GOlaW(裏口)

2010/08/12
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「月ってさ、気がついたときに上にある」
 太陽であろうとする渇望に身を委ねてきた。
 だが、自らの本質は月だったのだ。

 そのことにやっと、気づいた。


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◆ 再生物語


 今回はその『再生過程』をまるまる一回分、ゆっくりと描いてくれたのはすっごく嬉しかったです。お陰で47分があっというまでした。
 どんな人間でもやり直せると信じたいから、だからこういうお話が好きなんです。

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◆ 太陽と月

 『太陽と月』も、個人的に好きな例えだったりします。
 SMAPの中なら、木村君を太陽、草なぎ君を月に例えてしまいますね。木村君の演技が必要と思ったものを彼自身から作り出して放つものなら、草なぎ君は求められるものを反映するように照り返すものだ……と思うからです。

 だから『月』を連想させる役柄を木村君が演じるのは、すごく不思議な感じがします。『今にも消えてしまいそうな優しさ』なんて、新鮮すぎて息を呑んじゃいましたよ。
 これまでずっと太陽のように、自発的に新しい流れを作る役柄が多かったと思うんですよね。
 うん、その比喩がでてきた分だけ胸がさらに高鳴りました。

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◆ リビルド(再構築)

 葉月は自らの衝動と、そこからくる信念に従うことによる破滅を知ることによって、ようやく現実と向き合うことができたのですね。
 盲信の根拠となる会社の成功が消えたこと、大切な人々が消えたことによって、ようやく『残った会社は本当に自分が求めてきたものか』ということに疑問をもてたんですね。

 盲信が消えて、自分の信じるものが無いから。
 だから人に根拠の無い自信をぶつけることができず――『今にも消えてしまいそうな優しさ』を持つようになったのですね。

 自分の軌跡をたどることで、彼は『かつて自分が望んでいたもの』『自分がなぜ間違ってしまったのか』を探るために歩き出したのですね。


>「レゴリスを見守ってください」
 雉畑に言う葉月。
 それはまだ、自分の進む道を見出せていないがために、ついて来てもらうこともできないため。
 そして、レゴリスも途中までは自分が望んだ形だったはずだから。


 大貫社長に泣きつかないのも、同じ理由。
 彼とともに行くのが正しい道かどうか、見出せていないから。
 彼とともに行かなかったのも、かつて自分が望んだ形だったはずだから。


 彼の足はゆっくりと己を遡り、大学時代の――レゴリスの始まりにたどり着くのですね。
 そして『レゴリス』という名前が生まれた状況をなぞる事で、過去の想いを取り戻すことができたのでしょう。

 その軌跡は今にも間違えそうで、絶望で見失ってしまいそうな道筋でしたけれど。
 彼の傍にいたのが真絵美だったから。人と関わること、これまでの自分のすべてを否定せず、肯定する気持ちだけを汲み上げることができたのですね。

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◆ 人と交わることが苦手で

 自分の渇望を抑えることができず、相手を思いやるよりもそれを優先してしまっていた葉月。
 そのことに気づき、『自分は人と関わってはいけなかったのでは』と苦悩する葉月。

 でもその苦悩は真絵美が否定します。人は嫌でも人と関わる、それを否定してはいけないと。
 真絵美の言葉は葉月にとって救いになったでしょう。すべてを否定されているかのような状況で、『自分の中に
肯定しても良い部分がある』と気づかされるだけで、どれだけ救いになるでしょうか。

 きっと葉月のように人と交わるのが苦手な人も居るでしょう。
 それでも人と交わってはいけないということは絶対に無いんですよね。

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◆ 大貫社長

 きっと本当は『葉月漣介のレゴリス』が欲しかったのですね。
 葉月漣介の経営手腕と家具に対するセンスを買っていたからこそ、彼が欲しかった。手段を選ばずにレゴリスを手に入れたのも、そうすることで葉月も手に入れられると思ったから。
 なのに彼はそこに執着することなく、去ってしまった。
 まるで勝ち逃げされたかのような悔しさがあったからこそ、大貫社長は憤ったのですね。

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◆ ニワシドリに生まれ変わる夜

 その名前で真っ先に『地球ふしぎ大自然』の草なぎ君ナレーションの回を思い出した自分は根っからのSMAPファンだと思います。……あの回のインパクトはすごかったですし。

 その鳥をモチーフに何かを作ってみようと道具を手に取った葉月。
 最初は悪戯と洒落のつもりだったのかも知れません。でも途中できっと気づいたはずです、職人こそが、自分の本質だと。
 経営者ではなく、作り手に回ることこそ、自分の本質だと。

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◆ すべてを手に入れた、ただひとつを除いて

 風見は葉月漣介の背中だけを見てきた。
 だから彼の心の中までは見ることができなかったんですね。 
 風見は目に見えるものはすべて奪い取りました。だけど渇望に狂ってしまった葉月しか見ていなかったから、そうではない彼を理解できなかったんですね。

 真絵美は『渇望に狂う前の葉月』を知り、支えていこうと思っていただけだから。『狂った葉月』を模倣した風見に魅力を感じていないんです。
 だけど、風見は真絵美の想いを理解できなかった。

 今の風見は、『狂った葉月』のような恋を手に入れることに躍起になっているようにしか見えません。
 そうすることで、葉月のような金持ちが持つすべてを手に入れたと思いたいのです。
 それは復讐を果たした後の空しさを穴埋めするものを求めているから? 更なる復讐の目標を見つけることで、心を奮い立たせるため?

 少なくともその想いは、純粋な恋愛感情といえないでしょう。彼はまだ、葉月の呪縛から足掻いているのですね。

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「見失ったときに、初めて気づくのかもな」
 見失った夢を、やっと思い出したのだ。





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Last updated  2010/08/22 09:20:25 AM
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