GOlaW(裏口)

2006/01/13
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カテゴリ: 西遊記
「だったら、“ナマカ"なんて言うな…」
──分からない、人の心など。

 岩の欠片が、人肌の温もりを忘れさせない。
 冷たき獣妖に、もう戻る事は出来ない。


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 さていよいよ、第壱話の感想のラスト、本筋の感想です。
 …ああ、ここにたどり着くまで長かった…(遠い目)。

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 今回、『鴎の行くままに ~とあるTRPG者の呟き~』の海鴎@DDさんと少しお話しまして。そのコメントでの指摘にすごく頷いちゃいました。
(該当記事は こちら

『人の心の弱いところしか見ていない状態では、「人の心は硬い石になる」という発言にはたどり着けない』
という指摘でした。
 確かにその通りなんですよね。
 ジャンルや対象年齢を問わず、ドラマで実は一番大切な『感情リアル』。主題に直結する部分においてそれが弱いという事は、かなり問題があります。


 勿論、しっかり作っていると思う部分もあり、そこは私も評価しています。
“初めて出会った妖怪を諭し、『仲間』として信頼してくれたこと”
“裏切られてもなお、石猿の心に残る想い”
“相手を想い、結び付けた鈴”、“人の温もりを宿す岩”
 …など、色んなギミックを詰め込んだこと。その部分での役者の演技もすごく良かったです。


 ただ、問題は“仁丹の描き方”ですね。
 私もこれに関してはすごく違和感がありました。中でもそれが一番強烈だったのが、
“一緒に檻に入れられ、つと視線をそらすシーン”
でした。
「いや、違うから。
 普通は“泣き崩れる”なり、“逆切れする”なり、“唇を血が出るまで噛み締める”なり、“自分もまた裏切られた事に感情を爆発させる”べきだから」
 思わずブラウン管に向けて突っ込み、そして
「…スタッフ、ほんとにアニメや特撮やライトノベルを読んでないね。こう言った状況に対する引き出しが無いな…」
と妙にしみじみしちゃいました(遠い目)。


 そこまで言われれば、『三蔵のかつての師@角野卓造が牛魔王と刺し違えでもすれば…』という意見にも、深く納得です。
 『刺し違えろ』とは私は言えないですけど(苦笑)。死ぬ気で時間を稼がせ、台詞の一つでも言わせれば雰囲気は変わったと思います。

 例えば、
「私は信じるものを間違えた。
 だが、そなたはまだ遅くないのだ。
 なぜなら、今もそなたは、心の奥底で弟子を信じておる」

「私はもう裏切るわけにいかぬ。信じるものを間違えるわけにいかぬ」
「馬鹿め、もう遅いわっ!」

 …って感じですね。

 『エロスとタナトスは仲良しだ』と言われます。相対する二つの感情を上手く反転させれば、それだけでも物語の完成度が上がったのに、と惜しまれます。

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 『封印解除』、『焔の雨の下の孤独』、『変化』のシーンの三つは、台詞と演技が共に突き抜けているのを感じました。
 …香取君、“正常ではない心”“尋常で無い状況”での表現が突き抜けてますよね。彼の本領を見た気がします。

『それが寂しい、って言うんだよ』
 こう言った台詞が出てくるから、ファンタジーって大好きです。

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 また、悟空が出ていないシーンでは
「十倍力を出せばいいんでしょ!(八戒)」
「十倍だ、十倍。うん(悟浄)」
の二つの台詞もすっごく好きです。師匠に対する誠意を感じます。

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 しかし、ゴールデンタイムでの下ネタ連呼はちょっと引きました(苦笑)。
 下ネタが比較的多い『クレヨンしんちゃん』や、未就学児用アニメである『怪傑ゾロリ』(共にテレビ朝日系)でも、ここまで無意味にネタは引っ張って無いですよ(苦笑)。
 一度や二度なら、笑って済ませられますけどね…(笑)。

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 凛凛が牛魔王の館から色んなものを盗んできたシーンについて。
 これまでの公式側の発表を合わせて考えて、
「…映画『ルパン三世 カリオストロの城』のラスト、“偽札原板を持って走り逃げる峰不二子”をやりたかったんだな」
とすぐに思い至りました(苦笑)。


 本来なら牛魔王の館にあった財宝の取り扱いは
『邑人に分配し、復旧費用に』
『国に納めて、その分だけ税の軽減を願い出る』
のいずれかが正しいんでしょうね。

 でも。
 「悪人に人権は無いっ!」と言い切り、盗賊団を壊滅させて金を稼ぐ某女魔導師のファンの自分としては(『スレイヤーズ』シリーズ)。
「悪人の宝ぐらい、少しばかり盗んでも構わないかな~」
と感じてしまうわけです(をひっ)。

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 次回は猪八戒が頑張る話のようです。
 彼のタイプは『本当に大事なものの為に、火事場の馬鹿力を出す』ことで、その魅力の真価を出します。
 脚本と演出と、伊藤君の手腕に期待しております!

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 余談。
「天国にいきてぇか、地獄にいきてぇか!?」
 中国ではあまり『天国』の話は聞かず、ほとんどの人が「自分は地獄に行く」と思われているそうです(笑)。
 これは仏教伝来前の中国思想である、『あの世は陰の世界』という考えが大きく関係しています。つまり、地獄のエピソードやイメージの方が、ずっと浸透しているんです。
(詳しくは 『中国妖怪伝-怪しきものたちの系譜』 のP164-194をご参考ください)





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Last updated  2006/01/16 09:19:30 AM


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