GOlaW(裏口)

2014/04/06
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 人斬りの業と、仏の道。
 業の道に生きる者が、救いを求めることは矛盾か。


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 宮本武蔵、という人物は本当に複雑な心を抱えた人物ですよね。
 人を斬ることで立身出世を目指すのに、仏像などを彫り、芸術でも名を残す。矛盾をその中に抱えた人物です。

 ドラマの中では創作を交えつつも、その『矛盾』を正面から見据えていますね。
 『人斬り』を肯定せず、そこからの救いが無いと断言しつつ。救いの無さを抱えたうえで、人斬りの道を歩む武蔵を描いています。
 肯定してはいけない部分はそのままに。エゴもしっかりと認めさせて。その上で剣豪武蔵を描くのは、現代のドラマらしいなぁと思います。

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◆ 獣と強さ

 自分の為に他人を傷つけることを恐れない心、あるいは他人を省みる事が少ない心。
 それこそが獣なのかもしれませんね。
 獣は人間が作る社会とは相反するが故に、社会の中では生きられないのだと思います。だからこそ沢庵も憐みつつも、助けられないと言ったのかもしれません。

 他人を省みることの無く、自分を通すことができるのは、ある意味で強さかもしれません。 
 他人が傷つくのを感じなければ、相手を傷つけるのに躊躇いがなくなるからです。
 獣であることと、強い事は両立するのかもしれません。

 けれど。他人の痛みを知る弱さもあれば、それは相手の隙を突くことにつながるのかもしれず。
 弱くあることは、社会性に適合する為に必要なのかもしれず。
 そして、弱さこそ本当の人間らしさであり、胸を張るべき事であり。地獄へとつながる苦しみへ堕ちる直前に、止めてくれる大切な物かもしれません。


 そんなことを、武蔵の生きざまを見ながらつらつらと考えてしまいました。

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 勧善懲悪ものの時代劇とはまた違う、自由でいて速度もある殺陣はとても見ごたえがありました。
 時に爽快で、時に力強く、時に生臭い。思わず引き込まれましたね。

 そして、小物っぽく物語を引っ掻き回す又八も印象的です。
 ……良く物語の最後まで生き残ったなぁ、とか。現実だとああいうタイプは心入れ替えたりしないよーな、とか。ちょっと思ったりもしましたが。
 でも、救いの無い武蔵と対称的に、彼と母親がハッピーエンドでほっとしたかな。お通への殺意や束縛などは、これから二人が一生かけて償うことだと思いますし。

 出演者の皆様、スタッフの皆様、壮大な大活劇をありがとうございました。
 また次の作品を楽しみにしていますね!

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 捨て去れぬ業を抱え、それでもなお。
 人は強欲に、その道を行き、己の可能性を開く。





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Last updated  2014/04/06 09:30:55 AM


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