音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年01月18日
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カテゴリ: クラシック音楽

spotifyで偶然知ったアルバム。
ジャケ写のメアリー・ベヴァンのインパクトのある表情に惹かれて聴いてみたら、これが何とも言えない華やかで洒落たアルバムで、まさにアルバム・タイトルの「最も素晴らしいパーティー」通りだった。
ブックレットによると『イギリスの著名な俳優、作家、映画監督そして作曲家としてなど様々な分野で活躍をした ノエル・カワード (1899-1973)の没後50周年を記念して作られたこのアルバムで、ノエル・カワードと同時期に活躍したプーランクやブリテン、サティそしてストラヴィンスキーなどの作品を収録』とのこと。
因みに、ここに名前を連ねているアメリカの作曲家 ネッド・ローレム はカワードと付き合っていたとか。
カワードの作品は最初のメドレーを含め10曲収録されている。
筆者がカワードの曲を聴くのは多分初めて。
殆どポピュラー音楽なのだが、これが実にいい。
カワードの信条である「シリアスな人生劇より、洗練された喜劇」がダイレクトに反映された曲が多い。
イギリス人特有の快活でウイットに富んでいて、ぬくもりやペーソスも感じられる歌揃いで、しかもゴージャスだ。
演奏はソプラノのメアリー・ベヴァン、テナーのニッキー・スペンスというイギリスの歌手に、歌曲の伴奏で定評のあるジョゼフ・ミドルトンのピアノというメンバー。
二人の歌手は全く聞いたことがなかったが、とても達者な歌唱で、ポピュラー寄りの曲も生硬さがなく、とても楽しめる。
ミドルトンのピアノの上手さにも、ほとほと感心した。
短い曲が多いとはいえ全27曲77分あまりという充実した内容で、さながらイギリスのしゃれたナイトクラブでの一夜(行ったことないけど)の出来事のような趣だった。
最初のカワードのメドレーはイントロのミドルトンの華やかなピアノから一気に惹きこまれるれる。
気分としてはミュージカルの音楽を聴いているような、ワクワク感が感じられる。
どの曲もいいが、特に気に入ったのは、動物の声色を使った.「Any Little Fish」。
ユーモアたっぷりで楽しい聴きもの。
ベヴァンの声色が秀逸だが、特に鶏の鳴き声は最高!
ブリテンやウォルトンなどイギリスの大作曲家の曲も違和感がない。
特にウォルトンの「Popular Song」は語りのようなものだが、スペンスの演技っぽい語りもあり、ユーモアたっぷりの出し物だった。
最後の「I Went to a Marvellous Party」はパーティーの様子を男と女が語るというもの。
中身はなかなか辛らつだが、しゃれた曲で、気分良くアルバムを聞き終えることが出来る。
歌詞
歌入りの曲に対して、ピアノ曲はクールな雰囲気。
さながら高揚する気分を冷ましているようだが、個人的には冷ましているどころか水を差しているような感じだった。
録音は豊かでマイルドなもので、アルバムの音楽にふさわしい。
ブックレットには歌詞は載っていなかったので、カワードの神聖な?世界観を知ることが出来なかったのが残念。
ブックレットの内容はかなり面白く、カワードの魅力が窺える小話がたくさん詰まっている。
先ほどのゲイの話のほかに、ネッド・ローレムはプーランク(この人もゲイ)の「象のババール」で象の役をやったとか、ストラヴィンスキーは1930年代にカワードとのコラボレーションを依頼されたことがあったとか、ブリテンやウォルトンも個人的な付き合いがあったことなども書かれていて、大変興味深い内容だった。
ということで、カワードの曲のすばらしさに酔いしれたアルバム。
広くお聴きいただければと思う。

A Most Marvellous Party

1.Noël Coward:I’ll See You Again / Dance Little Lady / Poor Little Rich Girl / A Room With A View / Someday I’ll Find You / I’ll Follow My Secret Heart / If Love Were All / Play Orchestra Play
2.Noël Coward:Mad About the Boy
3.Ned Rorem:Early in the Morning
4.Ned Rorem:For Poulenc
5.Francis Poulenc:3 Pièces, FP 48: No. 1, Pastorale. Calme et Mystérieux
6.Francis Poulenc:Banalités, FP 107: No. 2, Hôtel
7.Noël Coward:Parisian Pierrot
8.Kurt Weill:Complainte de la Seine
9.André Messager:Véronique: De-ci, de là
10.Eric Satie:Gnossiennes: No. 1, Lent
11.Noël Coward:Any Little Fish
12.Igor Stravinsky:Valse Pour les Enfants
13.Noël Coward:Something to do with Spring
14.Roger Quilter:Love Calls Through the Summer Night
15.Roger Quilter:Now Sleeps the Crimson Petal
16.Ned Rorem:Now Sleeps the Crimson Petal
17.Noël Coward:World Weary / Twentieth Century Blues
18.George Gershwin:The Man I Love
19.Noël Coward:If Love Were all
20.George Gershwin:By Strauss
21.Noël Coward:Don't Put Your Daughter on the Stage, Mrs Worthington
22.Benjamin Britten:When You're Feeling Like Expressing Your Affection
23.William Walton:Popular Song
24.Benjamin Britten:On This Island, Op. 11: No. 5, As it is, Plenty
25.Liza Lehmann:Love, if You Knew the Light
26.Noël Coward:The Party's Over Now
27.Noël Coward:I Went to a Marvellous Party

Mary Bevan(s)
Nicky Spence(t)
Joseph Middleton(p)





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Last updated  2024年01月18日 13時24分52秒
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