小学生のころ、
5階建ての社宅の5階に住んでいた。
夜になると
社宅の階段や踊り場に
光を求めて
カブトムシやクワガタや
いろんな種類のカナブンや
大人の手のヒラほどの
でっかいガや小さいガなど
いろんな昆虫が
集まってきていた。
子ども心には、
家に帰るまでの
あの階段、
いつも
お化け屋敷以上の
肝試し状態
ど迫力であった。
とにかく
それぐらい夜は
虫が豊富にいる社宅であった。
ある夏の夜、
家の台所で
家族だんらんの食事時。
父がベランダのビールでも
取ろうとしたのか、
網戸を開けた。
すると
ぶ~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!
と
黒っぽい虫が飛んできて
こともあろうに
ご飯を食べていた
わたしの おでこに
べちん!
と直撃。
それを見た弟が叫んだ
「くわがたのメスだ!つかまえて!」
わたしのおでこに直撃したあと
テーブルの上で
一瞬もがいて
また飛んだ
それは
カブト虫
でもなく
クワガタ、
でもなく、
巨大ゴキブリであった!!
「ここ5階なのに
どこから飛んで来たの~!」
と家族は大騒ぎ。
父が新聞紙で叩こう追いかけて追いつめると
ゴキは
こちらに向かって飛翔!
超パワフル・ゴキ。
結局ベランダから外へ
逃げていってしまった。
わたしはおでこを石鹸で洗いながら
「アレが、ご飯に落ちなくて良かったよ~~~」
って真剣にホッとした
呑気な小学生であった。