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2月8日付日経NETでは
以下抜粋
同ファンドは8日、アデランスに対して抜本的な経営改善と岡本孝善社長をはじめとする経営陣の退陣を求める書簡を送付。5月の株主総会をにらんで両社の攻防が今後、激しくなりそうだ。
抜粋終わり
と報じた。 これが書簡だ。
SPのアデランスへの書簡概要 個人的な解釈が若干介在しますが、
アデランスの経営を委託できる他社との統合の可能性を含めて戦略的な代替案を考慮
を結論として提言。これを実行可能とさせるため、
財務アドバイザーとして投資銀行の起用およびSPから(スティール・パートナーズ・ジャパン代表から)取締役を指名しろ というロジックの組み立てになっています。
アクティビストの要求としては欧米では、もっとも多いパターンです(要するに身売りしろということ)。日本ではこれまで増配等の「かわいい」要求が中心でしたが、株価下落局面、要求が本格化してきたような気配がします。
これまでの経緯
これが調べた限り、現時点ではよくわからない。
SPはMBOによる非公開化で、短期的な利益追求でなく、抜本的なリストラクチャリングを迫り、そのためにSPからの役員派遣を申し出たが、却下されたといっています。
また、株主となって過去 4年間、岡本社長とも何度も面談し、こういった提案を行ってきたが、アデランス側の上場維持を尊重した 、とし、これまでは経営陣の奮起を期待していたような書きぶりとなっています。
これまでの経緯は情報不足で申し訳ないですが、上記SPの言及が実態をどの程度表しているのか、一方的で不明です。
ただし以下の指摘を今回行っています。
一方、この書簡に対するアデランス側の正式コメント(数日中に出るでしょうが)がない。
これまでのざっくりとしたIR経緯は最近だけですが、こんな感じです。青字が予想、赤字が実績、灰色の色塗りは下方修正値です。 (金額単位億円、経常利益額をあらわす)
06 年2月期の111億円の経常利益が、08年2月期の決算では現状予想では41億円と半分以下に急落していることがわかります。何か打開策が必要であることは言えそうです。 また、書ききれないのですが、06年2期は予想以上の業績だっただけに急落振りが目に付きます。
特に、
これだと、次期中計は、 「絵にかいた餅」 をあらわすようなものとなっています。この計画では2011年(平成23年2月期)に連結「営業利益」(従来経常利益が目標でしたが、営業利益となっています)150億円を目標としていましたが、1ヶ月もしないうちに、 発射台となるはずの20年2月期の下方修正を発表してしまっています(75億程度から150億と倍増させると見ていたものが、75億程度から40億円台に下方修正をし、そこから150億円と3倍以上増加、ほとんど4倍増となってしまいます) 。
株価を見てみましょう。結局株主ですから、自分の資産を気にしてしまいます。その際、最近のサブプライムや改革の遅れによる外資離れ(アンダーウエイト・ジャパンというやつでしょうか)を考慮する必要があるので、下記のようにするのがフェアーでしょう。
05/10以降の株価推移(05/10の株価を0とした暴落率の指数)
さらに直近6ヶ月程度では
赤字がアデランス 、 青が日経平均 、 緑が東証TOPIX の推移です。日経平均等と比較して、パフォーマンスが良いか悪いかを比較するのは、アクティビスト・ファンドの常套手段です。(よくこういった比較の後に、他社との役員報酬の比較をして、「もらいすぎ」批判をするので、これをお読みのIR担当や財務担当の方は注意して置いてください。)
うーん。度重なる下方修正で株価は05年10月以降、1度だけ市場をアウトパフォームしたっきりで、その後は坂を転げ落ちています。30%以上もアンダーパフォームしています。
SPの指摘内容そのものが、的を得ているのか(経営陣退陣、身売りも示唆)は、再度議論の余地も残りますが、株主として彼らが怒っているのはやむをえないような気がします。
ちなみにもっと長期間で見た株価推移。
04/10/27にSPの大量保有報告が提出され、その後も積極的に買い増ししていますが、SPプレミアムでしょうか、そのころはアウトパフォームしています。
現時点では、彼らの平均取得原価を大きく下回っていると思われ、こういった行動は 彼ら自身のロジックを考えると、ある程度当然かもしれません。
また、最近の株主構成は07/8末現在で外国人株主比率が50.9%を占めています。黄色塗りは外国人と思わしき投資家。上位10人で約71%、うち45%近くが外国人株主です。
今後の動向とライツプランが役立つかも注目していきます。
アクティビスト対策として、以下の拙ブログをご参照
(PS、ヤフーがマイクロソフトの買収提案を正式に拒否しましたね。拒否の会見で、やはりヤフーの潜在価値を過小評価しているという主旨になっています。ポイズンピルを導入していますが、FT等を読む限り、あまり話題になりません)
東証・大証の合併 2011/11/08
IBM初の女性CEOの誕生とプレミア投資法人 2011/10/27
社外取締役の有効性と限界 2010/02/24 コメント(3)