「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2016.03.22
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カテゴリ: 美術館・博物館

フランスのロココ美術「フラゴナール」を代表する作品である

【恋の成り行き】連作・・・気になりますね(^-^)b

どんな「恋」なのでしょうか?

ニューヨーク「フリック・コレクション」の作品でストーリーを追ってみましょう♪

恋の成り行きは・・・

逢い引き→追跡→冠を受ける恋人→付け文→棄てられて(物思い)

連作『恋の成り行き-逢い引き』

フラゴナール・恋のなりゆき.jpg

(Rendez-vous) 1771-73年頃

317.5×243.8cm   油彩・画布

フリック・コレクション


フランス・ロココ美術の巨匠ジャン・オノレ・フラゴナールを代表する

連作≪恋の成り行き≫のひとつ『逢い引き』

本作は貧民階級層の出身ながら、

当時のフランス国王ルイ15世の愛妾(公妾)となり、

宮廷内で絶大な権力を得ていたデュ・バリー夫人の依頼によって、

(ルイ15世から賜った)ルーヴシエンヌの館の装飾画として

1771-73年頃に制作された4点から構成される

連作『恋の成り行き』の中の1点である。

本作は連作『恋の成り行き』の中で

最初の場面(第一場面)を表すとされており・・・

一般的には次いで『追跡』

第三場面に『冠を受ける恋人』

そして最後の場面(第四場面)として『付け文(恋と友情)』とされているが、

この作品の順序については

第三・第四場面を入れ替えるとする説も唱えられている。

本作に描かれる若い男女は、

その関係が密かなものなのであろう、

どこかの城館の庭園を思わせる、

美しい木々と薔薇の園の中に置かれるキューピッドを伴う

愛の女神の石像の前で密会している。

鮮やかな朱色の衣服を身に着ける若い男は、

木製の梯子を使い石塀を登って、

女の待つ待ち合わせ場所に赴いたばかりのようである

(又はこの場を立ち去らんと梯子を降りようとしている)

一方、先に石像の前に来ていた若い女は

周囲の様子を注意深く伺う中、物音がしたのだろうか、

左手で男に何か合図を送っている。

両者の視線は何かを伺うかのように同一方向を向いており、

この場面が緊張的空間をより一層、明確にしている。

しかし本作で用いられた表現は、

緊迫した状況とは相反するかの如く、

ロココ様式独特の優美でありながら世俗的で軽薄な雰囲気に満ちている。

また明瞭かつ軽快な本作の色彩描写も秀逸で、

特に背景に描かれる木々の大気感や幻想性、

詩情性に富んだ表現は画家の森林描写の大きな特徴であり、

連作『恋の成り行き』の中でも随一の出来栄えを示している。



連作『恋の成り行き-冠を受ける恋人(恋人の戴冠)』

冠を受ける恋人.jpg


(Amant couronné) 1771-73年頃

317.8×243.2cm   油彩・画布

フリック・コレクション


18世紀フランス絵画の画家ジャン・オノレ・フラゴナールの作品中、

最も様式的趣味が表れた作品のひとつ『冠を受ける恋人(恋人の戴冠)』。

本作は貧民階級層の出身ながら、当時のフランス国王ルイ15世の愛妾(公妾)となり

宮廷内で絶大な権力を得ていたデュ・バリー夫人の依頼によって

(ルイ15世から賜った)ルーヴシエンヌの館の装飾画として

1771-73年頃に制作された4点から構成される

連作『恋の成り行き』の中の1点である。

連作『恋の成り行き』は、

『逢引き』『追跡』『付け文(恋と友情)』

そして『冠を受ける恋人』から構成される、

若い男女の間の恋の経過(発展)を描いた作品群であるが、

本作では二人の恋の成熟の場面が表現されている。

画面中央では若く美しい娘(女性)が、恋人となった同じ年頃の男の頭上に

(二人の恋の成熟を象徴する)花輪の冠を掲げている。

一方、若い娘の一段下では男が娘の手を取り、一心に視線を向けている。

また二人の背後には眠りにつく愛の神キューピッドの彫像や、

二人の恋の成熟を祝福するかのように薔薇を始めとした花々が咲き誇っているほか、

画面の下部には二人の姿をスケッチする男が配されている。

画家の得意とした赤色や黄色が効果的に使用された軽やかな色彩や、

幸福的な雰囲気、甘美性漂う愛の世界観などが観る者の眼を惹きつける本作は、

フラゴナールの作品としては比較的珍しい典型的なロココ様式の展開であり、

画家の瞬間を捉える卓越した絵画技法が存分に示されたものではないものの、

ロココ独特の趣味とその特徴が良く表れた本作は

画家の代表作のひとつとして広く知られている。

なお、おそらく新古典様式で改装されたルーヴシエンヌの館に合わないとして、

制作後間もない1773年にフラゴナールへと返却された連作『恋の成り行き』であるが、

画家はフランス革命勃発後の1790年に『棄てられて(物思い)』という

連作の5点目となる作品を制作している。


連作『恋の成り行き-追跡』

恋の成り行きー追跡.jpg 1771-73年頃  油彩・画布  317.8×215.5cm

フリック・コレクション


連作『恋の成り行き-恋文(付け文、恋と友情)』

恋の成り行きー付け文・恋と友情.jpg  1771-73年頃  油彩・画布  317.1×216.8cm 

 フリック・コレクション

棄てられて(物思い) (Abandonnée ou Réverie) 1790-91年
棄て垂れたられた物思い.jpg
317.8×197.1cm   油彩・画布

フリック・コレクション


18世紀後期ロココ様式最後の巨匠ジャン・オノレ・フラゴナール晩年の重要な作品『棄てられて(物思い)』。

本作は貧民階級層の出身ながら、当時のフランス国王ルイ15世の愛妾(公妾)となり、

宮廷内で絶大な権力を得ていたデュ・バリー夫人の依頼によって制作された

4点の連作『恋の成り行き』に後年付け加えられた5点目の作品である。

本作に描かれるのは、ひとりの若い娘が鬱蒼と葉を茂らせる

庭園の円柱の下で物思いに耽る女性であるが、

その失恋の悲しみに満ちた表情や仕草、

そして円柱の上に配される一体の愛の神キューピッドなどは

連作『恋の成り行き』で最高潮にまで達した若い恋人たちのその後を如実に連想させる。

本作の解釈としてはルイ15世の死後、

急速に権力を失墜させたデュ・バリー夫人を暗示するとする説や、

ロココ美術最大の立役者であったブルボン王朝(君主制)の崩壊で過ぎ去りし日となった

当時の幸福的で甘美なひと時に対する憧憬、

又は無常の念を表したとする説が有力視されている。

表現手法や様式に注目してみると、

以前手がけた4作と比較し明らかに即興性や豊潤な色彩描写、

細部の処理に劣機が感じられるものの、

画面全体から醸し出される儚げでメランコリックな雰囲気には、

フランス革命後にフラゴナールが置かれた非恵沢的な状況による

憂鬱な精神性が強く感じられる。連作『恋の成り行き』は

新古典様式で改装されたルーヴシエンヌの館に合わないとして、

制作後間もない1773年にフラゴナールへと返却されたものの、

画家が故郷グラッスへと帰郷した際に

本作を加えて従弟の邸宅の装飾に用いたと伝えられている。

えええっ!ドロドロの末に・・・結局は

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最終更新日  2016.03.23 00:50:36
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