発達障害児が伸び伸びと育つために~保健師の目で見た子育て~
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発達障害を持つ子は、コミュニケーションが苦手ですが、その中身は本当に子どもによってさまざまだと思います。表情が読めない言葉通りに受け止めるあいまいな表現がわかりにくいTAKUYAは、これらはかなり乗り越えてきたように思います。意識して表情を読む努力をしたり、言葉の裏を教えたり、あえてあいまいな表現をして、開設したりしてきましたが、やはり社会生活の中で、彼自身も自分で学んできたなぁと感じます。ただ、家族だと彼の独特のコミュニケーションに慣れてきて、違和感がないので、意識して教えることが難しくなっているなと思います。今日、こんなことがありました。待ち合わせをしていたのですが、それぞれに事情があり、場所の変更と私が遅れてしまったことでTAKUYAをずいぶん待たせてしまいました。そんな時も、「別にいいよ」といつもTAKUYAは言ってくれるので、私もそれについ甘えていたのですね。TAKUYAは怒りません。いつも淡々としていて、こちらが悪くても許してくれます。でも今日は、悪かったなぁと思って、何度も謝っていると「僕、ずっと外で待っていたんだ。今日は寒かったから手がかじかんだよ」「本当は、8時からのテレビを見たかったんだ」私は、「エ~~!」「室内で待つって言ってたよね?」「テレビのことは初めて聞いたんだけど。知ってたら何が何でも急いだのに・・・」と伝えると、「別にいいんだよ。怒ってないから。不可抗力ですから」と言うのです。「でもね、誰が悪いかということじゃなくて、次にこういうことが起きないように、どうしたらよかったのか、考えてみようよ。途中でおかしいと思ったら、電話をかけるとか。今日は、見たいテレビがあるって、あらかじめ伝えるとか・・・」と提案すると、「え~普通の人は、みんなそうやって、次はどうするかを考えてるの?僕は、許すか許さないか、とか、誰が悪いか、とか、わざとか不可抗力か とか、そういう風に考えるものだと思っていたよ。お母さんが悪気がないのはわかるから、腹を立てたらいけないんだ」「でも、相手がわざとじゃなくても腹が立つときはあるでしょう?!同じ失敗を何度も繰り返すのは、賢くないよね?!」そう言って話し合いました。そして、(訓練のつもりで)予定が変更することもあるから、おかしいと思ったら電話をかけることその日の予定や、希望をできるだけ相手に伝えることこの二つをやってみることにしました。こういう一つ一つのやり取りが必要なのだなと感じます。ところで、その後、私が遅れた理由を説明すると、TAKUYAの反応は、「ふぅーん」だけです。いつものことなので、何とも思わなかったのですが、私も気持ちを伝えてみました。「お母さんはね、TAKUYAを長く待たせて困らせたから、TAKUYAに悪いことをしたと思って、心が痛んでいるんだよ。だから、こんなどうしようもない理由があったんだよ、って事情を話して、TAKUYAの気持ちがちょっと軽くなるかなと思ったの。だから、TAKUYAから気持ちをフィードバックしてもらえるとうれしいんだけど」「え?別に。理由を聞いてもふぅーんとしか思えないんだけど」「あ、なるほど」アスペの大人とコミュニケーションをとるとき、フィードバックがないのでやり取りしていて、心にスッと落ちてこないことがあります。それはそれでいいかと思っていたのですが、TAKUYAにその気持ちを伝えてみました。気持ちを伝えるって、ものすごく難易度が高いものなのかもしれません。でも、これからも伝えてみよう・・・と思っています。Akiko
2010年05月29日
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