【中学受験】算数の解法テクニック♪

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2008年05月11日
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カテゴリ: 中学受験算数
昨夜は更新がうまくいきませんでした。(回線混雑のため?)
あらためて投稿します。


比術(比の差に注目して解く)


    ─────────────
     「逆比」を知らずして
     中学受験に臨むことなかれ。
    ─────────────

というのが前回の締めでした。

が、「逆比」をしっかり使えるようになるには、
基本的な「比」の性質の理解が前提です。

それで、今回から「比」について
逆比以外の性質も含めて
さらに掘り下げていきたいと思います。

それでは、早速やっていきましょう。




           ≪問題≫

同じ重さの容器ABに入っている水の重さの比は2:1で、容器
を含めた重さの比は13:8である。ABの両方に各々96gの水を
追加したら容器を含めたABの重さの比は3:2になった。
水を追加した後のBの容器を含めた重さはいくらになったか。

1.360g 
2.420g 
3.480g 
4.540g
5.600g 








     mazuha jibun no chikara de kangaete ne!




「比」オンパレードのこのタイプの問題は
最初はかなりややこしそうに感じるかもしれません。

でも、

    「比」が沢山書いてある、

ということは、

   それだけヒントがそろっている、

ということでもあります。


   kanarazu jibun de kangaeyoh!




では、まず、いきなり解答です。
─────────────
■超高速解法
3:2を5倍すると、15:10
(水を加えた後の重さの比)

15-13=2、10-8=2
(加えた水の重さは2)

96g×10/2=480g
正答 480g(選択枝3)
─────────────

↑こんなに簡単にできてしまいます。


■解説
この問題は「あること」に注目すると、
そこを突破口にして簡単に解けます。

あることとは、何でしょうか?
比の条件をまとめますので、よ~く見て考えてください。


(ア)水の重さは、

  2:1

(イ)容器の重さは

  1:1

(ウ)全体の重さは

  13:8

(エ)追加した水の重さは(各々96g)

  1:1

(オ)水を追加した後の全体は

  3:2


比の流れをまとめるとこんな感じです。

問題文中では比であらわされていなくても、
「容器」は同じ重さなので「1:1」とか、

「追加した水の重さ」も「1:1」などと、
「比の世界」で考えることがポイントです。


さて、この中でどこに注目するかというと・・・

それは、

  ───────────────────
  ☆(ウ)と(オ)におけるABの重さの「差」
  ───────────────────

です。

   ──────────────────
   ☆「差」にルンルン♪と注目するんです
   ──────────────────


たったこれだけのことで簡単に解けます。

ではやってみましょう。

まず、(ウ)と(オ)に注目すると、



(ウ)全体の重さ13:8

↓「※水96gをプラス」

(オ)水を追加した後の全体は3:2




(ウ)に「※同じ重さの水をプラス」したものが、
(オ)なので、(ウ)と(オ)において、


  ──────────────────
  ──────────────────
  ☆AとBの重さの「差」は変わらない!
  ──────────────────
  ──────────────────


言われてみれば「ああそうか」だと思います。

でも、

   自分でこのことに気づくかどうか?

が運命の分かれ道です。

※数量変化については、
その「差」に注目する習慣をつけましょう。


さて、AとBの重さの「差」が変わらないことに
気づいたところで、実際の比を見ると・・・


(ウ)全体の重さの「差」・・・13-8=「5」
(オ)水を追加後の「差」・・・3-2=「1」


「あれ~、差がちがうぞ!どうなってるの?」

と、一瞬思ったとしても、


  ───────────────────
  ☆「違うならそろえてしまえホトトギス」
  ───────────────────

というように信長よろしく、
比の「差」を強引に(笑)そろえます。

または、

  ────────────────────
  ☆「違うならそろえてみせようホトトギス」
  ────────────────────

というように秀吉よろしく、
比の「差」を賢く(笑)そろえます。


まあ、信長でも秀吉でもどっちの気分でも
いいんですが(笑)、とにかく


   ────────────────
   ☆「比の差」の数字をそろえます♪
   ────────────────


さて、


(ウ)全体の重さ13:8

↓「※水96gをプラス」

(オ)水を追加した後の全体は3:2


という状況において、


(ウ)全体の重さの「差」・・・13-8=「5」
(オ)水を追加後の「差」・・・3-2=「1」


これを見れば「比の差」をそろえるため」には、


    (オ)を5倍すればいい!

とわかります。

(オ)「3:2」×5=「15:10」


これで、状況を確認すると、

━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ウ)全体の重さ13:8

↓「※水96gをプラス」

(オ)水を追加後の全体は15:10
━━━━━━━━━━━━━━━━━

そうすると、

プラスした水の「比」は、15-13=「2」

(または、10-8=「2」)

と計算して「2」となります。




   ☆比の差が「2」でそろった!




このプラスした水「2」が96gなので、


  「2」=96g


これで、あとは、
水を追加後のB全体の比「10」が何gか
求めれば終了です。


「2」=96g 
「10」=?g 

これで、?を計算で求めるのは簡単です。

比例式をきちんと組んでもいいですが、
「2」の5倍が「10」なので
単純に、96gの5倍をするだけでOKです。

 96g×5=480g(96g×10/2でも可)

正答 480g(選択枝3)


いかがだったでしょうか?
「差」に注目して比をそろえるだけで、
むずかしい計算をしないで簡単に解けることを
実感してもらえたと思います。


   ------------------
   ☆比の差に注目し、
   比をそろえて解く!
   ------------------


こういうやり方を、僕は「比術」と呼んでいます。

「比術」は「秘術」。
(なんとなくカッコイイ響きでしょ?笑)


最後に、最初に書いた「超高速解法」を
もう一度まとめとして示します。

────────────
■超高速解法
比の差をそろえるために、
3:2を5倍すると、15:10
(水を加えた後の重さの比)

15-13=2、10-8=2
(加えた水の重さは2)

96g×10/2=480g
正答 480g(選択枝3)
────────────

しっかり「比の流れ」をつかむ練習をしてくださいね。


    ─────────────
     ☆「比」を知らずして
     中学受験に臨むことなかれ。
    ─────────────


それではまた次回まで~。


最後まで読んでいただきありがとうございます♪



※注意
「比」というのは「A:B」の形そのものを言います。
そして正式には、左のAは前項、右のBは後項と呼びますが、
ここでは(今後も)、「A」も「B」も「比」の一部という
意味で「比」と呼ぶ場合があります。

※上記文中の「ルンルン」は死語のような・・・笑








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Last updated  2008年05月11日 10時39分41秒
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