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January 10, 2016
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みなさん、こんにちは。連休中も天気がいいですね。
朝がゆったりなので風邪をゆっくり治す事ができそうです。
さて、今日紹介するのは昨日紹介したエッセイの第二弾です。


残酷な王と悲しみの王妃(2)
中野京子

絵画を交えながら王族達の生涯を語るシリーズ第二弾でとりあげられたのは、いずれも映像化作品が残っている有名人だ。

 トップバッターはバイエルン王ル―ドヴィヒ二世。先ごろ出版されたカチュール・マンデスの『童貞王』の主人公、フリードリヒ二世のモデルだ。ワグナーに突撃インタビューを行ったにもかかわらず、彼の生存中に刊行されたからなのか、モデルとなった作曲家ハンス・ハンマーはわずか1シーンの登場で、そのかわりに活躍するのがフリードリヒ。父の従姉でオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベートに憧れを抱き、その妹と婚約しながらも彼女から逃げ回る…というル―ドヴィヒの逸話は、人間関係を多少変更して『童貞王』にトレースされ、祖父ルートヴィヒ1世を魅了した踊り子ローラ・モンテスを模した肉感的美女から追いかけられるフィクションが加わっている。ところで、本書にてルートヴィヒ1世とローラの出会いが紹介されているが、みんなは王のもとに「今年は年貢が払えない」とか「村で疫病が流行して…」とかシリアスな悩みや陳情を持ちこんでいたのに、乱れた衣装で「私、劇場で踊りたい!」と談判しにいく彼女の勇気を誉めたたえるべきなのか、それをまともに取り上げた王を「なんでどす?」と問い糺せばいいのか、悩ましい。

 しかし彼を主人公に据えた最も有名な映画はルキノ・ヴィスコンティ監督の『ルードウィヒ/神々の黄昏』だろう。「ル―ドヴィヒは写真でも絵画でもいつも視線をあらぬ方にさまよわせている」という中野さんの指摘がなかなか鋭い。


 二番手はロシアのアレクサンドル三世妃マリア。ロシア最後の皇帝ニコライ二世の母后といった方が通りがいい。映像作品では、主役にはならないが、イザベラ・ロッセリーニがハリウッドに戻って撮った『追想』に晩年の姿が、『ニコライとアレクサンドラ』には血友病の孫が生まれた頃からの姿が登場する。

 三番手はスペインのカルロス三世だが、章の主役はむしろ彼の妻スペイン王妃マリア・ルイサ。映像作品でもやはり彼女の方が多く登場する。ビガス・ルナ監督の『裸のマハ』では、スペイン王妃ルイサ、王家に勝る社交界の華カイエターナ・アルバ公爵夫人、野心家の総理大臣マヌエル・デ・ゴドイ、『裸のマハ』のモデルと言われたゴドイの愛人ペピータ・トゥドー、ゴドイの存在を快く思わない皇太子フェルナンド、当代随一の宮廷画家フランシスコ・ゴヤなど、本章の主役たちが総登場。またミロス・フォアマン監督の『宮廷画家ゴヤは見た』では、本作にも登場した絵画【マリア・ルイサ騎馬像】を描いている最中のゴヤが登場する。彼等ほど、王族としての権威もカリスマもない人物画も珍しいが、かえって目立つ。

 トリはデンマーク・ノルウェー王妃カロリーネ・マティルデ。王の侍医ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセとの不倫により彼の子を妊娠・出産し幽閉される。映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』で本文に書かれた内容はほぼカバーされており、侍医ストルーエンセを演じたのはTVドラマでセクシーかつ危険なハンニバル博士を演じているマッツ・ミケルセン。但し、本書に紹介されている彼の処刑はかなりおぞましい。

 面白いエピソードも交えながら簡潔に各人物の生涯を紹介している。絵との絡みの部分はあまりないが、表紙にも採用されている『カルロス四世家族像』については詳細な説明が付されている。本を見てから映像に走るか、映像を見てからじっくり生涯を読み解くか。さて、どうします?


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最終更新日  January 10, 2016 07:16:38 AM
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