既成観念にとらわれず、勿論差別意識も持たないコンロイは、「黒人だから」「子供だから」と否定されてきた事を次々と実行する。単なるええかっこしいではない。心から生徒達の事を思っているからだ。しかし彼の想いは最初なかなか伝わらない。それでも、初対面で彼等の学力に愕然としたコンロイは、何とかして興味を持たせようと奮闘。何度も何度も説かれるうちに、生徒達は彼の名前は正しく発音できなくても、彼の想いは間違えずに受け止める。 「世界のすべての人の部屋の外にあるのが紳士という言葉だ。私は、その意味を君たちに言う。紳士は、他人に対して人格や威厳に敬意を払う。彼は、宗教、肌の色、キツツキ(あるものの隠語)を中傷しない。そして、もし彼が私のまわりのこれらの物のうち、いくつかを中傷するならば、私のこぶしを彼の顎にお見舞いする。On the outside of every men's room in the world is the word "Gentlemen." I'll tell you what that means. A gentleman treats his fellow man with respect for his person and for his dignity. He doesn't slander his religion, his color or his pecker. And if he does any of these things around me, I'm going to lay this fist 'longside his jaw. 」 いやーいいですね若くて熱くて。
コンロイは、校長が頭ごなしに生徒達を叱るのが腑に落ちない。彼女だって黒人なのに、どうして同胞に辛く当たれるのか?しかし校長は彼女なりに子供達の未来を守ろうとしていた。「あなたは若くて生意気で、そして白人よ。あなたはいいわね。私はあなたみたいな強みは持ってないの。私は、いつも、黒人であることを知ってる。私がニグロと呼ばれていた時にも、黒人であることを知っていたわ。そして、黒人である私はその事がどういう事か知ってるの。You're young, and you're cocky, and you've got that thin white skin. Well that's just fine for you - I don't have your advantages. I've always known I was colored. When I was a negro, I knew I was colored. And now that I'm black, I know which color that is.」時代がそんなに簡単に変わってゆかないから、時代が追いつくまで角を立てないようにして生きる。うん、これも確かに真理。どちらが正解なのかわからない。でも、どちらも子供達の事をちっともないがしろにしていない。こんな熱血教師、今の日本にいるだろうか。出る杭は打たれるけれど、コンロイ=コンラック先生が生徒達に打った数々の杭は、きちんと彼等の心に残る。それがいい。