★夜明けの歌/メスカレロ・アパッチ族





        ―夜明けの歌―


        黒い七面鳥が 東の方で尾をひろげる
        するとその美しい突端が 白い夜明けになる


        夜明けが送ってよこした少年たちが
        走りながらやってくる
        かれらが穿いているのは
        日光で織った黄色い靴


        かれらは日光の流れの上で踊っている
        虹が送ってよこした少女たちが
        踊りながらやってくる
        かれらが着ているのは
        日光で織った黄色いシャツ


        かれら夜明けの少女たちは おれたちのうえで踊っている


        山々の横っ腹が みどり色になる
        山々のてっぺんが 黄色になる

        そしていま おれたちのうえに
        美しい山々のうえに
        夜明けがある

        (メスカレロ・アパッチ族)
        アメリカ・インディアンの口承詩/金関寿夫より




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