月の夜でしたね・・・。こんな満月を見ると、思い出す宝石は、ムーントンですね。コレ↓スリランカ産はブルーのシラーが浮かび上がる、ブルー・ムーンストンが有名です。素敵でしょ~?・・・・・・・・・・・・・・・って、ちょっと、ちょっと、まったぁ~!!!!!!これは、昨年のスリランカ宝石学協会主催の展覧会で出展していたお店で販売されていたもの。このドーム(丸くカボションに研磨されている部分)、完璧すぎるわ・・・高さもあるし・・・。それに見事にどれも、これも、完璧すぎるカットです・・・・。またかぁ・・・・。ホラ↓薄くコンタクトレンズのように研磨されたムーンストンを、クオーツ(水晶)のドーム型にはりつけたダブレットです。切れ目の線がはっきり肉眼でも確認できますね。これ、ネックレスや指輪にセットされたら気がつかないでしょうね。ひとつの宝石で、ムーンストンとクオーツが楽しめる・・・なぁんて、誰も前向きには考えられないでしょう。あまりにお店の人が買うように勧めてくるので、つい、これ、ダブレットじゃないですか?と言ってしまいました。(↑スリランカでは指摘しない方がいいです。)(↑反撃を受けることがあります。)すると、そのお店のおじさんは、ルーペで確認して、あ、そんな馬鹿な・・・・かなりショックを受けていたようでした・・・・・。そりゃ、そうでしょう。でも、スリランカでは、そんな馬鹿な宝石が結構売られているんですよ。そして、私が展示会場から立ち去ろうとした時に、そのお店のおじさんが、走ってきて、これ、君の勉強に役立ててくれ!と全部頂きました。
2010.02.01
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前々回のブログで書いたダイアモンドのマルチテスターの話→その時のブログ今日はその話の続きです。どうして、マルチテスターがうまく使えないのだろう?私の持っているダイアモンドがあまりに小さいので、反応が悪いのかしら~???と、一応謙虚に思い、先週、「使えない」ダイアモンド・マルチテスターを持って、行きつけのダイアモンド業者の所へ行きました。彼はGIA(Gemological Institute of America)で、ダイアモンドのグレーディングコースを終了し、コロンボ市内でダイアモンドの卸をしています。私がジュエリーの時に使うメレサイズのダイアモンドは、ここから購入しています。早速大きなダイアモンド(2.6ct)で調べてもらったら、(↑念のため、私でなく彼にテスターを使用してもらう)らぁ、↑ニセモノ判定じゃぁん~!!!彼は、たった、一言、コレ壊れてるね。・・・そして僕は途方に暮れるさて、今日(26日)はスリランカ大統領選挙です。選挙運動の頃から爆破や暴動などがあり、選挙当日と翌日は学校はお休み。お店もお休み。(警察から発表された暴動は1000件!)結果によっては、激しい暴動も予想され、外出禁止令が出る可能性があるので、食材の備蓄のため、先週からスーパーマケットを回ってるのだけど、鶏肉、得に私が必要とする「もも肉」と「ミンチ」が見つからない~!そして、前日の昨日はついに、鶏肉がホボなくなった・・・・・・・そして僕は途方に暮れる↑髪型がまつかしい!80年代に青春を謳歌した人は必見です。画像はファン以外は面白くないです。(勝手なお世話?)この歌は、銀色夏生が作詞したんですね!
2010.01.25
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この宝石↓昨年ベルワラの宝石市場で、ピンク色のガーネットを探している私の前にあらわれたもの・・・ぱっと見た瞬間、これ、ガーネットじゃなくてトルマリンでしょ?と思って、偏光器で確認をすると・・・↑光が遮断させれいる宝石の位置を変えると、↑光が通過そして、↑また光が遮断・・・で、もって、↑・・・また通過かぁ・・・で、これはやっぱりトルマリンだなと思って、この宝石業者は、間違ってトルマリンをガーネットの値段で売ろうとしてるから、彼がその間違いに気がつかないうちにさっさと買ってしまえぇぇぇ・・・・と思ったのだ・・・・・・・・・・・・・・・・がぁ~?帰って屈折計で調べてみると・・・ガーネット(パイロープ)でした・・・(汗)。何故偏光器で光が通過したのかというのは、→過去ブログ「ガーネット?」でADRの仕組みを説明しています。しかしここまではっきり光の通過が見えると判断を間違いますね。(↑言い訳)何度も見てみると、遮断から通過へ移る時に、ねじれぽい影が差すような感じはするのだけど、(↑そんな気がするだけでしょうか???)もし、トルマリンを買うのが目的であれば、必ずこれを使えばガーネットとの区別が簡単につきますね。↓ダイクロスコープ(二色鏡)トルマリンは多色性が強いので、必ず色の違いが確認できますが、このトルマリンと思って買ったガーネットは、↓どんなに宝石をまわして見ても、赤色1色だけで・・・買い付けの時に鑑別をしていたらよかったものを、トルマリンがガーネットの値段で買えるというだけで、すっかり商いを急いでしまった・・・わ・た・し・・・。ま、結局は、所期の目的のピンクのガーネットは手に入れたんですけどね♪でもこのガーネット、本当にピンク色と照りがいいんです。ただ、惜しいなぁ~と思うのは、↓肉眼でも確認できるほどのクラックが多い・・・点。実は、買い付けの時はあまりルーペで見ないで、これって、Trichites(トルマリン特有の波打った内包物)かな・・・・・・と思ってました・・・←大馬鹿ぁ。顕微鏡で見ると、見事にクラック・・・が入っている・・・。でもすごいなぁと思うのは、そのクラックが表面に達していない。これだけ多く入っているのに、表面は健在!!!(↑こういう表現でいいのでしょうか???)ある意味、この研磨力に驚きました。とは言ってもクラックがあるので販売用にはなれない・・・。でも、クラックという傷を中に閉じ込めて、美しい色と輝きを放つこのガーネットWelcome to my collection!↑また、誕生石ガーネットのコレクションが増えました。先週、誕生日を迎えました。(年齢は不詳で不問)このガーネットのように、長い人生の心の傷があっても包み込んで、輝いていたいですね♪Ragems Shop↑新しくピンク色を帯びたガーネットを追加しています。
2010.01.19
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極寒の日本から一昨日の夜、南国コロンボに戻ってきました。(↑西日本で暖かい地域なんだけど、寒かった!!)途中、バンコクで娘(11歳)の親友宅で1泊。娘は久しぶりの友人との再会を楽しみ、私は、やっぱりバンコクといえばコレでしょう~♪↓タイマッサージを堪能!(あぁ、寒くて力が入っていた体がほぐされる・・・)それと、もうひとつのバンコク滞在の目的は、コレ↓宝石の鑑別器具などのツールを扱うお店へ。ここは、シーロムにあるB.I.S Buildingに入っているお店。このビルは宝石関係のオフィスがたくさん入っています。バンコクって、世界中から宝石が集まってくるんですね。以前のブログで、ダイアモンドテスターの話を書きました。→ダイアモンドの輝きその時の電気伝導の説明にダイアモンドにあって、モアッサナイトにはない・・・・・と書きましたが、電気伝導はモアッサナイトにあって、ほとんどのダイアモンドにないと訂正いたします。さて本題に戻ると、私は今回も懲りなく、ダイアモンドテスターを探していたのだけど、もう、Presidium社には懲りたので、(この会社の製品に問題があるわけではないです。)今回は、Electronics社のダイアモンドマルチテスターを購入お店の人に何度も使い方を教えてもらいました。↑だって、私が使うと、ダイアモンドがニセモノ判定になるの…何故???そして、コロンボに帰って、このテスターを使うと・・・・やっぱり、↓ニセモノ判定なんです・・・な・ん・で・やぁ・・ねん???(↑またバンコクに行くのか?)
2010.01.14
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これまで、天然のスピネルと合成のスピネルの見分けることは、屈折率や比重の違い、分光器での特徴的な吸収ラインを調べれば、(→オルガン・パイプの説明ブログ)簡単にわかります・・・・・・が、・・・でも、それは、火炎法(ベルヌイ)で作られた方法で、最近、出回ってきているフラックス法(Flux)は、屈折率も比重もスペクトラムも、天然のスピネルと同じなので、個人でもできる鑑別器具を使っての区別は困難です。で、以前ブログにも書いた、スピネルの非加熱と加熱の違いの時にも説明しましたが、(ブログ→スピネルの中に存在する!)やはり、顕微鏡の拡大検査が一番大切ですね!まず、フラックス合成スピネルのインクルージョンでは、容器に使われているプラチナがはがれたもの六角形をしています。(Gems and Jewelleryより転写)溶剤であるフラックスと気泡(Gems and Jewelleryより転写)早速、持っているタンザニア産スピネルを顕微鏡でのぞくと・・・フェザーとよばれる液体包有物サファイアなどでもよく見かる内包物です。(写真があまりよくなくてすみません・・・)そして、私の大好きなスピネルの中に存在するスピネルたち!!!小さなスピネルの結晶(等軸晶系)が連なっています。(↑何度撮ってもピントが合わないのですみません)今回買い付けた26個は、天然のインクルージョンが多く入っています。その為か、研摩でプロポーションの良いものは少ないですね。でも、輝きと照りが他の宝石と比べても女王様級!!こちらは、プロポーションがいいもの(光があまりあたってなくてもツヤがあるでしょ?)こっちは、高さがないので、正面から見ると透けて見えます(ウインドー)。でも、私の指輪もウインドーで研摩の状態は良くなかったけど、指輪にするとウインドーがまったくわからない・・・シンプルに作ったのはダイアモンドの指輪と合わせる為で、日中の光の下ではかわいらしいピンクライトをあてると、オレンジがかった赤みが増します~♪26個の中にひとつだけレッドスピネルがありました。ルビーと比べるとオレンジがかった赤ですが、輝きがとてもいいです~!こちらは、力強いピンクで、まさに一目ぼれ・・・だわぁ。↑これは、娘へのプレゼントにしましょう・・・・・と言ってもまだ11歳なので、それまではママの指輪にしておきます。えへ。大事なものがだんだん増えていくひとつひとつ守ってく明日には今日より光が見えるそんな自分でいたい(Beautiful Days by古内東子)今日で娘の学校はお休みです。今夜からマニラの旦那実家へ里帰り、年末には日本の実家です。もう少し、掘り下げて検証したかったのですが、時間がなかった・・ので、また来年。写真では本当にこの美しさが撮影できませんでした。何度も悔しい思いをしました・・・。もし機会がありましたら、他店でもいいので、実物をぜひ見てくださいね。宝石好きにはたまりません。ひとつ、ひとつの表情が違うので、できれば数個くらい比べてきると楽しいです~♪先日行ったベルワラの市場でも数個だけ見かけましたが、中には、「パパラチア・サファイア」と言われていたり・・・。パパラチアもいいですが、非加熱は探せないので、天然の無処理のこのスピネルの色は、本当に大地の恵みだと思います・・・感謝ですね!この冬休みにお会いできるみなさん、楽しみにしています♪(ブログは年末までお休みさせて下さい)前回のブログで、スピネルの原石の三角のマークをTerrace-likeと説明してしまいましたが、あれは、Etch Markです。私の持っている実物に、Terrace-likeも確認できますが、テキストの写真は、Triangular markingですね・・・すみません。スピネルの原石もかわいいですね!
2009.12.16
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はじまりは、このルース↓ピンクスピネルのルース(実物はもっと明るいです)知り合いのスリランカ人の宝石鉱山のオーナーが、タンザニアにも鉱山を持ち、そこから採掘されたスピネルのサンプル用ルース第1号そのひとつ(左)を頂きましたぁぁぁあ(* ̄∀ ̄*)/////***←ラッキー!!! そのルースは、高さがなく、研磨のプロポーションも悪いのだけど、色と照りがすごぉくいいんです。リカット(再研磨)したら、もっと輝くかしら?と思って研磨師に相談すると、プロポーションを重視すると、かなりサイズが小さくなるし、これだけ色と輝きがよければ、リカットの必要はないのではないか・・・・このまま、自分のコレクションとして、保管しておこうかと思いましたが、あまりに綺麗なので、自分の為に、シンプルな18金ホワイトゴールドの指輪に♪そして、私はこのピンクのスピネルにとても感動して、今回26個仕入れました。そして、再度、表面を磨き、(ポリッシュすることで、宝石保管中に宝石と宝石がぶつかってできたダメージを修正します)じゃあ~ん!!!!でも、この写真でもピンクスピネルの美しさが表現できない・・・ひとつひとつが、微妙な色の違いを見せます。どれもこれも輝きというか、宝石の照りがいいの・・・・とても美しいのです~!!!で、思ったのが・・・・・・これって、何か処理されてる????ちょうど、英国宝石学協会の季刊誌に、フラックス法の合成レッドスピネルの記事があり、それによると、フラックス法の合成でつくられた原石は、天然と同じ特徴的なマーキングである三角のマーク(Triangular growth)がある・・・。もちろん、買い付けた鉱山は信用がおけるところなので大丈夫なのですが、そういった、バックグランドではなく、宝石を見た時に、きちんと鑑別をするのが、私の仕事・・・・なのでピンクスピネルの合成、加熱などの有無を徹底検証します~!!!
2009.12.13
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現在入手している原石は、サファイア、スピネル、クリソベリルスリランカで産出され、私が大好きな宝石です。それらを原石の形を保ちながら磨いていきます。そしてジュエリーにする為に穴を開けてもらって・・・本日はその仕訳作業です。同じ種類似た色味似た形などという観点から分けていくのですが・・・・、↑これ、スピネルみなさん、微妙に色が違っています。はいはい、押さないできちんと並んでね~・・・・と声がけしながら並べるんですよ…私。(↑誰も押しあってないって!)こちらは、イエローサファイア、あなたたちも色が微妙に違うわね!(↑いらないお世話???)そして、こちらはクリソベリル。右は透明性が高いのですが、左はシルクのインクルージョンが多い為、透明性がないです。でもそれも個性だから、気にしないで・・・と声かけ。(↑本人は気にしてないでしょうけど・・・)これは、ブルーサファイアとピンクのスピネル色味が近いので、ピアスに!と思ったけど、形がそろわないですね。(↑ブルーサファイアの方は大丈夫かな。)ピアス用のペアを探すのって、かなり奇跡に近いと最近思うようになりました。こちらは、以前作成したジュエリーで形は同じサファイアなの・・・でも色が違う~!!!!イエローサファイアとブルーサファイア。しかし、この形と大きさはお見事なので、(↑神業だと思う!!!敬意を払いたい宝石ですね!)シンプルにチェーンをつないで、ネックレスにしました。原石を磨く前は、日に透かして、クラックがあるか、大きな内包物があるかを確認して、研磨する宝石だけを選ぶのですが、実際、磨いてみないとわからないものもあります。これ↓予想以上に内包物が多い・・・・。残念ですが、ジュエリーにはできません…(涙)(でもデビューさせたい!どなたか良い案ございます?)わたしと小鳥とすずと 金子みすずわたしが両手をひろげても お空はちっともとべないがとべる小鳥はわたしのように 地面(じべた)をはやくは走れないわたしがからだをゆすっても きれいな音はでないけどあの鳴るすずはわたしにように たくさんのうたは知らないよすずと 小鳥と それからわたしみんなちがって みんないい〔おなじ世界で みんなつながる〕
2009.12.06
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サファイアの購入の醍醐味は、原石を買って、それを研磨した時の色と輝きがどうでるか?そのドキドキ感も良いのですが、すでに研磨されたものを買う時は、これは非加熱か、どこまでの処理がされたものなのか?果ては合成石なのか?そのハラハラ感も楽しめます。(↑これが、宝石鑑別士の力試しですね)前回記事にも書いた、ベルワラの宝石市場。今回探していたのは、アクアマリンとガーネットでも、いいものは、ちっともなかった。前日に中国からの大手バイヤーが多く買い付けたらしい・・・。そんな中、興味深いサファイアをいくつか手に入れました。まず、コレ↓一見してスリランカらしいサファイアですが、顕微鏡で見ると・・・下の方、とてもおもしろい形のミネラルの内包物。(ジルコンかな?)宇宙戦艦ヤマトのような感じで、力強くブルー(宇宙)の中に存在しています。これだけ美しく形を留めている内包物は非加熱サファイアの可能性のひとつになります。(加熱されると内包物は溶けたり、壊れたりします。)でもね、研磨のプロポーションがよくない・・・。色はいいので、少しプロポーションを整えて、輝きを良くしましょう。もちろん、ヤマトは残しておきます。次は、こちらも非加熱サファイア、証拠は、コレ↓ペアの鉱物、あぁいい感じだわ・・・バブルじゃないよ。実はこれも研磨のプロポーションは悪いです。でも整えてしまうと、このペアの内包物が取り去られてしまう・・・・・・・・だからこのままにしておきましょう。色はいいですものね!こちらは、加熱されたものですが、色も輝きも私好みです。熱を入れると確かに照りがでます。ペンダントトップにいいかな。そして、これは、↓タンザニア産ルビー(写真より実物は赤が強くて透明感がいい!)タンザニアは、ミャンマー産にも負けない良質なルビーが採掘されると、スリランカの業者の間でも注目されています。だから、もちろん、クセモノも出ているので、買い付けは注意が必要ですね。顕微鏡では、こんな感じです。↓ミネラルの内包物も健在ですね。かなり綺麗な非加熱ルビー、1.11ct(マダガスカル産サファイアに似たような内包物の入り方ですね。)早速、研磨工場へ持ち込みます。買った宝石の8割は再研磨や表面の磨き直しが必要です。どのように研磨していくか、事前にしっかり話し合います。私のこだわりは、天然の証になる大切な内包物は残しておきたいので、それを考慮してその宝石にとって、ベストな状態を考えてもらいます。サファイアは色の集中する場所(カラーバンド)などがあり、そういったことも考えて研磨するので、一筋縄ではいかない・・・でもそのサファイアの持つ潜在的な魅力を最大限に活かしてあげたいですね。(もちろん、内包物の世界も潜在的魅力です!)
2009.10.11
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さて、泥水の中で宝石を洗うことを楽しんだ私たち親子→前回のブログへGO!洗ったムーンストンはこんな感じ↓白っぽい石のようですね。それをその場で選別していきます。ちょっとやってみましょう・・・・おもしろい!!・・・・↑でも毎日こればかりは・・結構大変ですね。同行していた娘(11歳)もかなり夢中・・・・・・・・に、選別されて捨てられたムーンストンの山から自分用のものをかき集めてました・・・あんなにたくさんあった、ムーンストンの中から、宝石質のものは、・・・・・・・・・・・・・これだけ???硬度が低く、割れやすいので採掘量はぐっと減ってしまいますね。ブルーのシラーが出て、透明性があり、大きなサイズのスリランカ産ムーンストンは希少です。最近はアフリカ産のぺりステライトが多く出回るようになりましたね。(↑こちらも美しい宝石ですが・・・)コロンボのお店もこれらが混ざって売られています。売る側もぺりステライトの存在を知らないので故意ではないはず。(↑でも仕入れの値段が違ってくると思うのですが???)まぁ、その中からムーンストンを探すのが、鑑別士としての仕事と醍醐味ですね。鑑別する方法のブログへGO!見た感じの青のシラーは、ぺりステライトの方が綺麗な気がします。(↑ジュエリーにすると綺麗ですね)正真正銘のムーンストン→ragems ShopへGO!(浮かび上がる青が神秘的!) 次回は、ムーンストンの研磨のお話です♪
2009.09.26
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1~3%↑この微妙なサジ加減は、神様の領域なのかも知れませんね。ルビーはサファイアと同じ、コランダムと呼ばれる鉱物で、化学組成は、酸化アルミニウムそこに、1~3%の微量なクロムが入ることで、赤い色のルビーになります。もしクロムの量が、1%以下になると、ピンクサファイアになってしまうし、クロムの量が多くなると・・・灰色となり、もはや宝石としての魅力はゼロになってしまいます。コランダムの中でもルビーは産出量が少なく、2カラットを超えるような大粒で良質なものは、さらに希少性が高まります。赤い宝石と言えば、ガーネットやトルマリンなどもありますが、ルビーの赤のすごいところは、クロム原子の動きが美しい!!!(英国宝石学協会のテキストより)ルビーに光を当てると、存在するクロム原子は、高いエネルギーレベルに持ち上げられます。高いレベルにいった原子は、元の低いエネルギーの位置に落ちていきます。そして、その落ちる時・・・・・・・・ここがドラマチックなの・・・、・・・・・・・高い位置で受け取ったエネルギーを、赤い色として放射する・・・・・あ~!!!!見えないところで、すごい努力をしているのですね!!!!!!(でも、そこに、鉄が存在すると、鮮やかな赤い色は邪魔されてしまいます。)本当に美しい赤を探すのは、難しいですね。こちらは、ビルマ産非加熱ルビーの内包物線のようなルチルが短いのが特徴です。スリランカ産はピンクがかったルビーが多いですが、ルチルは長いのが特徴です。でもこれは???↓コメットと呼ばれ、合成(フラックス)ルビーに存在する内包物。ルチルと見間違えてしまわない???高価なルビー、合成もたくさん出回っています。内包物だけで簡単に見分けつきにくいものも多くあるので、注意が必要ですね!微妙なクロムの量で、色が違ってきます。どちらも綺麗ですね(*^▽^*)(内包物の写真はPhotoatlsより)バンコクの滞在エピソード書いてます。→アメブロ「スリランカ的アンチエイジング」
2009.09.01
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