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次郎長は、おめえさんに・・・惚れましたよ次郎長をはじめ子分達が政吉を待っていました。政吉は、次郎長に真向からきりだします。政吉 「聞かせてくれ、次郎長。おめえは、佐幕に与するのか、それとも・・・」次郎長「ちょいと、待った。・・・どっちがいいかわりいか、俺のしったこっちゃ ねえ」政吉 「なにい」というと、政吉は刀を抜きます。それを見て子分達もドスを抜きますが、次郎長の「馬鹿野郎、刀を引け」との怒鳴ります。 そして、みんなに、こういうのです。次郎長「俺はな、この勤皇のお侍さんの、味方をするぜ」 次郎長がそういうと、子分達はドスをおさめました。その光景を目にし政吉がびっくりしていますと、次郎長が、政吉に、刀をおさめてくれるよう、促します。 じっと次郎長を見つめていた厳しい政吉の顔に笑みが浮かび、刀を鞘におさめます。 次郎長は「ありがとうござんす」というと、腰を下ろしあらたまって、政吉にこういいます。次郎長「次郎長は、おめえさんに・・・惚れましたよ。・・・東海道のことは、こ の次郎長にまかしておきなせい」政吉 「うん。・・・かたじけない」政吉の言葉に「へい」と返事をした次郎長は、立ち上がると外に待っていた者達に「野郎ども、出て来い」と声をかけました。「おう」という声がして、入って来たのは旅支度をした三下達でした。 これは・・・という表情で次郎長を見る政吉から視線を外す次郎長。六助や七助たちは、政吉のお供をして京で男らしい大喧嘩をさしてもらうというのです。「いけねえ、そいつはいけねえよ」と困り次郎長に助けを求める政吉に大笑いする次郎長。 次郎長「あはっはっはっは、さあ、次はお雪だ」政吉 「えっ?」 次郎長がお雪を呼びます。六助達は二人の仲を羨ましそうに見ています。 お雪の姿が見えると政吉も神妙な表情になりました。 お雪が政吉に呼びかけます。お雪「政吉・・・」政吉がお雪の方を向き、政吉「お雪さん・・・」といいますと、お雪は2、3歩近寄り、政吉にお雪「ごめんね、政吉と、もう一度だけ、呼んでみたかったの」 政吉は、じっとお雪を見つめます。そして、お雪の気持ちに、政吉「へい」と答え、深々と頭を下げます。 お雪が、お詫びのしるしと、政吉が京に上るために用意をした装束を差し出します。茶摘み娘達がチャッキリ節の歌を唄いながら茶摘みをしている茶畑のところに、侍の装いの政吉を先頭に、三度笠の装いの六助達が京へ向かって行きます。 娘達の唄声に合槌を入れながら、楽しそうに歩いていた政吉、チャッキリ節の”きやーるが鳴くんで雨ずらよ”という節に来たとき、政吉は清水に来たあの日を思い出したのでしょう。政吉「おれぃ・・・おう、(明るく笑い)あっはっはっはっ、・・・合羽を着ろい」みんなが何のことかと「えっ」というと、政吉「合羽を着るんだい」 の声で一斉に合羽を着て、走り出します。 おしまい。
2023年09月26日
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勤王志士跡部政之進(ここから、大立回りになります)政吉を待ちかまえていた為五郎一家の中にいた用心棒の浪人がかかってきます。浪人を見て、政吉は「新選組くずれ」と分かります。 政吉は中へと入って行き、一段落したところで、政吉は懐から熊吉の位牌を出すと、 政吉「おい熊、おめえを殺したのはこいつかい、・・・それとも、こいつ か・・・」と位牌を向けながら、部屋の奥へと踏み込んでいきます。 政吉「よーし、それじゃ、みんな叩き斬ってやるぜ」 用心棒を斬った後、為五郎を追い詰めていきます。為五郎が斬られ、子分達は逃げて行きました。 政吉は、襖に、勤王志士跡部政之進と残していきます。為五郎の家からの帰り六助には、金子を渡し、おすきさんのところへ帰るようにいっているところへ、次郎長からの迎えがやってきました。次郎長一家と政吉(跡部政之進)とのけりをつけたいのでどうしてもお連れして来いと、いうのでした。 政吉は笑いを浮かべ政吉「そうかい」というと、今度は真顔で政吉「もし、いやだといったら・・・」というと、「親分が、こうしろとおっしゃいました」とドスを抜いてきました。 それを見て政吉は政吉「よーし、わかった、望むところだ・・・会おう」 続きます。
2023年09月15日
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分かってるよ、お侍れえさん熊造と書かれた位牌に線香をあげ手を合わせている次郎長の部屋の障子が静かに開きました。「誰だい」と声をかける次郎長、入って来たのは政吉、障子を閉めたとき、次郎長「何の用だ」政吉「次郎長親分」政吉は刀を持ち仏壇の前に座っている次郎長のところまでやってきます。政吉「街道一とうたわれた大親分だ、・・・といいてえところだが、見ると聞くと は大ちげえだ。かわいい子分をなぶり殺しにされて、位牌に手を合わせて、 ぼろぼろ泣いていなさる。ちえっ、・・・いいかい、男一匹と生まれたから にゃ、やるべき喧嘩にゃ、りっぱに命をかけるもんだ。おらあ、京都で、 ・・・よろこんで死んでいった男をいくらも見た。それは武士だけじゃな い、町人も百姓も、・・・みな笑って死んでいきやがったぜ。・・・残され た家族の口からも、一度だって角太郎の女房のような言葉はもれなかった。 何故だか、・・・」次郎長は黙ったままです。 座っていた政吉は、刀を持ち、片膝たてる姿勢で、次郎長に浴びせかけます。政吉「おうっ、次郎長さん、いま国をあげて佐幕か勤皇かと大喧嘩の真っ最中だ ぜ。兎に角、(この時、次郎長が傍にあるドスに手を伸ばしています)どっ ちがいいか悪いか、その人たちの心ではっきり決めて、死に物狂いでやっ てるんだ。男の中の男といわれる次郎長さんなら、一生に一度はそんな喧 嘩の味を、なめてみる気はねえかい」 そのとき、「なめるねい」という言葉がとび、次郎長のドスが政吉めがけ振り落ろされます。振り下ろされたドスを政吉が止めると、次郎長は笑って、次郎長「分かってるよ、お侍れえさん」その言葉に、一瞬ハッとするが、政吉は何もかも見通した次郎長を見て、笑いを浮かべ、 政吉「そうと分かりゃ、・・・親分、しばらくこの位牌をかりますよ」 部屋を出て行こうとした政吉は、廊下にいたお蝶とお雪を見て足が止まりますが、次郎長の方に「ご免なすって」というと、二人には声をかけずに足早に行くのです。 次郎長は、お雪に、政吉は為五郎のところへ殴り込みに行ったことを伝えます。為五郎一家の方へ急ぐ六助は、喧嘩支度をした政吉に会い、一緒に死んでくれるか、というと、政吉は「俺は死にやしねえよ」と。そして厳しく、政吉「てめえなんかの、出る幕じゃねえ、けえれ」走る政吉、一緒に行くと追ってついて来る六助、そのとき、為五郎一家の者がかかってきたあと、政吉は囲まれます。一匹だけでも斬らしてという六助に「よーし、それじゃ気をつけて付いて来いよ」と為五郎の家に向かっていきます。 続きます。
2023年09月06日
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